タイムトライアルで快勝ローハン・デニス｜ボルタ・ア・カタルーニャ第2ステージ

スぺインで開催中のワールドツアー、100回目のボルタ・カタルーニャ。3月21日現地、第２ステージはバニョーレスをスタート・ゴールとする個人タイムトライアルが行われ、ローハン・デニス（イネオス・グレナディアーズ、）が圧勝。リーダージャージはジョアン・アルメイダ（ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル）の手に移った。この日のステージの様子をスペイン在住の對馬由佳理がお伝えする。

距離は短いが、テクニカルな個人タイムトライアルコース

慎重にコースの下見をするガスプロム・ルスヴェロの選手たち。写真撮影:對馬由佳理

この日の個人タイムトライアルは、カタルーニャ地方の北にある湖のとなり町、バニョーレスが舞台。基本的には湖の周りを走るコースですが、細かいアップダウンがある上に、ゴール前500mには坂を下った直後に大きめのランドアバウトがあるという、テクニカルなコースです。

加えて、この日は天気は良かったものの最後の直線で選手たちに対して向かい風が吹き付け、選手たちには少々神経質なレースコンディションとなりました。

少々難しいコースということもあり、レース前多くの選手がかなり真剣に試走をする選手の姿が多く見られました。

TTスペシャリストが大躍進。総合順位も逆転

初日にリーダージャージを手にするも、第2ステージで苦戦したアンドレアス・クロン（ロット・スーダル、デンマーク）。写真撮影:對馬由佳理

この日のコースは細かいアップダウンはあっても、基本的に平坦基調だったため、タイムトライアルの得意な選手が大躍進します。特に、イネオス・グレナディアーズとドゥクーニンク・クイックステップの選手たちの調子の良さは軍を抜いていて、現場で見ていても明らかに他の選手とはスピードが違うことがわかりました。

それとは対象的に、第1ステージで大活躍した選手たちの多くは、個人タイムトライアルでは大苦戦します。前日の優勝者だったアンドレアス・クロン（ロット・スーダル、デンマーク）はデニスから1分7秒遅れの44位、同じく前日第3位のレミ・ロシャス（コフィディス）も1分16秒遅れの54位でした。

第2ステージ終了後、総合3位のルイスレオン・サンチェス（アスタナ・プレミアテック、スペイン）。写真撮影:對馬由佳理。

しかし、第1ステージ2位のルイス・レオン・サンチェス選手（アスタナ）は、今日の個人タイムトライアルでも、トップと55秒遅れの13位と大健闘し、総合争いでも、第3位にとどまっています。

レース後半でのアタックが得意なアスタナが、サンチェス選手の優勝を狙って、後半の山岳コースでどのような戦い方をするのかが注目されます。

ヴォルタ・ア・カタルーニャ 第2ステージ(18.5km)リザルト

1　ローハン・デニス（イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア）　22′ 27”
2　レミ・カヴァニャ（ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス）　+05”
3 　ジョアン・アルメイダ（ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル）　+28”
4　ブランドン・マクナルティ（UAEチームエミレーツ、アメリカ）　+28”
5　ステフェン・クライスヴァイク（チーム・ユンボ・ヴィズマ、オランダ）　+33”
6　リッチー・ポート（イネオス・グレナディアーズ、ニュージーランド）　　+34”

総合順位

1　ジョアン・アルメイダ（ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル）　04：43′ 26”
3　ルイスレオン・サンチェス（アスタナ・プレミアテック、スペイン）　+0”
3 　レミ・ロシャス　（コフィディス、フランス）　+3”

各賞ライダー

個人総合時間賞

ジョアン・アルメイダ（ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル）

スプリント賞

アンドレアス・クロン（ロット・スーダル、デンマーク）

山岳賞

シルヴァン・モニケ（ロット・スーダル、ベルギー）

ヤング賞

ジョアン・アルメイダ（ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル）

レースの公式サイト
https://www.voltacatalunya.cat/

著者紹介
對馬由佳理
スペイン在住。当地で10年以上ファンとして自転車レースを追いかけた後、ジャーナリストへ転向。スペインで開催される男子のレースはもちろん、女子のレースやパラサイクリングも取材経験あり。
Twitter: @TsushimaYukari
Instagram:yukaritsushima1