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マイヨジョーヌの奇襲!モホリッチはツール初勝利|ツール・ド・フランス

ツール・ド・フランス2021の第7ステージが、現地72日に行われた。レース前半に最大29人の先頭グループが生まれ、そのままステージ優勝争いへ。終盤の登坂区間で独走に持ち込んだマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)が逃げ切りでツール初勝利。これで、3つのグランツールすべてでステージ優勝を果たした。また、先頭グループに乗ったマイヨジョーヌのマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)は、ステージ4位でのフィニッシュ。ジャージのキープに成功し、翌日のステージでもイエローをまとうこととなった。

モホリッチが早めの仕掛けに成功、ログリッチは総合争いから後退

少しずつフランス本土を東に進みながら、同国の中央部へとやってきたツール一行。このステージはビエルゾンからル・クルーゾまでの249.1kmのレースが行われた。21世紀のツールでは最長距離となる1日は、後半に5つのカテゴリー山岳が集中。部分的に19%の勾配が待つ2級山岳シニアル・デュションと4級ラ・グルロワ、終盤にやってくるこの2つが勝負どころを見られていた。

177人が出走したレースは、リアルスタートからアタックが盛んにかかるものの逃げグループの形勢には至らない。一時はファンデルプールやワウト・ファンアールト(チーム ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)らを含んだパックが先頭に出てくるが、これも集団が追随し先行できず。

この流れから大きな変化が訪れたのは、スタートから44km進んだタイミング。ファンアールトやファンデルプールに加えて、マイヨヴェールのマーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イギリス)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(トレック・セガフレード、イタリア)といった選手が加わった29人のグループが先行を開始。18チームがこのグループに選手を送り込んだこともあり、メイン集団は全体的にストップのムードに。数少ない集団待機のチームの中から、現在マイヨブランを着るタデイ・ポガチャル(スロベニア)を擁するUAEチームエミレーツがコントロールを担った。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

スタートからの1時間を51.6kmとハイスピードで進んだプロトン。快調に飛ばす先頭グループでは、カヴェンディッシュが115.4km地点に設けられた中間スプリントポイントを狙いどおり1位通過。この頃にはメイン集団とは6分近いタイム差まで開いており、それはさらに広がって最大で7分台となった。

しばし大人数のまま進んだ先頭グループだったが、カテゴリー山岳が始まったところで次なる変化が。この日最初の3級山岳の上りでモホリッチが先頭通過すると、これに続いたブレント・ファンムール(ロット・スーダル、ベルギー)とともに2人逃げの形に。徐々にリードを広げていき、その差は1分以上に広がる。この間、モホリッチは山岳ポイントを次々と1位通過。実質の追走集団となったマイヨジョーヌグループでは、ニバリらがたびたびアタックして活性化を試みる。この中からカウンターで抜け出したヤスパー・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード、ベルギー)とヴィクトール・カンペナールツ(チーム クベカ・ネクストハッシュ、ベルギー)が、残り50kmを切ったところで合流。4人となった先頭とマイヨジョーヌグループとの差は145秒となる。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

メイン集団との差はほぼ変わらず、前を行く選手たちの逃げ切りが濃厚に。そして、この日の決定打はやはり2級山岳シニアル・デュションだった。上り始めて早々にモホリッチが独走態勢に持ち込むことに成功。完全にペースをつかんで先を急ぐ。しばらく置いてやってきたマイヨジョーヌグループからは、パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)がアタックし追撃態勢を高める。

さらにメイン集団でも劇的な変化が待っていた。まず、個人総合6位につけるピエール・ラトゥール(チーム トタルエナジーズ、フランス)がアタック。これで集団のペースが一気に上がると、プリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)が遅れ始める。ここにはアシストが誰もつかず、そのまま集団との差は開いていく一方。その後ラトゥールは集団に引き戻されたが、代わってリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)がアタック。これには誰も即座に反応ができず、カラパスはメイン集団からリードを得て終盤を攻めた。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

好ペースで突き進むモホリッチに対して、マイヨジョーヌグループはこの日最後の上りとなる4級山岳ラ・グルロワに入る時点で2つに割れ、8人が前線を目指して追走態勢へ。さらに、その後ろではファンアールトがアタック。総合タイム差30秒とあって、ここはファンデルプールもしっかりチェック。序盤からマークしあった両者は、最後の最後まで一緒に走り続ける格好となった。

独走になってからはまったくその座を脅かされることのなかったモホリッチ。後続に120秒以上のリードを得て、フィニッシュ地点へ。最後は手でハートを形作りながら勝利の瞬間を迎えた。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

モホリッチといえば、今年のジロ・デ・イタリア第9ステージの下りで激しく落車し大会を離脱していた。この時の負傷は早くに癒え、6月にはレース復帰。国内王者にも輝き、万全の態勢でツールを迎えていた。そして、この勝利によってすべてのグランツールでステージ優勝を果たしたことに。復調を告げるとともに、記念すべき勝利にフィニッシュ後は人目をはばからず涙した。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

