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300㎞を走りきった!「ジェロボーム ジャパン グラベルチャレンジ2021」|前編

5月28、29日に、日本国内で初となる、300㎞のグラベルチャレンジJEROBOAM JAPAN(ジェロボーム・ジャパン)が東北有数の林道エリアである宮城県北部、大崎市と加美町で開催された。その様子をお伝えしよう。

JEROBOAM JAPAN GRAVEL CHALLENGE 2021
(ジェロボーム ジャパン グラベルチャレンジ2021)

ジェロボームの発祥はイタリア北部ロンバルディア地方のフランチャコルタで、イタリアのバイク&パーツブランドの「3T」が4年ほど前から開催しているグラベルイベントだ。その記念すべき日本での第1回大会は2020年に開催を予定していたが、新型コロナウイスルまん延のため中止、2021年5月にようやく開催された。参加者も30人という少人数に絞り、感染、そして安全対策を十分に行ったうえで行われた。

編集部山口は無謀にも300㎞コースにチャレンジ

日本でも、本場イタリアと同じ距離の3コースが設置され、目玉となる300㎞、そして150km、75kmの3つのコースだ。安全のため300㎞のみ2日間での開催となった。ジェロボームはレースではなく、あくまでもコースを走り切れるかどうか、自分と距離との戦いとなるイベントだ。

そうはいうものの今回のジェロボーム・ジャパンの300㎞コースにはオリンピアンで現役ロード選手の唐見実世子さん、さらに150㎞コースにはマイケル・ライスさんといった健脚自慢が集まった。ここでは無謀にも300㎞に参加してしまった編集部山口のレポートを含めて前編、後編に分けてお伝えする。

スタートは朝5時、制限時間は13時間以内

唐見実世子さん(弱虫ペダルサイクリングチーム)「今までにない世界を見てみたくてチャレンジしてみました。機材とか、ウエアとかロードとは違うことが試されますね」とコメント

300㎞コースのスタートは一足早く朝5時、小雨の降るなか11人のライダーが薬莱山(やくらい)の麓からスタートしていった。イベントには地元の大崎市内にある酒造一ノ蔵酒造が協賛しており、スタート台にはその一ノ蔵の酒樽を飾る演出がおこなわれ、1人1人ライダーがスタートスタート台を駆け下りていく。

このあと6時30分に150㎞コース、8時には75㎞コースと各コースのメンバーがスタートする。

まずは田園風景のなかルートを選びながら進んでいくと、最初に入るのは牧草地からいよいよグラベルが始まる。

ふかふかの土が気持ちのいいダブルトラック。いきなり最高なグラベルロードがはじまる。一見、快適に走れ、楽しいルートだが、ライダーたちはここで脚を使わされてしまっていたことを後で気が付くことになる。さらに路面には多くの木の枝が落ちており、この枝をホイールに絡めてしまいディレイラーを破損、リタイヤしてしまうライダーもいたが。この先のトラブルを予見させる出だしとなった。

リアディレイラーに枝を巻き込み、スタート直後でリタイヤに追い込まれてしまった

GPSナビは必須! オリエンテーリングも楽しみ⁉

リムブレーキのシクロクロスバイクで参加の石井公宏さん

グラベルチャレンジのルールはこうだ。イベント開催2日前にルートデータ(GPX、TCX)を受け取り、そのルートを走るというもの。コース上には立哨が立っていたり、案内看板があるわけではない。あくまでもコースは自己管理となる。GPSの設定の違いが完走できるかどうかに大きなカギとなる。

この方式は海外では一般的だ。バイシクルクラブ8月号で紹介している545㎞におよぶ「アイオワ・ウィンド&ロック」では、このGPSデータすら与えられず、コースの道順シート(いわゆるキューシート)がスタート前15分前に配られるだけだ。こうしたコースを探しながら進む、オリエンテーリングとしての楽しみもグラベルチャレンジの楽しみの一つだ。

300㎞コースの初日は165㎞で獲得標高約3000m MAPはKomootより

ちなみに編集部山口はといえば、スマホアプリKomootを使い、コースをナビゲーションしてみたが、見間違えてしまい大きくルートをロストしてしまい、1時間ほど山の中をさまようことになった。「グラベルチャレンジにはナビ機能つきGPSは欠かせないなぁ」と走り始めて大きく反省する。

チェックポイントでサポートライダーと合流

今回、75㎞ガイドライダーとして走った小野寺航さん

途中コースをロストし、かなり遅れて第1チェックポイントに到着した編集部山口。5時に出発しておきながら、すでに全クラスのライダーに抜かれ最後尾になってしまったことを知る。ここで補給食のパンとパイナップルをいただき、出発だ。ここでドロップボックスに入れておいた予備チューブを受け取り一安心。じつはスタートで替えチューブを持って出忘れていたのだ。

