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国内最高峰の自転車レースで、宮澤監督率いるリオモ・石原がチームプレイで勝利!

8月22日~23日、群馬サイクルスポーツセンター(群馬県利根郡みなかみ町)にて国内最高峰のJプロツアー第6戦、群馬ロードレース8月大会/交流戦が開催。Day1は雷雨のため中止となったが、そのDay2が8月23日に開催され、宮澤崇史監督率るHincapie LEOMO Bellmare Racing Team(ヒンカピー・リオモ・ベルマーレレーシングチーム)の石原悠希が、宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグを下して勝利し、チームとしては2017年7月のやいた片岡ロードレースでの横塚浩平(現チームUKYO)優勝以来の勝利となった。
その勝利への導いたチーム戦略を宮澤崇史監督に聞いた。

156人という大人数でスタートし、激しい展開に

交流戦はJプロツアーとE1カテゴリーの両方の選手が出走する

レースは序盤から積極的なアタック合戦となり、ペースアップしていった。この激しいレースが落ち着いたのは、7周めに5人の逃げが決まり、メイン集団はタイム差1分ほどで逃げを容認する。ここからレースは膠着状態となった。

5人の逃げメンバー。小川恵佑(弱虫ペダル サイクリングチーム)、内野尚也(イナーメ信濃山形)、小橋勇利(YURIFitCyclingTEAM )、アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)、山本大喜(KINAN Cycling Team)

リオモは米谷、門田、そして石原につないだ連携プレイ

逃げを泳がせながらペースをコントロールする宇都宮ブリッツェンの中に、蛍光イエローの米谷隆志が入り、先頭が見える好位置に門田祐輔と石原が陣取った。

「今日は、逃げが決まった段階でブリッツェンがコントロールするんだと思っていたんで、とりあえずうちが入ることで、そのあとの展開を作るカギを握っておくために米谷に先頭を引かせておいた」という宮澤監督。その指示どおりに米谷が集団をコントロールする宇都宮ブリッツェンに協調して集団を引いていく。このあと、米谷はアタックの発射台のようにペースを上げ、レースに変化をつける。

残り5周でキンテロが逃げ、ペースが上がったときには門田がチェックに入る

その後、14周めにレオナル・キンテロ(マトリックスパワータグ)がカウンターをしかけ逃げは崩壊し、レースは振り出しに戻る。その後、キンテロが捕まってからは、阿曽圭佑(eNShare Racing Team)と小出樹(JCF強化指定選抜チーム)が飛び出して捕まり。さらに残り2周で織田聖(弱虫ペダル サイクリングチーム)と 小嶋 渓円(MiNERVA-asahi)が抜けすが、これも吸収され、レースはゴール勝負となった。

「今日は最後ゆっくり展開になったけど、流れないから、流れないなりに脚を使うことになったのでみんな脚が残っていなかった」と宮澤監督がいうように、脚を使い果たした集団は人数を10人ほどに絞っていく。

最後は石原が絶妙なタイミングで抜け出す

最後のバックストレートを下る先頭集団。石原が前から3番目の好位置をキープ。

そして、バックストレートを下ってきたのは石原ほか、宇都宮ブリッツェンは西村大輝と小野寺玲の2人、さらにマトリックスパワータグもキンテロとホセ・ビセンテ・トリビオの2人を残していた。この数的に不利に見えるなか、石原が絶妙なタイミングで抜け出す。

「ここしかないってところで全力でしかけました」とレース後に石原がコメントしたように、集団と数秒差をつけて抜け出し、そのままゴールに駆け込み勝利した。

後続に1秒差をつけて勝利した石原。余裕はなかったとコメントしながらも吠えながらガッツポーズを決めた

「石原には、残り1周くらいから揺さぶりをかけても、スプリントでもどっちでもいいよと言っていた。バックストレートの下りで先頭交代しても3番手くらいに入れと言っておいておいたら、3番手くらいにいるのが見えた。このあと、思いのほかペースが落ちたんだよね。で、石原がアタックしたら後ろと数秒開いて、ゴールみたいな感じかな。積極的にいったのが一番良かった」(宮澤監督)「

勝ったことよりも展開を作れたことがうれしい(宮澤崇史)

レース後に選手、スタッフ、宮澤崇史監督(右から2番目)全員で記念撮影をし、その喜びを表現した。

「うちのチームにとっては勝つ、勝たないたよりもレース展開を作ることが一番なので、結果につながったのがよかった。チームが展開を作る動きをしても、それが結果につながることがわかったのがいいよね。次からチームとして展開を作ることが怖くなくなる。それがすごく大切。

大切なのは『うちのチームは逃げてるから前引きません』じゃなくて、ちゃんと攻撃する手前の形を先頭交代しながら作ること。さらにその選手がアタックしてみたいな、不意をつくみたいな動きが日本では少ないから、もっとしたほうがいいとも思うんだよね。群馬みたいなコースはゲーム性が高いから、タイム差だけで決まっちゃうみたいなのだと面白くない」

と宮澤監督。

おそらくレース中、無線だけではなく、そして自分の脚を使ってコースを走り回っていた宮澤監督。こうした動きが今回の勝利につながったことは間違いない。

レース中、群馬CSCのバックストレートとリフト下の坂を往復し、選手たちに指示を出す宮澤監督。

結果  JPT・E1 120km(10周回)

1 石原悠希(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team)2:51:46
2 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)+00:01
3 河賀雄大 + 00:01 (eNShare Racing Team)+00:01
4 小野寺玲 (宇都宮ブリッツェン)+00:01
5 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)+00:01
6 谷順成(那須ブラーゼン)+00:01

Jプロツアーリーダー

小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)

U23リーダー

織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)

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PROFILE

山口

Bicycle Club / 編集長

山口

バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。

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バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。

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