やわらかいものかたいもの【革命を起こしたいと君は言う……】
Bicycle Club編集部
- 2021年03月27日
油圧ディスク
ディスクブレーキ化が進み新たな実験としてフレーム側のブレーキホースの真鍮パイプ化を考えている。クルマの世界では一般的となっている技術だ。自転車フレームでも問題なく製作できるだろう。
アイデアをスタッフに話すと「手のタッチ感覚が前後で変わるかもですよ」と指摘を受けた。
なるほどホース自体の硬さが影響してくるわけだ。油圧は動きがしなやかだからだ。ではフロントフォーク側も真鍮パイプを導入することにするか。
勘のいい読者のみなさんはお気づきだろう。つまりブレーキ動力の伝達が、固いワイヤーから液体に変わったのだ。ロードレーサーにやわらかい動きを生むものが増えたのだ。
これは自転車に有機的な動きをまたひとつ加えるチャンスだろう。油圧ホースは動物でいう血管かも知れない。
血管の動きを再確認してみるとする。血管はあらゆる臓器から各命令を受け取り、管自体が収縮運動を繰り返し「動き」を作り出し血の流れをコントロールしているという。
脱帽だ。たとえるならブレーキレバー操作なしでもワイヤーが収縮することによりスピード調整が可能というメカニズムだ。私の知る限りまだまだ人間の作る「パイプ」は、どこまで行ってもただの管ではある。
結論
だからなんだ、といわれてしまう話かもしれない。しかし視点を変え、さまざまな角度から物を観察することは楽しくもある。そこに新たな発見や驚きが潜んでいる。
Cherubim Master Builder
今野真一
東京・町田にある工房「今野製作所」のマスタービルダー。ハンドメイドの人気ブランド「ケルビム」を率いるカリスマ。北米ハンドメイド自転車ショーなどで数々のグランプリを獲得。人気を不動のものにしている
今野製作所(CHERUBIM)
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Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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