ここから75㎞コースのサポートライダーの小野寺航さんと途中までご一緒することになる。小野寺さんは地元のライダーで、今回のコース設営にもかかわっているので、単独だと不安なルートも安心。さらにコース上の絶景ポイントを聞けるなど、楽しく走ることができた。

コース上でもっとも長めのいいところ。奥には船形山なども見渡せる

舞台となった加美町と大崎市ではグラベルが生活道路

ルートは軽トラックなら全線を走り切れるルート。写真は仙台のプロショップ、ベルエキップ遠藤徹さんの軽トラックで、ライダーをサポート。編集部山口は最後尾となり、つかず離れず伴走していただいた

都市部に住んでいると「グラベル」というものが特別なルートに感じられるかもしれない。ところが今回、舞台となった加美町、大崎市ではグラベルは網の目のようにグラベルが張り巡らされ、グラベルは生活道路や林業で使う一般道だ。一部、細いところもあるが、基本的に地図にも載っている道路だ。さすがに普通のクルマでは無理で、4輪駆動の軽トラックでないと走破できるようなところもあるが、マウンテンバイクじゃなければ走れないような難しいコースではなく、まさにグラベルバイクを楽しめるフィールドだ。

快適に走れるルート、タイヤは700×38Cくらいがちょうどいい

編集部山口は35Cをチョイスしたが、下りでパンクしてしまったのでもう少しボリュームは欲しい気もした。ただし、上りの軽さを考えるとこれでちょうどよかったのだろう

タイヤのチョイスもそこまで太くする必要はなく、700×35~38Cくらいがちょうどよかった。上りだけ考えるなら33Cでも行けなくはないが、岩の転がる道での下りもあるので、パンクのリスクがある。どんどん攻めたい人や体力があるならちょっと太目な38Cくらいがちょうどよいのかもしれない。

ウエア選びもポイント、レインウエアも活躍

ゴアバイクウエアのレインウエアを用意していたが、山の上は気温が15℃と肌寒くちょうどよかった

スタートした朝5時の時点では、くもり時々小雨という天候だったが、天気は回復していった。ただし、晴れてきたかと思ったら通り雨という具合に不安定な感じだ。5月末ということで最低気温も15℃と寒くはなくてよかったが、遭難したときの備えとしても雨風をしのぐアウターは欠かせない。このためウエア類を収めるバッグが必要になる。

今回、チェックポイントにドロップバッグを預けることができたので、編集部山口は補給食に加えアンダーウエアも入れておいたが、雨もそこまでひどくはなく、着替える必要はなかったようだ。グラベルチャレンジは普段のクルマがコースを通るようなグランフォンドやセンチュリーライドのようにはいかないので、一晩過ごせるくらいの装備を用意しておくと安心できる。

気分はイタリア北部を彷彿させるルートで鳴子温泉へ

さて、小野寺さんと別れてからは道を北上し、鳴子温泉へ向かう。尾根の上を進む絶景が続く。もはや気分はジェロボームの発祥の地、イタリア北部フランチャコルタといっていいいくらいご機嫌な道だ。ようやく山を下りて、人里へ。

最後尾なのでサポート用の軽トラックが後ろにあるとはいえ、一人だと不安のあるコースだ。もうコースロストは許されない。舗装路が見え、人家のあるエリアが見えてきたのでコースはあっているようだ。ひと安心。鳴子温泉まで下ってくると時間はすでに14時。もはや時間がない、ここで自動販売機で買ったコーラを飲み干し、さらに水を補充してから再びスタートする。

鳴子温泉と川渡温泉と温泉街が並ぶ

熊出没注意! さらに16%の上りを進む

道中をご一緒した小野寺さんから、「残り2つのグラベルがキツくて、まずは傾斜の激しい上り、そして、もうひとつはこれでもかというくらい上りますよ」と聞いていたので心して上る。ここの入口も、ホントに? と思うくらいの細い入口だ。時間は15時手前、ここでGPS、そして予備の地図を慎重に見てから走りはじめる。

せめてもの救いは、この坂が簡易舗装されていることだ。ダンシングすればだましだまし進めるからだ

林道を上りはじめるとコース脇の道路標識には16%が連続。そして熊出没注意の看板がある。「このあたり宮城県では有数の熊が出没するエリアです」と聞いていただけに、ちょっと心細くなる。そうこうしているうちにようやくスタート付近でご一緒したライダー、石井さんに出会う。これでもうコースを見失うことはない、一安心だ。よやく尾根まで上り切、いっしょに下り始めるが、ここでリアタイヤが暴れ始める。

ん! どうも後輪がパンクしたようだ。残念ながらご一緒しようと思った石井さんと別れ、パンク修理をし、再び単独で最後尾を走ることになる。

残念ながらタイムアウト

タイムアウト宣言を受け、のんびり走っていると空には虹がかかっていた

第2チェックポイントを目前にしたところで15時30分となり、ここでサポートするクルマの遠藤さんからタイムアウト宣言を受けた。このまま最後の林道へ入るには時間が遅すぎ、日没を迎えてしまうのでしょうがない。くやしさ半分、もう上らなくてよいという安堵感が半分という複雑な心境なのが正直な感想だ。今回、走り切るためには準備が足りなさ過ぎた。アップダウンがあるコース、それもグラベルなので惰性で進むわけにはいかないのだ。

