近谷涼はじめ、Jプロツアー選手、強化選手が難関を突破! 競輪選手養成所が合格発表
Bicycle Club編集部
- 2021年01月14日
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1月14日、日本競輪選手養成所より男子121回生、女子122回生の合格者が発表された。
自転車のタイムで合否が決まる技能試験組では中野慎詞や荒川仁、村田祐樹といった日本自転車競技連盟(JCF)の強化指定選手に選ばれている者や、さいたまディレーブ所属選手として今季Jプロツアーを走った安彦統賀らが合格者名簿に名を連ねた。
他競技での競技実績や自転車の身体能力測定により合否が決まる適性試験組では、アイスホッケーで活躍した小坂丈や、プッシュスケルトンで活躍した近藤圭佑らが合格。
また、特別選抜試験では近谷涼が唯一合格している。
※写真は全日本自転車競技選手権大会トラック・レースより
日本競輪選手養成所とは
日本競輪選手養成所とは日本で唯一の競輪選手養成機関であり、日本サイクルスポーツセンターに隣接した施設で競輪選手になるための資格検定合格に向けて自転車の訓練や競輪に関するルールや法律などの座学を実施している。
その歴史は古く、昭和25年に東京都北多摩郡調布町(現調布市)に日本サイクリストセンターとして開設。昭和30年には馴染み深い名称である日本競輪学校に改称し、昭和43年に現在の場所へ移転。さらに令和元年には日本競輪選手養成所と改称し、現在に至る。
資格検定を受験するに養成所を経由しなくてもよいという話もあるが、養成所に入所せずに合格するのはほぼ不可能だそうで、競輪選手を目指すこと=養成所の試験に合格することというのが一般的だ。
参考URL:https://keirin-jik.jp/
日本競輪選手養成所に入所する方法
写真は全日本自転車競技選手権大会トラック・レースの中野慎詞
日本競輪選手養成所に入所するためには年に1回実施される試験に合格するしかない。
この試験、過去には年2回実施されていた時期もあるが、現在は男女共に年1回の実施となっており、2020年に実施された試験のうち技能試験では一次試験を306名が受験し2次試験を経ての合格者は70名と倍率は約4.4倍となっている。
また、試験は大きく3つの受験方法がある。
- 技能試験
- 適性試験
- 特別選抜試験
技能試験とは
技能試験とは競輪用の自転車を使用してのタイム測定による試験である。
試験は1次試験と2次試験に分かれており、2020年に実施された試験におけるそれぞれの試験内容は以下の通りとなっている。
男子
1次試験:1000mと200mのタイム測定
2次試験:身体検査と面接
女子
1次試験:500mと200mのタイム測定
2次試験:身体検査と面接
適性試験とは
適性試験とは身体能力の測定による試験である。
技能試験同様、1次試験と2次試験に分かれており、2020年に実施された試験におけるそれぞれの試験内容は以下の通りとなっている。
1次試験:垂直跳の跳躍高、背筋力計による背筋力、長座体前屈による柔軟性
2次試験: 固定式自転車による6秒間の走行時の最大パワー及び最大回転数、固定式自転車による45秒間の走行時の平均パワー、身体検査、面接
特別選抜試験とは
特別選抜試験とは、オリンピックや世界選手権、ワールドカップといった各種競技の国際大会で優秀な成績を収めた選手や世界自転車競技センターで6か月以上訓練に参加した選手を対象とした試験である。
過去には長野オリンピックショートトラック男子500mで銅メダルに輝いた植松仁や平昌オリンピックフリースタイル競技モーグル種目で銅メダルに輝いた原大智らが合格している。
また、昨年はリオオリンピック自転車競技トラック種目のオムニアムに出場した窪木一茂が合格している。
参考URL:http://keirin.jp/pc/topicsdetail?nnum=6037
技能試験組の主な合格者
写真は全日本自転車競技選手権大会トラック・レースの荒川仁
男子
日本競輪選手養成所から発表された主な合格者は以下の通り。
中野 慎詞:2019年全日本自転車競技選手権大会 ケイリン2位
治田 知也:2019年国民体育大会 1kmTT1位
安彦 統賀:2019年全日本自転車競技選手権大会トラックレース スクラッチ2位
荒川 仁 :2019年国民体育大会 1kmTT3位
日髙 裕太:2019年全国高等学校総合体育大会自転車競技大会 スプリント1位
村田 祐樹:2019年国民体育大会 ケイリン1位
岸田 剛 :2019年国民体育大会 チームスプリント1位
常次 勇人:2019年全国高等学校選抜自転車競技大会 スクラッチ1位
甲斐 俊祐:2019年全日本大学対抗選手権自転車競技大会 タンデムスプリント1位
橋本 陸 :2019年全日本大学対抗選手権自転車競技大会 チームパーシュート1位
松本秀之慎:2019年全日本選手権大会トラックレース(ジュニア) ケイリン・1kmTT1位
東矢 圭吾:2019年全日本学生選手権トラック自転車競技大会 ケイリン・タンデムスプリント1位写真は全日本自転車競技選手権大会トラック・レースの治田知也
それ以外にも以下の者が合格している。
篠田 幸希:第14回明治神宮外苑大学クリテリウム グループ1(大学対抗)1位 2019年 インタープロサイクリングアカデミー(UCIコンチネンタルチーム)所属
末廣 快理:2019年国民体育大会 スプリント4位 2020全日本大学自転車競技大会 スプリント7位
松下 綾馬:第74回全日本大学対抗選手権自転車競技大会 4kmインディヴィデュアルパーシュート 1位
写真は全日本自転車競技選手権大会トラック・レースの末廣快理
女子
日本競輪選手養成所から発表された主な合格者は以下の通り。
小泉 夢菜:2019年全日本自転車競技選手権大会トラックレース ケイリン3位
松本 詩乃:2019年全日本大学対抗選手権自転車競技大会 スプリント1位
野寺 楓 :2019年全日本自転車競技選手権大会トラックレース 500mTT2位
金田 舞夏:2019年ジャパントラックカップ ケイリン 1位 2019年全国高等学校総合体育大会 500mTT2位
池上あかり:2019年全日本大学対抗選手権自転車競技大会 ロードレース2位
写真は全日本自転車競技選手権大会トラック・レースの金田舞夏
参考URL:http://keirin.jp/pc/topicsdetail?nnum=7323
適性試験組の主な合格者
男子
日本競輪選手養成所から発表された主な合格者は以下の通り。
小坂 丈 :2019年アイスホッケー世界選手権ディビジョンⅠグループB アイスホッケー3位
近藤 圭佑:2019年全日本プッシュスケルトン選手権大会 スケルトン2位
女子
日本競輪選手養成所から発表された主な合格者は以下の通り。
塩田 日海:2019年日本学生陸上競技対抗選手権大会 棒高跳び16位
参考URL:http://keirin.jp/pc/topicsdetail?nnum=7323
特別選抜試験では近谷涼が合格
特別選抜試験では近谷涼が合格している。
近谷はTwitterで「日本競輪選手養成所第121回選手候補生入所試験に合格しました。競輪選手になりたいと夢を抱いてから22年経ちました。全力で取り組んで、全力で挑戦していきます!」とコメント
問い合わせ:日本競輪選手養成所
http://keirin.jp/pc/dfw/portal/guest/jik/index.html
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