ツール・ド・フランス覇者ポガチャル勝利！　ティレーノ～アドリアティコ第4ステージ

Bicycle Club編集部

2021年03月14日

イタリアで開催中のUCIワールドツアー「ティレーノ～アドリアティコ」は、現地3月13日に第4ステージが行われた。超級山岳プラーティ・ディ・ティーヴォの頂上フィニッシュが設けられた今大会のクイーンステージ（最難関ステージ）を征服したのは、昨年のツール・ド・フランス覇者のタデイ・ポガチャル（スロベニア、UAE・チームエミレーツ）。ステージ優勝とともに個人総合でも首位に浮上した。

ライバルの猛追振り切りポガチャルがステージ勝利

148kmに設定されたレースは、後半に2つの超級山岳越えが控える本格的な山岳ステージ。第3ステージまで連日上位フィニッシュを繰り返し、個人総合首位に立つワウト・ファンアールト（ベルギー、ユンボ・ヴィスマ）に、実力派クライマーたちがいかに立ち回るかが注目された。

レースは最大で5人いた逃げグループがしばし先行。後半に入って3人に絞られ、プラーティ・ディ・ティーヴォの上りへと突入する。

一時は8分以上のリードを許していたメイン集団も、最後の山岳に入る頃には逃げメンバーを射程圏内にとらえていた。そして、残り8kmでエガン・ベルナル（コロンビア、イネオス・グレナディアーズ）のアタックを皮切りに、有力選手たちが次々と集団前方へと顔を見せる。

アタックとキャッチを繰り返していた集団に決定的な局面が訪れたのは、残り5km地点。ゲラント・トーマス（イギリス、イネオス・グレナディアーズ）の動きをチェックしていたポガチャルが、逃げで粘り続けていたマッズ・ウルスシュミット（デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション）をパスしたと同時に勝負に出る。トーマスを振り切ると、山頂のフィニッシュラインめがけて独走態勢に入った。

その後ろでは、サイモン・イェーツ（イギリス、チームバイクエクスチェンジ）が単独で追走を開始。少しずつポガチャルとの差を縮めていく。

イェーツの猛追を受けながらも、ポガチャルはプラーティ・ディ・ティーヴォの頂上へと到達。トップでフィニッシュラインを駆け抜けた。

あと一歩届かなかったイェーツは6秒差のステージ2位。リーダージャージのファンアールトは45秒遅れ、この時点でポガチャルが個人総合首位に浮上。総合タイム差35秒でファンアールトとセルヒオ・イギータ（コロンビア、EFエデュケーション・NIPPO）が続く。

翌14日に行われる第5ステージは、カステッラルトからカステルフィダルドまでの205km。レース後半は、最大19％の急坂を含む周回コースへ。終盤も難所が連続し、最後は勾配12％を上ってフィニッシュを迎える。

ステージ優勝　タデイ・ポガチャル　コメント

「今日はとても難しいステージだった。チームメートが逃げグループとのタイム差を縮める素晴らしい働きをしてくれたおかげで、私は上りで最善を尽くすことができた。この勝利には本当に満足している。個人総合でリードすることができているけど、明日も難しいステージで、最終日には個人タイムトライアルが控えている。どんなことも起こりうるのでまだまだ気を抜くことはできない」