ARGON18(アルゴンエイティーン)・ガリウムCS ディスク|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2020年06月08日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は上位モデルのテクノロジーを惜しみなく盛りこんだエントリーレーシングバイク、ARGON18・GALLIUM CS DISC(アルゴンエイティーン・ガリウムCS ディスク)をベテランライダーの管洋介がテスト!果たしてその乗り心地は?
旗艦モデル同様のモールドで作られた
「ガリウムCS ディスク」
1990年にカナダで誕生したアルゴン18。その歴史こそ短いものの2015年にツール・ド・フランスへの出場を果たすなど名だたる老舗ブランドと肩を並べる存在へと急成長を果たしてきたバイクブランドだ。
軽量オールラウンダーのガリウムシリーズは、同社のロードレーシングラインナップにおいて、その活躍を牽引してきたバイクだ。ディスクブレーキモデルはガリウムプロディスクを頂点に、ミドルグレードのガリウムディスクをそろえるが、2020年モデルで待望のエントリーグレードであるガリウムCSディスクが登場した。
同じシリーズ名を冠してハイエンドからエントリーまでを網羅するのは多くのバイクブランドが行っていることだが、ガリウムシリーズにおいては、すべて同じ金型を使用していることが大きな特徴といえる。つまり使用するカーボン素材が異なるのみであり、同社の強みともいえるテクノロジーはそのまま盛り込まれる。
フレーム下部を動力伝達のためのパワーゾーン、上部を快適性のためのコンフォートゾーンとしたホリゾンタルデュアルシステム。効率的で快適なポジショニングを可能としたアルゴンフィットシステム、剛性を落とさずにヘッドチューブ長を変更できるプレスフィット3Dシステムなど、上位モデル同様に搭載される。
また使用するカーボン素材においても対象となるライダーの脚力や使用用途を考慮し、トップレンジよりも弾性率を下げたものが使用され、ファンライドからレースまでと幅広いシチュエーションに対応する。
一般的にカーボン素材は弾性率が高いモデルのほうが高額となることから、コスト面でもエントリーユーザーに優しいものとなっている。言い換えると低価格はエントリーユーザーの目的に合わせたバイクを追い求めた結果でしかない。ガリウムCSディスクは、初中級ライダーのために一切の妥協なく作られたバイクといえる。
トップチューブからシートステー、シートチューブの上部を細身としたコンフォートゾーンにより快適性を演出する。28Cまでのタイヤに対応したクリアランスを確保した。
幅広のプレスフィットBBにより接続するダウンチューブやチェーンステーも含めて剛性を確保したことで、ペダリングの力を効率よく伝達する。
ディスクブレーキに対応する剛性を備えながら、エンド部を後方にオフセットすることで走行安定性を高めたフロントフォークを採用する。
3サイズ(0mm、15mm、25mm)のスペーサーをヘッド部分の剛性を落とさずに組み込めるプレスフィット3Dシステムを採用している。レースからロングライドまで、目的に合わせたポジション構築を可能にした。
ガノー
ガリウムCS ディスク
31万8000円(完成車/税抜)
■フレーム:カーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・105 ■ハンドル:FSA・ヴェロアルミ ■ステム:FSA・オメガ ■シートポスト:FSA・ゴッサマーアルミ ■サドル:セライタリア・スムーテープコルサ ■ホイール:シマノ・WH-RS171ディスク ■タイヤ:ミシュラン・ダイナミックスポーツ700×25C ■サイズ:XXS、XS、S、M ■カラー:シルバーラビットブラックグロス、ヴァリアントブルーメタリックグロス ■試乗車重量:8.8kg(XS /ペダルなし)
俊敏なレスポンスとキレのいいハンドリングが持ち味
管洋介がインプレッション
エントリーモデルといえどもガリウムの名が冠されているだけに、踏み出した瞬間から機敏にトルクが乗っていく。そのトーンから感じられるのは、まぎれもなくレーステイストのバイクであるということ。シャープな切れ味をもつステアリングフィールながら、セミオーバル形状のフォークによって車軸をつかみやすく、正確なバイクコントロールが可能だ。
高剛性の印象が強い上位モデルと比べて、このCSはトルクキャッチにほんの少しのマイルドさを感じる。それでいて踏み抜けがクランク位置の5時頃からなのでどんなギヤをかけても軽快で疲れ知らずのペダリングを作れる。
剛性を落とすことなくヘッドチューブ長を変更できる3Dヘッドを採用。これにより骨盤を深く前傾させて上体の体重をペダルに乗せやすくするレーシングポジションから、ロングライド向きのアップライトなポジションまで1台で構築できる。また75㎜のBBドロップはコーナー中の安定性や巡航性能の高さに大きく貢献している。
さらに性能を高めたいならホイールのアップグレードがオススメで、より推進力を味方にできるだろう。レースデビューしたい初中級者からハイアマチュアまでを唸らせる名車として評価できるバイクだ。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴23年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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問:日直商会 http://argon18.jpn.org
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