古い自転車趣味はサスティナブル【西山自転車商会】
ニシヤマ
- 2021年04月29日
「自転車はスポーツではなくホビーと言い張る」いじってなんぼのレストア編集者の手記。
今回は、手に入れたヴィンテージパーツをレストアし、自分のバイクに使えるようにするまでのお話し。
ニュースターという古い英国製とおぼしきラージフランジハブについたレジナ・エクストラ。内側のスポークが抜けなくてちょん切ってある。ムダにガイドには手をつけてなかったのが救い
ヴィンテージ自転車をレストアして乗る趣味は、もっともサステナィブルなんじゃないかと勝手に思っている。ガソリン食いで排ガスが臭いなんてこともないし、ここ半世紀内に作られたようなものなら、十分に実用的だ。
自転車が世界的に見直されている。黄金期のヨーロッパ製スポーツ自転車が人類の宝であることにみんなが気づいたら、きっと高騰するに違いない。
高騰に備えて、こつこつジャンク再生だ。先日入手したのがコレだ。ボスフリー付きのハブ。BB右ワン付きのフレームくらい買っちゃダメなやつだ。
ホイールをバラしちゃってからヤベえってなったやつだろう。ボスフリーはホイールのときに外さないと物理的に取れない。
しかしこれは外したい。なぜならレジナのフリーが付いているからだ。ラチェットが奏でる音色のよさでは屈指の逸品。使えるようにして後世に残すべき遺産だ。
手にしてしばし考える。反対側のスポーク穴で板に釘打ち、もしくはフランジの穴でタイラップ固定とか考えたけど、そもそも持っている2つ爪のリムーバーが合わないことが判明した。
これはプロに相談。セルフレストアラー急がばまわれだ。ヘタに手を出すとダメにしてしまう。イタリアンを得意とするヴィンテージ自転車店、コルサコルサへ。店主の江口さんによれば、正解は「片側のフランジでリムに組み直して外す」だ、メンドクサ。
しかし、付いているハブに着目。これはフランジとバレル部が別体の継ぎハブなので「圧入されているフランジ部分を抜いて、フランジの穴で万力に固定して外す」という方法だ。さすがプロだと思った(こちらもメンドイが)。
そもそも旧式レジナのガイド(爪の受け)は弱くてふつうの2つ爪リムーバーで外そうとすると壊れるとか。カンパニョーロが開発した古い専用ツールが必用だった。
こうして無事レジナが救われた、遺産がまたひとつ復活。なんてサスティナブル。
ボスフリーの脱着手順
プーラーをフランジに組みつけ、バレルを押すようにして引き抜く
継ぎハブの右側フランジがパカッと外れた。フリーはついたまま
カンパのフリー抜き。外側2枚の歯を外して工具を装着する
さらに工具のかかりを強固にするために、ボルトとナットで圧着
フランジの穴に合わせて万力に2本固定したM6ボルトを入れる
外れる方向に回った。そのまま回すと圧着ボルトが飛ぶので要注意
コルサコルサ江口静一さんに鑑定を依頼
問い合わせ:コルサコルサ
http://corsacorsa.com/
救われたレジナ。スレッドはBSC規格だったので汎用性も高くてラッキー
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