雨のスプリントをアルノー・デマールが勝利|コムニタット・バレンシアーナ ST2
Bicycle Club編集部
- 2021年04月16日
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4月15日にボルタ・ア・ラ・コムニタット・バレンシアーナの第2ステージが開催され、アリカンテをスタート・ゴールとする179kmをアルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)がスプリントで制した。一方、リーダージャージはマイルズ・スコットソン(グルパマ・エフデジ、オーストラリア)が維持している。この日のレースの様子をスペイン在住の對馬由佳理がレポートする。
アリカンテでは珍しい、雨の中でレースがスタート
アリカンテをはじめとするバレンシア地方の南側は、一年を通じて晴天率が高く、気候も温暖なため、春先には多くのチームがシーズン前の合宿をしている。しかしこの日はアリカンテにしては珍しく、冷たい雨が降るコンディションの中でレースがスタートすることになった。
「基本的にはスプリンターのためのステージとなるでしょうね。でも、雨も降ってきたし風もありますから、普通のスプリントステージになるかどうか」とレース前に話していたのがの大ベテラン、ルイス・アンヘル・マテ(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)。
この日アリカンテ市内で雨が降り出したのは、ちょうど各チームのプレゼンテーションが終わり、選手たちがスタートしようとする直前だった。そのため各チームのアシストはスタート直前にチームカーのある場所まで戻り、雨具を受け取ってから走り始めるという、慌ただしいレースの始まりとなった。
スペインに移籍して2年目のシーズン。オールイス・アウラール
日本のファンにもおなじみだった笑顔を見せながら「昨日のレースで、終盤たくさん落車があって、僕も転んじゃったんですよ。レースパンツで隠れて見えないけど、太ももの横に大きな擦り傷を作っちゃって」と話すのが、かつてマトリックス・パワータグに所属していた、オールイス・アウラール(ベネズエラ)。今年はスペインのカハルラル・セグロスRGAに所属して2年目になる。近年ラテンアメリカ出身のサイクリストの活躍が目立つが、その一角を担っている。
日本にいるときはスプリンターとして知られていたが、スペインのチームに移籍してからは上りの厳しいステージで逃げ集団に入るなど、積極的なレース展開を見せる選手として注目されている。このバレンシアのレースの初日ステージでも、先頭集団を形成しようとメイン集団からアタックを繰り返す姿が見られた。
「今日はスプリントステージになるはずなので、ジョン・アベラストゥリの勝利のために、たくさん働かないと」と笑うオールイス選手はすでに、チームからの信頼も得て、ヨーロッパでのレースに十分対応していることが感じられた。
雨の中、ゴール前は大激戦
この日は雨の中のスタートにもかかわらず、アンヘル・マドラソ(ブルゴスBH、スペイン)や山岳賞ジャージのイボン・ルイス・セダノ(エキポ・ケルンファルマ、スペイン)を含めた、5人の選手による逃げ集団が形成された。メイン集団はこの逃げ集団とのタイム差を3分ほどで維持しながら、レースが進んでいった。
しかし、ゴール前25kmになっても、逃げ集団とメイン集団のタイム差は1分以上あったため、ここからスプリンターを抱えるチームがメイン集団を本格的にコントロールし始める。
結局この日逃げ集団が吸収されたのは、ゴールまで残り4kmとなった地点であった。そこからグルパマ・エフデジがレースを完全にコントロールし、ラスト400mからは約50人の選手が参加する直線でのスプリントの勝負に持ち込まれた。
チームのアシストたちにより完璧にお膳立てされた形で、グルパマ・エフデジのフランス人スプリンターのデマールがこの日のゴール前の接戦を制したが、その直後には多くの選手が急ブレーキをかけて自転車を止める必要があったほど、雨のためにかなり危険な路面状況でのスプリントゴールとなった。
リーダージャージは前日同様にマイルズ・スコットソン(グルパマ・エフデジ、オーストラリア)がキープし、グルパマ・エフデジは2日連続でバレンシアのレースで勝利することになった。
ボルタ・ア・ラ・コムニタット・バレンシアーナ第2ステージ(179 ㎞)
1 アルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)4:09’23”
2 ティモシー・デュポン(ビンゴール・ワロニーブリュッセル、ベルギー)ST
3 カレブ・ユアン(ロトオ・スーダル、オーストラリア)ST
4 シモーネ・コンソンニ(コフィディス、イタリア)
5 セバスティアン・モラ(モビスター チーム、スペイン)ST
6 ジャコポ・グアルニエーリ(グルパマ・エフデジ、イタリア)ST
総合順位
1 マイルズ・スコットソン(グルパマ・エフデジ、オーストラリア)8:24’10”
2 ジョン・デゲンコルプ(ロットスーダル、ドイツ)+0’32”
3 アラン・リウー(チーム アルケア・サムシック、フランス)+0’34”
4 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)+0’35”
5 ネルソン・オリヴェイラ(モビスター チーム、ポルトガル)+0’36”
6 ヴィクトル・ラフェ(コフィディス、フランス)+0’37”
各賞ライダー
個人総合時間賞
マイルズ・スコットソン(グルパマ・エフデジ、オーストラリア)
ポイント賞ジャージ
シモーネ・コンソンニ(コフィディス、フランス)
山岳賞ジャージ
イボン・ルイス・セダノ(エキポ・ケルンファルマ、スペイン)
ベストヤングライダー賞
アラン・リウー(チーム アルケア・サムシック、フランス)
大会WEBサイト
https://vueltacv.com/
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- TEXT&PHOTO:Yukari TSUSHIMA PHOTO:Prociclismo – Club Demarrage Valencia
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