新城幸也に聞く、雨の峠の機材、ディスクブレーキ&防寒ウエアの話
Bicycle Club編集部
- 2021年05月26日
現在、ジロ・デ・イタリアは16ステージを終え、5月25日に2回目の休息日を迎えた。日本勢で唯一参戦中の新城幸也選手(バーレーン・ヴィクトリアス)がオンラインでのプレスカンファレンスを実施した。「夏はどこへ行ったんでしょう」と新城選手自身もコメントするほど連日冷たい雨の中を走るジロ・デ・イタリア。第16ステージでは気温5℃という寒さだった。そんなコンディションのなか、ジャウ峠で再燃したリムブレーキとディスクブレーキの話題、さらに寒い中でのウエアについて聞いてみた。
質問
リムブレーキかディスクブレーキかで違いはありますか?
第16ステージでエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)がいつもなら山岳で使うライトウエイトのホイールではなく、シマノ・C60のチューブラーホールを履いていたことが話題となっていたが、レースの現場ではどうなのかを聞いてみた。
「これだけ雨が降るとディスクのほうが操作しやすいと思います。ベルナルがライトウエイトを使わなかったのかといえば、雨でブレーキが心配だったからだと思います。そういう部分では僕らにとってドライであればブレーキはどちらでも気にしないんです。もちろん雨の長い下りではちょっとした差はあると思います。ただ、イネオスは集団の前で下っているので、(ブレーキの利きの違いで)車間を開けようが関係ないので、ディスク(ブレーキ)かリム(ブレーキ)かの議論でいえば、上りではリム(ブレーキ)のほうが軽いから有利でしょう。
あと、僕らでもチューブレスか、チューブラーかを使い分けています。チューブレスのほうがタイヤもグリップがいいですし、転がり抵抗も少ない。ただ、獲得標高3000mになってくるとボトル1本分の重さを担いで上るかが、変わってくると思うので、トータルで考えますね。
リムブレーキ、ディスクブレーキかというところもあるんですが、さらにチューブレスか、チューブラーかという、そのあたり全部がチョイスなので、そのときになにをチョイスできるかが選手自身のマネージメントが大切になるんだと思います」
質問
レースの中の着替えはどうしていますか? ale CYCLING
連日2000m級の残雪のなか冷たい雨を受けながら走るジロ・デ・イタリア。新城選手によると最近のウエアの進化で、そこまで寒さを感じずに快適に走ることができるという。では、どんな工夫をして寒さをのりきっているのだろうか?
「幸いウエアがいいものなので、昨日(第16ステージ)なんてまったく寒さを感じませんでした。普通のジャージにニーウォーマー履いて、シューズカバーして、雨用のモノを着て、さらにその上にジャケット着ていたんですけど、それで一日過ごせました」
さらに第16ステージでの着替えについて聞いてみた。
「昨日はスタートから同じで、着替えは最後の上りの頂上ですね。自分のペースで上って頂上にチームカーが待ってるのでそこで、新しいグローブとレインジャケットにすべて着替えて下りました」
16ステージのコース
「上りはどうとでもなるんですが、問題は下りです。濡れたまま下ると体力を奪われたり、次の日の疲れにつながったりするので頂上で着替えます。ぼくらは全部の頂上でマッサージャーがまっているので、止まって着替えてもいいですし、サコッシュにも入っているのでなんでもできます」
いよいよジロも後半戦。第17ステージスタート時点で総合2位につけているダミアーノ・カルーゾ選手。「正直、2分差はきびしい。ただ、ミラノではこのままダミアーノの表彰台を迎えたい」と新城選手もコメントしているが、ベルナルとカルーゾが実力としては抜けており、チームバーレーン・ヴィクトリアスとしてはイネオス・グレナディアーズにレース運びを任せながらも、チャンスを待ちながら仕掛けるべきときがきたら動く作戦だ。
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Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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