第2ステージ1人が未出走、第1ステージで3人が落車被害でリタイヤ|ツール・ド・フランス
福光俊介
- 2021年06月27日
現地6月26日に行われたツール・ド・フランス2021第1ステージは、大クラッシュが2度起きる衝撃的なレースとなった。これによって、全184選手中21人の負傷が報告されている。そのうち3選手が第1ステージ途中でリタイア、1人が第2ステージ未出走となっている。主催者の発表をもとに、各選手の被害状況をまとめておく。
フルームら混乱乗り越え第2ステージを出走
第1ステージ途中リタイア
ヤシャ・ズッタリン(チームDSM、ドイツ) 手の打撲
イグナタス・コノヴァロヴァス(グルパマ・エフデジ、リトアニア) 頭部外傷
シリル・ルモワンヌ(B&Bホテルズ KTM、フランス) 肋骨骨折、肺の損傷、頭部裂傷
第2ステージ未出走
マルク・ソレル(モビスター チーム、スペイン) 両手骨折
第2ステージ出走
オレリアン・パレパントル(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス) 左膝打撲
ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア) 左前腕裂傷(10針縫合)
ドリアン・ゴドン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス) 擦過傷
ブノワ・コスヌフロワ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス) 擦過傷、右腕裂傷
ナンス・ペテルス(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス) 肩の打撲、擦過傷
ミヒャエル・シェアー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、スイス) 首の痛み
クサンドロ・ムーリッセ(アルペシン・フェニックス、ベルギー) 擦過傷
クリスティアン・ズバラーリ(アルペシン・フェニックス、イタリア) 下唇裂傷
ティム・メルリール(アルペシン・フェニックス、ベルギー) 膝の打撲、擦過傷
ダニエル・マクレー(チーム アルケア・サムシック、イギリス) 腰の打撲
クレモン・ルッソ(チーム アルケア・サムシック、フランス) 胸部外傷
アムントグレンダール・ヤンセン(チーム バイクエクスチェンジ、ノルウェー) 腰部外傷、右肘裂傷
ヘスス・エラダ(コフィディス、スペイン) 腰部打撲
ピエールリュック・ペリション(コフィディス、フランス) 右ふくらはぎ裂傷
ドリス・デヴェナインス(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー) 未発表
セーアン・クラーウアナスン(チームDSM、デンマーク) 未発表
クリストファー・フルーム(イスラエル・スタートアップネイション、イギリス) 股関節打撲、胸部外傷
レト・ホレンシュタイン(イスラエル・スタートアップネイション、スイス) 胸部外傷
マイク・テウニッセン(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ) 擦過傷、肘の外傷、腰部打撲
マルク・ヒルシ(UAEチームエミレーツ、スイス) 肩の捻挫
上記はいずれも主催者発表に基づく。このほか、チームドクターの処置を受けている選手が多数。
主催者はクラッシュ原因の女性を訴える意向
この混乱を受けて、ツールを主催するA.S.O.(アモリ・スポル・オルガニザシオン)は、第1ステージで1回目の大クラッシュの原因となった沿道の女性客を訴える意向を示している。
問題の女性は、メッセージボードを手にした状態で、プロトンに背を向けテレビカメラの側を見ていた。その直後、集団前方を走っていたトニー・マルティン(ドイツ、チーム ユンボ・ヴィスマ)と激しく接触。その後方を走っていた大多数の選手が次々と地面に叩きつけられることに。これがきっかけとなり、ズッタリンが今大会最初の離脱者となってしまった。
大会副ディレクターのピエールイヴ・トゥオー氏が第1ステージ後に取材陣の質問に応じ、「危険な行動をとった女性を訴える」と発言した。
なお、フランスメディアによれば、大クラッシュの原因となった女性は現場から逃走。第2ステージ実施段階では、特定に至っていないという。
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PROFILE
サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。