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五輪を前に試されるコロナ対策!世界最大級のスポーツイベント|ツール・ド・フランス

世界最大級のスポーツイベントのひとつ、ツール・ド・フランス2021年大会が幕を開けた。2年ぶりに従来の開催時期に戻り、バカンスシーズンを迎えるフランスの風物詩としての趣きを感じられるものになっている。そんな中で、レースと並んで注目が集まるのは新型コロナウイルス対策。関係者から感染者を出すことなく3週間を完走できるのか。開幕地ブレストで感じたそれは、「案外規制が緩いのでは?」というものだった。

フランスでの対策は東京五輪にも通じるものがあり、その対策とシステムを現地からレポートする。

本来の姿が戻りつつあるツールのレース会場

厳格なコロナ対策とレギュレーションのもと、2カ月遅れで大会を実施してから9カ月。ツールを取り巻く状況は変化をしている。

前回大会では、開幕地・ニースのように会場内外を隔てる壁で四方を仕切ったり、感染拡大が進む地域ではフィニッシュ前数百メートルをバリケードでふさぎ、一般客の入場をできなくするなどといった対策を行った。また、いつもであれば熱狂的ファンが集まる山岳区間も時間規制を施し、観戦を事実上不可にしたりと、主催者はありとあらゆる策を講じた。結果、選手やチーム関係者からの感染者は出ず、大会終盤の大逆転も相まって熱狂のもと3週間を走り切った。

迎えた今年。あくまで開幕時点での見方となるが、昨年ほどの“硬さ”は今のところ見られない。624日に行われたチームプレゼンテーションでは、会場入りを大会関係者や招待客に限定したとはいえ、目の前の高台からの観覧は不問とされ、多くの観衆が集まった。

第1ステージのスタート会場。イベントステージ周囲は距離が置かれたが一般客で密集 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

加えて、第1ステージでは観客がスタートライン付近に密集。選手紹介が行われたイベントステージ付近への立ち入りは禁じられていたものの、沿道でのレース観戦は問題なし。昨年の開幕当初はスタートライン前後100m、フィニッシュライン前300mへの一般客の立ち入りは禁止されていたが、今年はそうした規制は実施されそうにない。もっとも、スタート会場のいたるところで、日本でいうところの「密」が発生していた。

つまりは、ほぼ本来のツール・ド・フランスの姿が戻りつつあるのだ。

スタート会場への入口。関係者と招待客とで導線が分けられている Photo: Syunsuke FUKUMITSU

こうした対応が進む要因としては、主催者A.S.O.(アモリ・スポル・オルガニザシオン)が新型コロナ禍での運営に慣れたことが挙げられる。手探りで進んだ昨年のツールで一定の成果を上げ、今年に入ってからもパリ~ニースやクリテリウム・ドゥ・ドーフィネといったステージレースを完了。大会を通して大きな事態なく終えており、落ち着いてツールを迎えられた点は大きい。

加えて、フランス国内の情勢が強く反映されていることも見逃せない。同国の新規感染者数は減少傾向にあり、1日平均人数のピークだった昨年11月上旬の4%程度まで下がっている。大会開幕前日の25日の新規感染者数は1796人と、日本とほぼ同程度の数字だ(同日の日本が1709人)。国内でのワクチン接種も徐々に軌道に乗っており、24日時点では1回以上接種した人が国民の49%、必要回数の接種を完了した人が同じく27%となっている。

同国ではおおよそ3週間隔で各種規制の設定や解除を行っている。6月に入ってからは、日本を含む一部の国からのフランス入国規制を緩和。さらに、17日に屋外でのマスク着用義務を解除(大人数が集まる場所はのぞく)、20日には午後11時以降の外出禁止を解除した。

フランス政府の決定が果たして正しいものなのか、日本など他国と比較してどうなのか……といった見方がそれぞれで異なるところだが、少なくとも同国においてはバカンスシーズンを迎えて行動範囲が広がったといえる。そして、これらの決定はツールの運営にもつながっていることがうかがえるのである。

キャラバン隊の通過に盛り上がる沿道の人たち。ツールならではの光景が戻ってきた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

大会途中には関係者向けPCR検査も実施予定

ただ、この大会がまったく新型コロナ対策を施していない、というわけではないことは強調しておきたい。昨年ほどの厳しさはなくなった、というのが実情だ。

昨年に続きチームバブルが設けられる。チームパドックにはプレスも一般客も立ち入りが許されない Photo: Syunsuke FUKUMITSU

昨年に続き、チームバブルは採用されている。スタート・フィニッシュ会場での選手の行動範囲が整えられており、バブル外の人が入ることはもちろんできない。一般客に限らず、プレス(取材者)も選手との接触はミックスゾーンに限定。このゾーンでも一定の距離が図られ、密にならないようセッティングされている。

開幕地ブレストの大会本部に設けられたPCR検査陰性証明提出デスク。常時スタッフが待機し、陰性であることを確認していった Photo: Syunsuke FUKUMITSU

筆者のようなプレス(取材者)には、現場入り72時間前以内に受検したPCR検査の陰性証明の提出が求められている。マスクの着用も必須。昨年はプレスルームでマスクを外し主催者や警備員から注意されるプレスが多かったが、今年はそうした光景が見られない。マスク着用が浸透している印象だ。

今年も消毒隊が会場でスタンバイ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

会場では、昨年と同様に消毒入りタンクを背負った「消毒隊」が多数スタンバイし、ツール特製マスクの配布も行われている。今年のマスクはマイヨジョーヌカラーで、観客からも好評だ。

開幕地ブレストの大会本部に設置されたPCR検査会場。レースを控えたチームバブルの面々が受検に訪れた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

開幕地ブレストでは、大会本部となった建物内にPCR検査室が置かれた。主にはレースを控えたチームバブルが対象となったが、必要に応じてその他の大会関係者の受検も許可。検査は鼻スワブによるもので、実施から24時間以内には結果が出るとのこと。なお、フランスではワクチン未接種の場合は入国前72時間以内のPCR検査または抗体検査の陰性証明が必要。これは大会後半のアンドラステージにも適用される見通しで、第2休息日の712日には首都アンドラ・ラ・ベリャにツール関係者向けの検査場が設けられる運びとなっている。

3週間の長旅、新型コロナ対策に変化はあるか

大会はまだ始まったばかり。いまなおリスクが多い中で、最終目的地・パリまで順調に行けるだろうか。

3週間の会期の中で、新型コロナ対策の現況が保たれるのか、何らかの変化が必要となるのか。そのあたりは、動きがあり次第随時お届けできればと思う。

柵を隔てて選手とプレスとの距離が保たれるミックスゾーン。3週間の会期で新型コロナ対策に変化は起きるだろうか Photo: Syunsuke FUKUMITSU

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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