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冬は自転車が進まない!はホントだった|ふじいのりあきのロードバイク研究所

冬に自転車に乗ると、走りが重くなったように感じることはないだろうか?もちろん冬は風か強いこともあるが、じつは寒くなると空気抵抗が増えているのだ。バイシクルクラブで連載中のロードバイク研究所の「ふじいのりあき」さんがその秘密を教える。

冬は空気抵抗が増す

ディープリムホイールを履いていても、冬になり「なんだか遅くなった、重くなった」と感じている人はいないだろうか?

その直感は正しい。冬は空気が重くなり、空気抵抗がガッツリ増えるからだ。どういうことか、今から説明しよう。

まず、頭の中に「風洞」を思い浮かべてほしい。今から、この風洞を使って走行中の空気抵抗を測ってみる。

まず、空気の重さがどのくらいかというと、1m角(1㎥)で、気温20℃、1気圧のときに1205㎏だ。これを空気密度という。自転車を前から見た面積(前面投影面積)はブラケットポジションで0.4㎡くらいだ。時速40㎞で走る場合、1秒間に11.1m進むので、0.4×11.1=4.44㎥の空気がぶつかってくることになる。

その空気の重さは、4.44×1.205=5.35㎏。この重さが時速40㎞でドーンとぶつかってくるのが、走行中の空気抵抗だ……

と言いたいが、抵抗を計算するためにはもうひと細工必要になる。

時速40㎞で走ると1秒間に3㎏の抵抗を受けている

空気の塊の重心で計算してみよう。時速40㎞だと1秒間に11.1m進むので、0.4×11.1=4.44㎥の空気がぶつかってくる。空気の重さは5.35㎏だ

空気の重さに加速度をかければ「力」が算出できる。したがって、5.35㎏×加速度毎秒11.1m=空気抵抗……と書きたいところだが、この式は誤り。空気の塊は点ではなく、大きさをもつ。

自転車に向かってくる空気の塊は、1秒間のうちに秒速11.1mから秒速ゼロまで減速する。自転車にぶつかって止まるからだ。つまり自転車の目の前の空気は止まっているが、11.1m向こうの空気は秒速11.1mで動いている。

ややこしくなってきたが、こんな場合は空気の塊の真ん中にある重心を考えると簡単だ。

上のイラストのように重心は11.1m÷2=5.55m地点にあるわけだが、この重心も1秒かけて速度ゼロになる。だが移動距離は5.55mなので、重心の加速度は毎秒11.1mの半分ということになる。したがって、加速度毎秒11.1mを2で割ってから5.35㎏にかければいいわけだ。

付いてきていますか?

難しいようだが、じつは四則演算しか使っていないので小学生でも理解できるはずだ。わからなかったら、落ち着いてもう一度読み直してほしい。

さて、かくして、この空気の塊を1秒間でドーンと受けた力は……

11.1÷2×5.35=29.7N

となる。ダンベルにすると約3㎏の重さだ。

これで、気温20度Cでブラケットポジションで時速40㎞で走ると、1秒間に3㎏くらいの空気抵抗を受けることが計算できた。

で、冬はなぜ走りが重いの?

冬場の空気抵抗の話に戻そう。

空気は、温度が低いと重くなる。この影響がけっこう大きく、時速40㎞に必要なパワーは下の表のように変化する。気温が10℃下がるだけで、必要パワーはじつに10W前後も増えるわけだ。

表 気温と必要パワーの関係

温度(℃)  時速40㎞でのパワー(W)
30 299
20 308
-5 334

さらにタイヤの走行抵抗も冷えると増えるし、冬用のウエアも抵抗が大きい。

前に私が時速35㎞付近での必要パワーをウエアごとに計測した実験では、夏のウエア(半袖+生足)だと約188Wだったが、冬用ウエア(ウィザードの上下長袖)だと204Wだった。

したがって、真夏の日中と、真冬の早朝を比べると、同じ時速40㎞でも、必要パワーが50W(!)近く違っても不思議ではない。冬のトレーニングでスピードが出なくても、悩む必要はないということだ。

湿度は上がると空気抵抗は下がる

湿度の影響はあまりないが、相対湿度が0%から100%に上がると、時速40㎞を出すのに必要なパワーは2W下がる。

湿度が高い=水が多いのに抵抗が減るのはなぜかというと、水(水蒸気)の分子量は18で78%を占める窒素(分子量28)と、酸素(21%で分子量32)より軽いからだ。この事実は、湿度が高くてヘタレたときに、「今の抵抗は小さいはずだ!」と乗り切るための精神的支えになるだろう。

ふじいのりあき

某自動車会社で設計業務を勉強。「在学中」から、自動車の仲間ということでさまざまな乗り物を趣味で研究する。とくに自転車にはいちばん親しみ、さまざまなウンチクを各種取りそろえている。最近、学び屋を卒業。大きくなったら何になろうかなーと考へてゐる。

 

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BiCYCLE CLUB 編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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