デルコ岡篤志がドーピングで4が月出場停止、眼科手術の処方薬が意図せず問題に
Bicycle Club編集部
- 2021年04月29日
フランスのプロコンチネンタルチーム、デルコに所属する岡篤志が、UCI(国際自転車競技連合)のアンチ・ドーピング規則違反(ADRV)リストに名を連ねていることが判明した。その後、岡篤志選手本人のコメントが自身のWEBサイト上で発表された。
岡選手の報告によると2020年12月9日に眼球手術(ICL手術)を受け、その際にアセタゾラミドを含むダイアモックスを処方され、この成分が抜き打ち検査の際に検出され、1月22日に陽性の通知を受けたという。
アセタゾラミドは利尿剤、つまりドーピングの隠蔽剤ということで、WADA(世界ドーピング防止機構)の禁止薬物として服用が禁止されている。ただ、医療関係者によると一般的に眼球のICL手術では、術後に過剰な炎症に伴い眼圧が上昇して点眼薬でも下げられない場合、このアセタゾラミドを含む薬剤が処方されるという。
岡選手のケースでは残念ながら、命に係わる治療ではないことからTUE申請(医療申請)は認められず、UCIは1月25日から5月24日まで出場停止とした。ただ、この件が悪質ではないことからドーピングの罰則としては異例の4カ月間という軽い出場停止にとどめられている。
以下、岡篤志選手WEBサイトより
久しぶりの報告がこのようなニュースになってしまう事を先んじてお詫び申し上げます。
私、岡篤志は、昨年12月13日に行われた抜き打ちドーピング検査で、禁止薬物に指定されている「アセタゾラミド」が検出され、4ヶ月間の資格停止処分となりました。
今回の件で、関係者の皆様には多大なご迷惑をおかけしたこと、心からお詫び申し上げます。
陽性の通知を受けたのは1月22日で、アセタゾラミドは利尿剤に該当し、他禁止薬物を隠蔽するために使われる恐れがあるという理由から禁止されていると記されていました。
もちろん、私にそのような意図はありませんでしたが、どのようにしてその薬物が身体に入ったのか証明しなければなりませんでした。
私は普段、サプリメントや薬などを摂取していませんでしたが、検査の4日前にあたる12月9日に、眼科手術(ICL手術)を行っていました。
そこで、眼科手術を行った医療機関に問い合わせたところ、手術の際に処方された薬の中にDIAMOX錠というものがあり、そこにアセタゾラミドが含まれていたことが分かりました。
医師からは、治療に必要なものであったことを説明され、TUE申請(医療申請)ができるかどうかアンチドーピング機関の先生に問い合わせましたが、命に関わるような治療ではないとして、申請は通らないと言われてしまいました。
故意に使用した場合4年間、そうでない場合も最大で2年間の資格停止になると告げられました。
1月25日に、暫定的な資格停止処分を受け入れ、クリニックからの正式な診断書や、薬のリスト、状況説明書類をUCIに提出し、裁定を待つ形になりました。
判決が出たのは4月23日。
結果的に、故意ではなかったこと、治療に使われたことが認められ、処分を受け入れた1月25日から数えて4ヶ月間、「2021年5月24日までの資格停止」という判決になりました。
これまで、摂取する薬は必ずチームドクターに確認してから使用するようにしてきましたが、今回の手術の際、専門家へ確認しないまま手術に踏み切ってしまったことは私の落ち度であり、事前に防ぐことができたことだったと深く反省しております。
一般的には治療のために服用が推奨されている薬であっても、アスリートとして、アンチドーピングのために、摂取する薬の確認をすることは義務であり、今後は摂取するものについて事前の確認を怠らないように徹底してまいります。
サポーターの皆様や、サイクルロードレースファンの皆様にも、多大なご心配おかけしてしまい、申し訳ありません。
今後の活動についてですが、色々な逆風が重なり、大変厳しい状況ではありますが、このような理由でキャリアを終えたくはないと考えております。
もし私に走る場所があるのなら、また精一杯頑張りたいと思っています。
岡 篤志
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