とはいえ、まだフィニッシュ地点となるペンションカミフジまでは約20㎞近くあり、もちろん自走しなければたどり着けない。気分も新たに田園風景を楽しみながら走ることにした。

ようやく薬莱山が見えてきた、フィニッシュ地点まであと少しだ

遠くには虹も見える最高の風景を見ながら、ショートカットしてペンションカミフジに到着すると、そのあとから完走してきた各距離のライダーが次々とたどり着いていた。

ちなみに300㎞コースは11人が出走し、初日を完走したの300㎞コースで11人中6人、150kmコース14人中12人、75kmコースで5人中5人となった。300㎞コースの初日は165㎞、150㎞と15㎞しか差はないが、300㎞コースは完走率が約55%と低かった。おそらくスタートしてすぐにあったグラベル区間15㎞が、300㎞コースのライダーにかなりのダメージを与えたようだった。ちなみにこの日300㎞コースを一番速く走ったライダー、根本悠司さんは約8時間以内で走り切っている。

初日を走り切ったライダー&バイク紹介

150㎞コースを走り切った二人。オーバータイム18時直前にフィニッシュした
MTBで参加し、300㎞コースの初日を走りきった。「さすがにきつかったので明日はのんびりします」と2日目はスタートは断念した
3T・エクスプローロで150㎞を走りきったが、走ったあと、コースは相当ハードだったという

イベントのあとは洗車をして楽しくランチ

走り終わったら、ペンションカミフジ特製のフードサービスが待っている。スタート前にはコーヒーとおにぎりといったフードサービスが充実しているのもこの大会の特典だ。フィニッシュしたライダーたちは食事をとりながらお互いに労をねぎらうことができる。

さらに、洗車場も用意されており、走り終えたライダーたちは愛車を洗車。300㎞コースのライダーは次の日に備えてのメンテナンス、そのほかのライダーは帰路に備えてバイクをきれいにした。そして、イベントはは2日めへ続くのであった。

続編は改めて公開する。

主催者がウエルドタイトのケミカル類を用意しており、メンテナンス用品も充実

イベント概要

開催場所:宮城県加美町・大崎市加美町薬莱地区
メイン会場:ペンションカミフジ

日程:

5月 28 日 (金) 夕方~前日受付
5月 29 日 (土) 75㎞、150㎞、300㎞(初日)
5月 30 日 (日) 300km(2日目)

距離別クラス:

300km 、 150km 、 75km

獲得標高:

6520m(300km) 、 3,260m(150km) 、 1,620m(75km)

問い合わせ:3Tジャパン
https://3t-bike.jp

編集部山口のバイク 3T・エクスプローロ

今回、編集部山口が乗ったバイクは3Tのエアログラベルロード、エクスプローロLTD、コンポーネントパーツはラフォース1×を使用した。ホイールは3T・ディスカスC35チームをチョイス、32㎜リムハイト、前後で1350gという軽量モデルだ。そのおかげもあって上りの多いグラベルではタイヤボリュームを稼いで走破性を高めながらも、上りはツライいながらもラクすることができた。

EXPLORO LTD(エクスプローロLTD)

価格:451,000円(フレームセット)

対応タイヤサイズは650B×2.1″もしくは700×40C。このため、今回のようは比較的きれいな路面では700Cを選び、もっと過酷なコースでは650Bホイールとの組み合わせが選べる。ロードに近い高速走行性に振ったエアログラベルバイクだ。今回のような高速で走れるコースに最適なバイクだ。剛性を維持しているためコントロールしやすいなかに快適性もあり、かつ上りはその軽さを生かした走りが楽しめた。

DATA

フレーム素材:カーボン
フォーク:LUTEUS Ⅱ LTD
ヘッド:インテグレーテッドテーパード IS40/28.6、IS52/40
BB:BB386EVO
ブレーキ台座:ポストマウント/160mm
リアアクスル:142×12mm
最大アウター:50T
最大インナー:36T
サイズ:S, M
重量:950g(S サイズフレームのみ)
※ フレームセット内容:フレーム、フォーク、ヘッドパーツ、シートポスト

問い合わせ:3Tジャパン
https://3t-bike.jp/

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PROFILE

山口

BiCYCLE CLUB / 副編集長

山口

バイシクルクラブ副編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で 入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。ただ、46歳を迎えた現在では体力の衰えをカバーしつつも、ロードレースやグランフォンドを楽しむため機材や身体のケアを研究している。

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バイシクルクラブ副編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で 入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。ただ、46歳を迎えた現在では体力の衰えをカバーしつつも、ロードレースやグランフォンドを楽しむため機材や身体のケアを研究している。

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