28Cタイヤってそんなにいいの? 人気モデルに試乗して乗り心地をチェックしてみた
Bicycle Club編集部
- 2021年06月07日
かつては19Cや20Cが主流だったロードバイク用タイヤも23Cを経て、さらに現在では25Cが標準と太くなってきた。そして注目されているのがさらに太い28Cだ。かつてはロングライドやツーリング向けの存在だった28Cだが、標準的なロードバイクの走りかたに向いているという。今回は、その28Cタイヤのメリットや使用するうえでの注意点をライズライドの鈴木祐一さんに取材。ベテランライダー、管洋介さんとともに、10のタイヤブランドからそれぞれの人気モデルを実際に試乗してもらった。
INDEX
ただ太いだけではない!28Cタイヤの基礎知識と特性
いくらいいとは言われても履き替えに躊躇(ちゅうちょ)してしまう28Cタイヤ。そこでふだんから28Cタイヤを愛用していて、今回インプレッションも行ったライズライドの鈴木祐一さんに28Cタイヤの魅力を聞いた。
「28Cタイヤを勧めたときに最初は半信半疑のお客さんでも、一度替えたら次も28Cを使い続けていますね」
じつは同じ空気圧ではタイヤは太いほうが接地面積が少なくなるのだという。ただしタイヤ自体の重量も増えるため、バランスのいいところを探す必要もあるとも語る。内幅15mmのリムでは25Cタイヤのバランスがよかったのに対して、リムのワイド化や技術の進歩によるタイヤ自体の軽量化が、28Cでも軽い走りができるようになった理由だ。
ただしロードバイクで28Cを使うためには注意点もある。まずはフレームとのタイヤクリアランスに余裕があるのが前提。リムブレーキキャリパーとのクリアランスも考慮するとディスクブレーキのバイクで選択するのが現実的だ。また使用するホイールのリム幅にも注意する必要がある。
エアボリュームが大きくクッション性に優れ、グリップ力も稼げる28Cタイヤは、ロングライドけでなく、レースでも十分なメリットがある。振動吸収性の高さは疲労を軽減するほか、ロードレースの集団走行ではラインを選べず荒れた路面を走る必要が多々ある。そんなときに28Cタイヤの走破性は大きな武器になり安心感につながる。
瞬間的な加速自体は25Cのほうが優れるものの、ライド中に余裕がもてるのが28Cタイヤなのだ。
タイヤと周辺の名称
タイヤとリムの名称をおさらいしておこう。タイヤの性質をつくるのが、トレッド、ケーシング、耐パンク。チューブドはタイヤの内側にチューブを入れ、チューブレスレディーはシーラントを入れる。チューブレスはチューブ、シーラント、リムテープが不要。タイヤ側にニップル穴がないリムとなる。
28Cタイヤのメリットとは?
- コーナリング性能UP
- ブレーキ性能UP
そのほかのメリット
リム打ちパンクリスクが減る
乗り心地がいい
転がり抵抗が少ない
ロス(変形)が少ない
考えられるデメリット
重量が増える
走りのシャープさに欠ける
タイヤ幅もリム幅もワイドへと進化している
右から20C、23C、25C、28Cの順で並べてみた。かつては細いタイヤが走行抵抗も少なく正義とされていたが、振動吸収性やトラクション効率を求めて23Cへと主流が移った。さらに太いタイヤの接地面積の少なさがわかり、現在の主流は25Cへと移った。そしてワイドリム化の流れに加えて、技術的な進歩によりさらに太いタイヤも軽く作れるようになったことから28Cタイヤの優位性が注目されている。またディスクブレーキによるクリアランスの増大も要因にあげられる。
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- Bicycle Club
- CREDIT :
- TEXT & PHOTO:猪俣健一 ILLUST:田中斉
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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