フジイチ+周辺ルート|静岡&山梨県・ジャパンバイシクルルート実走調査
Bicycle Club編集部
- 2021年03月31日
日本の道を知り尽くした「ジャパンバイシクルルート選考委員会」が選ぶ、日本が世界に誇れるベストサイクリングルート。日本一の霊峰「富士山」を廻るフジイチとその周辺ルートを紹介していく!
INDEX
自然が作り出した美しさと、信仰を寄せてきた日本人の営みから
世界文化遺産に登録された日本の象徴、富士山。
その裾野に広がる自然豊かなエリアをぐるり一周するフジイチは
世界中から支持を集める可能性をもつ魅力あふれるルートだ。
「日本一」のプライドで「日本最高峰」を目指す
どうして富士山を見ると、こんなに心が躍ってしまうのだろう。
古来、富士山は神が宿る霊峰とされ、信仰の対象なのだが、それは日本一の高さや美しさゆえではなく、ほかのどの山にもない、特別なものがあるからだと思う。
フジイチは富士山のオーラを受ける裾野の道路を一周する。何度も、さまざまな角度から富士山を眺め上げ、富士山を感じて走るのだ。富士山への畏敬が染み込んだ日本人にとっては、巡礼の道的な価値もあるのかもしれない。ルートはそれぞれが観光客を集める人気のエリアをつないだもので、そもそも、非常に魅力的なものだ。
東京五輪に向けてUCIは「富士山が見えれば、世界のTV観戦者をいっそう魅了できる」と、コースのエンターテインメント性を高める必要性を主張し、この地域でのロードレース開催を提案した。ここで富士山の人を魅きつける力が世界に通じること、世界の頂上決戦にふさわしい環境がここにあることに気付かされることになる。
フジイチとこの五輪コースを抱える静岡県、山梨県はそろって「日本一」のルート整備に名乗りを上げ、自転車の走行・受け入れ環境の整備・充実に向け着手した。
2021年7月、五輪を通じ、このエリアの映像が世界の自転車ファンに発信される。興味をそそられた各国のサイクリストたちが、やってくることになるだろう。
ジャパンバイシクルルートの詳細はこちらから。
フジイチのココがいい!
日本一の山、富士山
多くの日本人が、生まれ育つ中で自然に、富士山を特別な存在としてとらえるようになっている。富士山を威厳を感じられるほど間近に見上げ、周囲一周を走破することには大きな感動や満足感がある
五輪ロードコースに選出
富士山や日本を象徴する景観や豊かな自然の中を走る。美しく起伏に富みテクニカルで、おもしろい展開が起こりやすく、誰もが見て楽しめるコースとして、UCIからも高い評価を受けているという
急速に自転車を楽しむ環境整備が進行
静岡県は「サイクルスポーツの聖地」を、山梨県は「サイクル王国やまなし」を目指し、自転車の環境整備に着手。追随する市町村も多く、イベント開催、Eバイクレンタルなどの動きが生まれている
自転車サポート施設急増中
県や市町村の単位で、自転車をサポートする施設の準備を進めており、地域によってはすでに多くの拠点でラックの設置や工具の貸し出しを始め、サイクリストを歓迎する宿なども登場している
ニッポンを象徴する富士山がある
そびえ立つニッポンの象徴・富士山。
今や世界に存在を知られる美しき日本一の山、富士山。
一帯の自然や文化は豊かで、周辺には多彩な生活圏が広がる。
もっと知りたくなるフジヤマのつきない魅力
自転車だからこそ、味わえる富士山がある。視界が広く、自力で走るからこそ、ヒルクライムでは、その大きさ、険しさ、美しさを、周囲を走れば、スケールや自然の豊かさを感じることができる。世界文化遺産である富士山の資産を巡るにも適しているだろう。
ここで対面する富士山は巨大で、強烈なオーラとエネルギーを放っている。神に近い畏敬を感じながらも、季節や時間により姿を変え、あまりにも清廉で美しい姿に心を奪われてしまう。それはここでしか味わえない感覚だ。
日本最強の聖地富士山を、自転車で楽しみつくそう。
ルート1
「フジイチ」
富士山のまわりをぐるり一周! 楽ではないが、ルートは美しく変化に富み、立ち寄る場所も多く、満足度も高い
詳細はこちらから
ルート2
「東京2020」
五輪ロードコースをベースに、走りやすく美景に優れ、立ち寄りを含め楽しめるようシンプルにしたロングコース
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ルート3
「四尾連湖」
富士川エリアから神秘と伝説の湖、四尾連湖へ向かうヒルクライムを含めたミドルコース。レンタサイクル利用可
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ルート4
「富士スバルライン」
富士北麓からスタートする富士登坂路。勾配が緩く安定しており、初心者も走りやすく、記録向上も目指しやすい
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ルート5
「富士山スカイライン」
富士宮口五合目に向かう富士登坂路。距離が長く標高差や勾配の緩急幅も大きいが、景観に優れ、ゴールでは絶景を望める
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ルート6
「ふじあざみライン」
須走口五合目を目指す富士登坂路。距離が短く、激坂の短距離決戦になる。国際レースでも用いられる名物コース
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東からも西からもアクセスできる日本の中心
富士山は比較的日本の中央に近い場所に位置しており、地域によりアクセスが困難というハードルは存在せず、現在も日本各地から観光客が集まっている。ナショナルサイクルルートの認定も視野に走行環境の整備が進んでおり、今後は日本全国から自転車周遊を目当てに、来訪者が集まるようになる日は近いかもしれない。
フジイチを楽しむ
フジイチは富士山のまわりをダイナミックに一周し、世界文化遺産である富士山と周辺の風景、自然、さらには地域の生活圏を巡る日本を象徴するルートであり、達成感も大きい。河口湖より西、内側のルートを選べばショートカットになる
無料駐車場を活用
エリア内にはフジイチのコースを中心に、道の駅などに利用可能な駐車場が用意され、その多くは無料で使用可能。自転車を積んで訪れ、気軽に周遊を楽しむことができる(「ぐるり富士山風景街道」に駐車場情報を含む推奨ルートマップが公開中!)
サイクルライフナビゲーター
絹代さん
イベントやレースのMCや執筆、健康/観光/町づくりなど自転車に関わる全般でマルチに活動中。茨城県内の自転車活用推進計画などの検討委員も務め、自転車環境の向上や魅力発掘・発信等の活動にも携わる。
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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