BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • Kyoto in Tokyo

STORE

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ

ワウト・ファンアールトが北のクラシック初制覇 ヘント~ウェヴェルヘム

ワンデークラシックの1つに数えられる「ヘント~ウェヴェルヘム」(UCIワールドツアー)が、ベルギー・フランドル地方で開催された。現地3月28日に行われた戦いは、レース前半に形成された、有力選手を含む先頭グループがそのまま優勝争いへ。最後は7人によるスプリント勝負となり、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)優勝。同地を舞台とする「北のクラシック」で初のタイトルを獲得した。

7人が約175kmを逃げ切り
アシストを残していたファンアールトがスプリント勝利

PHOTO:Getty Images

83回目を迎えた大会は、3回通過するケンメルベルグ、2回通過のモンテベルグを含む10の登坂セクションを含む250kmのコースが設定された。これらセクターは路面が石畳となっているなど、フランドル地方のレースならではの特徴がみられる。

コース全体を見ると平坦区間が多いこともあり、スプリンターズクラシックに位置づけられるが、登坂セクションや変わりやすい天候、風向きが展開を大きく変えることも。予測不可能なレースである点も、この大会を語るうえでは見過ごせないポイントである。そして、今年も予想のはるか上を行く戦いとなった。

二度の世界大戦中に長期間戦闘が繰り広げられたことに由来し、現在は平和都市としても知られるイーペルをレースはスタート。まずは3選手がリードし、最大で9分30秒差まで広げる。

しばし逃げを静観していたメイン集団だったが、海岸線に出たところで状況は一変。強い海風を利用して有力選手が集団の分断を図ると、前方に残ったのは25人。各チームのエースクラスが入ったことによって、先頭3人との差を縮めるばかりか、後続とのタイムギャップも拡大傾向に。この時点でフィニッシュまでは約175kmを残していたが、勢いは増すばかり。やがて、精鋭グループは逃げていた3人に合流し、後半の登坂セクションへと突入していった。

前との差を1分程度にとどめて懸命に追うメイン集団は、ドゥクーニンク・クイックステップが中心になってペーシング。先頭グループにエーススプリンターのサム・ベネット(アイルランド)が乗り込んだものの、他チームに対して枚数が足りないこともあり、ゼネク・スティバール(チェコ)やダヴィデ・バッレリーニ(イタリア)らが盛んに動いて追撃ムードを高めようと試みる。1回目のケンメルベルグを前に、一時的に10人ほどの追走グループを組む場面もあったが、前を追い切れず集団へと引き戻される。快調に飛ばし続ける先頭グループが徐々に有利な情勢となっていった。

25人ほどに膨らんでいた先頭は、残り54kmで迎えた2回目のケンメルベルグで9人に人数が絞られる。ここに残ったのはファンアールト、ベネット、ネイサン・ファンフーイドンク(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス)、マッテオ・トレンティン(イタリア、UAE・チームエミレーツ)、ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)、マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム バイクエクスチェンジ)、シュテファン・キュング(スイス、グルパマ・エフデジ)、ダニー・ファンポッペル(オランダ、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)。後続とのタイム差に大きな変化はないものの、力のある選手のみに絞られたこともあり、逃げ切りに向けて俄然勢いに乗った。

PHOTO:Getty Images

一方で、追走狙いの選手たちは距離を追うごとに動きにまとまりを欠き、前を行く選手たちの姿を捕らえることなく敗色濃厚に。焦点は、先頭メンバーによる優勝争いへと移っていった。

勝負のかかる重要な局面で、好アシストを演じたのはファンフーイドンクだった。3回目のケンメルベルグで一度は遅れものの、直後の下りで前線復帰すると、終盤にかけて絶妙な働きを見せる。残り16kmではアタックを仕掛けて、ファンポッペルとベネットを引き離すことに成功。さらには、フィニッシュ向けて緊張感が高まる残り2kmではキュングのアタックに反応して飛び出しを防ぐと、最後はチームメートのファンアールトのスプリントをお膳立て。選手間で見合うような状況を作り出すことなく牽引を続けると、そのままスプリント決戦へと持ち込んだ。

こうなるとファンアールトが完全有利。残り300mでのキュングの早掛けを合図に加速すると、労せず先頭へ。そのままフィニッシュへと一直線に突き進み、優勝を決めた。

歓喜のファンアールトに続き、2位にはニッツォーロ、3位にはトレンティン。戦前はレースをコントロールすると見られたドゥクーニンク・クイックステップだったが、結局イヴ・ランパールト(ベルギー)の14位がチーム最上位だった。

なお、トレック・セガフレードのスタッフから新型コロナウイルスの陽性者が2例出たため、前夜にチームごと大会から撤退することを発表。前回覇者のマッズ・ピーダスン(デンマーク)は走ることなく連覇を逃す形に。さらに、26日に行われたE3サクソバンククラシックのレース前に陽性者が出ていたボーラ・ハンスグローエも、ベルギー当局の規則によって今大会への参加を禁じられ、出走を見合わせている。

優勝 ワウト・ファンアールト コメント

「この勝利は私にとって大きな意味をもつものになりそうだ。これまで、多くの美しい勝利を得てきたが、フランドルでのレースでは上手くいかないことの方が多かった。この時を待ち焦がれていたし、いまは本当に満足している。

チームとして、風とエシェロンに集中していた。このレースは風が展開を左右することが多いし、今回も実際その通りになった。(集団が分断された瞬間は)ネイサンと良いポジションを確保できていた。それからは互いに協力してレースをコントロールした。もちろん、スプリント勝負になれば勝つ自信はあった。

ネイサンには、ケンメルベルグで絶対に遅れないでほしいと励まし続けた。彼はそれを実行したし、何より本当に強かった。終盤にかけて彼の力が必要になると分かっていたし、最後の1kmでのリードアウトも見事だった。一流のパフォーマンスだったと思うし、ただただ脱帽するばかりだ」

ヘント~ウェヴェルヘム2021(250km)リザルト

1 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 5時間45分11秒
2 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、クベカ・アソス) +0秒
3 マッテオ・トレンティン(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
4 ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
5 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム バイクエクスチェンジ)
6 シュテファン・キュング(スイス、グルパマ・エフデジ)
7 ネイサン・ファンフーイドンク(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) +3秒
8 ディラン・ファンバーレ(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) +52秒
9 アントニー・テュルジス(フランス、トタル・ディレクトエネルジー) +54秒
10 ジャンニ・フェルメールシュ(ベルギー、アルペシン・フェニックス) +1分25秒

SHARE

PROFILE

Bicycle Club編集部

Bicycle Club編集部

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

No more pages to load