イギリスの新鋭ピドコックが2つの金メダルを獲得!|UCIマウンテンバイク世界選手権
Bicycle Club編集部
- 2020年10月15日
新型コロナの感染拡大によりヴァル・ディ・ソーレ(ITA)から、2012年世界選手権の開催地であるレオガング(AUT)に会場を移して行なわれた2020年のマウンテンバイク世界選手権。ウエット&マッドなコースでは数々のドラマが生まれた。
なかでもクロスカントリーレーサーは、直前にノーヴェ・メスト・ナ・モラーヴェ(CZE)で6日間で2レース(エリートはXCCも開催)こなした後、480km離れたオーストリアに移動して世界選手権に臨むという超ハードスケジュールとなったが、ここで出場したレース全てに勝つという離れ業をやってのけたのが、イギリスのトーマス・ピドコックだ。
フラットなハンドルバーそしてフルサスペンションにも順応。ノーヴェ・メストのロックガーデンを下る
(C)Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool
荒れた路面状況でもラップタイプの変動が少ない点もピドコックの強みと言えるだろう
(C)Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool
シクロクロスとロードレースのU23カテゴリーでは、世界選手権を含むビッグタイトルをいくつも獲得。来季はイネオス・グレナディアスへの加入も決まっている“天才児”は、初出場のマウンテンバイク・ワールドカップXCO U23カテゴリーで2勝を挙げると、世界選手権初日のE-MTBクロスカントリーに出場。5周回のレースは、雨の中スローな展開で始まり、ジェローム・ジルー(FRA)がリードするが、16位からポジションアップしてきたピドコックは、4周目にジルーをかわすと35秒差をつけて優勝した。
「練習で何度も転んだから、下りはコースに留まることに神経を使った」というE-MTB XCOは、頭脳プレーで勝利
(C)UCI/Michal Cerveny
昨年から新設されたE-MTBカテゴリーのレインボージャージを着てシャンパンファイト
(C)UCI/Michal Cerveny
「路面には無数の轍ができて、下りセクションはとてもトリッキーだったから、とにかく安全に走ることだけを考えて、登りでタイムを稼ぐことを考え走った。これで次のレースに自信がついた」というレース後のコメント通り、ピドコックは金曜日のアンダー23でも、1周目からトップに立つと一度もその座を譲ることなく2位のクリストファー・ブレヴィンズ(USA)に1分52秒もの差をつけ優勝した。
レースを振り返ったピドコックは、「後方からのスタートだったので、スタートループでブレヴィンズについて上手く前に出られたのが良かった。来年のスケジュールはまだわからないけれど、エリートカテゴリーで走ることを楽しみにしている」と語った。
「マチュー(ファン・デル・プール)やワウト(ファン・アールト)みたいに、あらゆる面でうまく走りたい」という21歳の今後に注目が集まる。
スペシャライズドに2つのタイトルをプレゼント。イネオス契約となる来季はどのブランドに乗るのか早くも注目される
(C)Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool
「この後は3週間オフを取る予定。その後はシクロクロスの準備をするけど、大きなレースが中止になっているのでどうなるかだね」とコメント
(C)Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool
UCIマウンテンバイク世界選手権
日程:2020年10月5日~11日
開催地:ザールフェルデン=レオガング(オーストリア)
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PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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