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ロードレース世界選手権、代替地決定からたった22日間で開催を可能にした「イタリア・イモラ」モデル

今年のロードレース世界ナンバーワンを決めるUCIロード世界選手権が9月24日から、イタリア・イモラで開催される。パンデミックによって一時は大会の開催そのものが不透明になったが、いくつかあった代替開催地の中から最も条件が整っていたイモラでの実施に落ち着いた。ロードレースで使用される起伏に富んだコースや、ツール・ド・フランスでの激闘そのままに乗り込んでくる選手たちの顔ぶれに注目が集まるが、急仕上げでの大会開催が実現しようとしているその理由と、同地の取り組みにも目を向けてみたい。大会組織委員会の声と合わせて、現地の様子をサイクルジャーナリストの福光俊介さんがお伝えする。

約20日間での開催準備

UCI(国際自転車競技連合)による代替開催地の発表が9月2日。それからわずか22日間でロード世界選手権は開幕を迎える。当初予定していたスイスのエグル・マルティニー開催が白紙となり、UCIが代替開催地の選定を行う段階でイモラ市はコースの設計やホスピタリティ面のプレゼンテーションを行っていたというが、とはいっても開幕に向けた準備はやはり開催が決定してからの稼働。なぜ短期間での開催実現が可能なのか。

大会の成功に自信を見せるマルコ・パヴァリーニ大会組織委員会会長(右)とマルコ・セッレーリ大会ゼネラルマネージャー

イモラ大会組織委員会のトップ、マルコ・パヴァリーニ会長は「この偉業の達成は私たちだけのものになるだろう」と自信を見せる。通常であれば、世界規模の大会は準備に数年をかける。しかし今回ばかりは時間、そして健康面での恐怖との戦いでもある。大会組織委員会のメンバーは現在、寝る間も惜しんで準備に取り組んでいるといい、パヴァリーニ会長はその活動を「フィニッシュラインを勝ち抜くために狂ったように働いている」と表現する。

また、短期間での準備を可能とするべく、パヴァリーニ氏と大会ゼネラルマネージャーのマルコ・セッレーリ氏のコンビは、自らが信頼できる人材を組織委員会にスカウト。個々のマネジメント能力や献身性も開催実現の大きなファクターとなっているようだ。

さらに、レース運営の実働部隊には「エクストラジロ」と呼ばれる組織のスタッフがあたる。彼らは、企業コンサルティングやメディア戦略、PRなどを専門とする企業「コミュニケーションクリニック」内の一部門で、2017年に「ジロ・デ・イタリア・ジョバーニ・アンダー23(アンダー23版ジロ・デ・イタリア)」を5年ぶりに復活させた実績を持つ。8月29日から9月5日にかけて行われた今年の大会でも、その運営能力を発揮。そのノウハウをいよいよ世界規模の大会に投入することとなる。

選手とスタッフを対象にPCR検査を実施

PCR検査は鼻腔または咽頭スワブ式で行われる

今大会では、ドライブスルー形式でのPCR検査が実施される。

これは参加選手とスタッフを対象に行うもので、大会組織委員会とイモラ市が属するエミリア=ロマーニャ州保健サービスとの共同で行われる。9月21日から24日まで会場近くにモバイルラボを設け、選手に関してはレース3日前の受診を基本とする。

モバイルラボが設置されることにより、検体をイタリア北中部にあるラボ本体へと持ち込む必要性がないとともに、36時間以内の判定を実現させられるという。

急ピッチで進む準備にあって、開催を実現させられるのはこれまでに培ってきたノウハウと自治体や各施設との信頼関係によるものが大きいようだ。あとは期間中に新型コロナウイルス感染者を出すことなく、2020年のロード世界王者を決める熱戦が演じられれば、イモラ大会は大成功を収めることとなる。

福光 俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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