サステナブル?【革命を起こしたいと君は言う……】
Bicycle Club編集部
- 2021年02月27日
地球に優しくあるためには
この議論の落とし穴は、生産する企業がサステナブルだリサイクルだと騒いでいることだ。
ゴミ削減4つの法則の順番はRefuse(発生回避)Reduce(排出抑制)Reuse(再利用)Re cy cle(再資源化)。4番めとなるリサイクルはもっとも効果の低い取り組みだ。
企業は消費してもらうためにリサイクルを重要項目にし、今や「サステナビリティ」が購買意欲をかきたてる宣伝文句のひとつだ。
良心に訴えかけ、消費者はこの企業の物であれば環境負荷にやさしく、このメーカーを選ぶことで環境負荷の軽減に貢献できると信じる。
本来、物を作る企業は、サステナビリティとは対極にある。必要のない物(定義も難しいが)は作らず使える物をなるべく使うということが環境負荷軽減に貢献する選択だ。リサイクルに力を入れる企業の製品をたくさん買うことではない。
サイクリストは環境問題からいえば最も優等生。しかし気付かないうちに環境負荷に加担する立場となることは避けていただきたいと切に願う。
年始、60年前に父が作った自転車でサイクリングに出かけた。壊れる気配もなく、大切に乗れば100年はもつ。スチールヴィンテージを愛し大切に乗り続けるサイクリストが、ある意味最強に地球に優しいサイクリストだろう。経済活動には優しくないが……。
そんな思いで工房に戻りユーザーのフレームを作り始めた。「オーダーするのは環境負荷だからもう注文しないで下さい!」といえない事情を私もまた抱えていることをご理解いただきたい。
Cherubim Master Builder
今野真一
東京・町田にある工房「今野製作所」のマスタービルダー。ハンドメイドの人気ブランド「ケルビム」を率いるカリスマ。北米ハンドメイド自転車ショーなどで数々のグランプリを獲得。人気を不動のものにしている
今野製作所(CHERUBIM)
革命を起こしたいと君は言う……の記事はコチラから。
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Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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