歓喜のモホリッチからしばらく経って、ストゥイヴェンが2位を確保。追走グループが3位を争う形になり、ここに土壇場でファンデルプールとファンアールトが合流。ボーナスタイムをかけてスプリントに加わったが、マグナス・コルト(EFエデュケーション・NIPPO、デンマーク)が先頭を獲り3位に。ファンデルプールは4位、ファンアールトは8位で終えた。

逃げた選手たちが18位までを占め、その後にメイン集団が到達。総合タイムを取り戻すべく動いたカラパスだったが、フィニッシュ直前で集団に飲み込まれ、同タイムでレースを終えた。

このステージを終えて、ファンデルプールはマイヨジョーヌを引き続き着用することが決定。ランクを1つ上げて個人総合2位に浮上したファンアールトとのタイム差は30秒で変わらない。この日ステージ5位で終えたカスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)が3位に浮上。そしてモホリッチも順位を大きく上げて4位とした。

総合系ライダーでは、このステージを2位でスタートしていたポガチャルがメイン集団でレースを終えたことにより、ファンデルプールから343秒差の5位に変動。アラフィリップは423秒差の7位、ラトゥールやカラパス、リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)らはその差5分台のポジションにつける。

そして、大きな痛手を被ったのがログリッチ。モホリッチから93秒差、メイン集団とは4分近い遅れでステージを終了。総合では911秒差の33位となり、上位戦線へのジャンプアップは厳しい情勢となりつつある。また、ナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック、コロンビア)もグルペットでのフィニッシュとなり、総合争いから脱落した。

3日に行われる第8ステージから、いよいよアルプス山脈へ。150.8kmのレースは最後の50kmにコート・ド・モン・サクソネ(登坂距離5.7km、平均勾配8.3%)、コル・ド・ロム(8.8km8.9%)、コル・ド・ラ・コロンビエール(7.5km8.5%)と、1級山岳が3つ集中。最後の登坂となるコロンビエール頂上にはボーナスポイントが置かれるほか、フィニッシュまでの約15kmのダウンヒルも。上りにとどまらず下り区間も含めて、総合争いに何らかの変化がもたらされるだろうか。

ステージ優勝、マイヨアポワ マテイ・モホリッチ コメント

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

「キャリア最高の勝利だ。これまで2つのグランツールでステージ優勝を経験していて、その時も大会期間中で最も長距離のステージだった。スタミナ勝負は私が得意とするところ。こういう時の逃げグループはあらゆる思惑が交錯するので、できるだけ早く仕掛けようと思っていた。ただ、フィニッシュまで88kmを残した時点でほとんどの選手を置き去りにしたのは想定外だった。正直、ステージ優勝できるか半信半疑だったし、フラムルージュ(残り1km)を通過するまで確信できなかった。それからは涙が込み上げてきた。

山岳賞で首位だったイーデ・スヘリンフ(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)が逃げに入っていなかったので、マイヨアポワも目指してみようと思った。これからはこのジャージにチャレンジしていくつもりだ。明日も逃げに入るかもしれないし、ジャージ獲得に向けてあらゆる手を尽くそうと思う」

マイヨジョーヌ マチュー・ファンデルプール コメント

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

「本当にハードなステージだった。普段のレースでも255kmを超えることはめったにないし、グランツールでもここまで長い距離はなかなかない。最後はいっぱいいっぱいだったが、何とかマイヨジョーヌをキープできてよかった。できるだけ長くこのジャージを着ていたいし、今後自分に何ができるか試していきたい。とはいえ、明日は山岳のウエイトが重すぎて、上りをどこまでこなせるかは疑問だ」

ツール・ド・フランス2021 第7ステージ 結果

ステージ結果

1 マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)5:28’20”
2 ヤスパー・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード、ベルギー)+1’20”
3 マグナス・コルト(EFエデュケーション・NIPPO、デンマーク)+1’40”
4 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)ST
5 カスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)ST
6 フランク・ボナムール(B&Bホテルズ KTM、フランス)ST
7 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)ST
8 ワウト・ファンアールト(チーム ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)ST
9 ブレント・ファンムール(ロット・スーダル、ベルギー)+1’44”
10 ドリアン・ゴドン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)+2’45”

マイヨジョーヌ(個人総合成績)

1 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ) 25:39’17”
2 ワウト・ファンアールト(チーム ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)+0’30”
3 カスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)+1’49”
4 マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)+3’01”
5 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)+3’43”
6 ヴィンチェンツォ・ニバリ(トレック・セガフレード、イタリア)+4’12”
7 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)+4’23”
8 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)+4’56”
9 ピエール・ラトゥール(チーム トタルエナジーズ、フランス)+5’03”
10 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)+5’04”

マイヨヴェール(ポイント賞)

マーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イギリス)

マイヨアポワ(山岳賞)

マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)

マイヨブラン(ヤングライダー賞)

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

チーム総合成績

チーム ユンボ・ヴィスマ

 

ツール・ド・フランス スタートリスト&コースプレビュー

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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