BRAND

  • Lightning
  • 2nd(セカンド)
  • CLUTCH Magazine
  • EVEN
  • BiCYCLE CLUB
  • RUNNING style
  • NALU
  • BLADES(ブレード)
  • RIDERS CLUB
  • CLUB HARLEY
  • DUCATI Magazine
  • flick!
  • じゆけんTV
  • 湘南スタイルmagazine
  • ハワイスタイル
  • buono
  • eBikeLife
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • Kyoto in Tokyo

王者ポガチャルがトップ3の直接対決で勝利、超級山岳決戦を制する|ツール・ド・フランス

熱戦が続いているツール・ド・フランスは、現地714日に第17ステージを行った。ピレネーの山々を超え、最後は超級山岳コル・デュ・ポルテの頂上へフィニッシュ。勝負は個人総合上位陣による首位攻防戦となり、最後はマイヨジョーヌのタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)が、ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)とリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)との激戦に勝利。リーダーの座を固いものとした。

マイヨジョーヌの意地、ポガチャルが残り150mで勝負を決める

隣国アンドラからフランスへ戻った前日の第16ステージでは、個人総合上位陣に大きな差は生まれなかったが、本当の勝負はここからとばかりに超級山岳フィニッシュ2連戦がやってきた。その1つ目は、コル・デュ・ポルテの頂上へと向かう。ミュレをスタートし、しばし平坦区間を走って113.4km地点に設けられる中間スプリントポイント通過をきっかけに山岳へと進路を変える。

ツールではおなじみの1級山岳コル・ド・ペイルスルド(登坂距離13.2km、平均勾配7%)、同じく1級のコル・ド・ヴァル・ルロン・アゼ(7.4km8.3%)を立て続けに超えて、いよいよコル・デュ・ポルテ(登坂距離16km、平均勾配8.7%)へ。上りの入口と最終局面が10%を超える急勾配になのが特徴。個人総合の方向性が定まるのは間違いなく、今大会の中でも極めて重要な1日。それも、主催者はフランス革命記念日にぶつけてきた。

145人が出走。9.8kmのニュートラル区間を経てリアルスタートが切られると、ここまでと同様に出入りの激しい序盤となる。一時的に先行した選手たちは14km地点で吸収。それから5kmほど進んだところで4人が飛び出しに成功。さらに2人が合流し、総勢6人の逃げグループが決まった。

©︎ A.S.O./Charly Lopez

先行したのは、ルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)、アントニー・ペレス(コフィディス、フランス)、ドリアン・ゴドン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)、アントニー・テュルジス(チーム トタルエナジーズ、フランス)、ダニー・ファンポッペル(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、オランダ)、マキシム・シュヴァリエ(B&Bホテルズ KTM、フランス)。これをジュリアン・ベルナール(トレック・セガフレード、フランス)が単独で追う場面があったが、合流ならず集団へと引き戻されている。

この流れで中間スプリントポイントを迎えて、ファンポッペルが1位通過。メイン集団はポイント加算を賭けて、マイヨヴェールを着るマーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イギリス)とマイケル・マシューズ(チーム バイクエクスチェンジ、オーストラリア)がバトル。両チームがトレインをなしてスプリントに挑むと、マシューズが先着。カヴェンディッシュが続いて、それぞれ全体の8位と9位での通過。9ポイントと8ポイントを加えている。

先頭は6人のまま1つ目の上りとなるペイルスルードへ。態勢が乱れることなく進み、ここはデュルジスが1位で通過。メイン集団では、山岳賞を争うワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス、オランダ)やナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック、コロンビア)がペースを上げるが、これを追ったピエール・ラトゥール(チーム トタルエナジーズ、フランス)がやがて前に出て、単独で追走を開始。ただ、これも長くは続かず、集団へと戻されている。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

続く1級山岳コル・ド・ヴァル・ルアン・アゼに入ると、先頭ではペレスが独走を開始。快調に上って頂上を1位通過。この頃にはメイン集団もUAEチームエミレーツやイスラエル・スタートアップネイションが中心になってペーシングを本格化しており、タイム差は3分台後半になっていた。

いよいよ残すはコル・デュ・ポルテだけに。その前の下りでゴドンがペレスに追いつき、2人で最後の上りへ。互いにペースを合わせながら進んだが、上り始めて5kmを過ぎたあたりでペレスがアタック。ゴドンを引き離して再び独走態勢を築く。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

メイン集団は、この上りでラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ、ポーランド)の牽引が本格化。徐々に人数が絞られていくと、個人総合上位陣では8位につけるエンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)が真っ先に遅れ始める。さらには同9位のギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)も徐々に後ろへ。フィニッシュまで10kmを残したところでメイン集団の人数は15人程度になった。

大きな動きがあったのは、それから1km進んだところ。同10位のペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)のアタックを合図に、マイカが集団のペースを上げて引ききると、このタイミングを待っていたかのようにポガチャルがペースアップ。ビルバオに加えて、1人先行していたペレスも労せずパスすると、そこに続けたのはリゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)、ヴィンゲゴー、カラパス、ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)の総合25位と、ジョナタン・カストロビエホ(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)だけに。

残り8kmではポガチャルが再度アタック。今度はウラン、ヴィンゲゴー、カラパスが続いたが、ほどなくしてウランが遅れる。先頭は3人に絞られた。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

なおも攻撃を繰り返すポガチャルは、残り5km、残り2kmと強烈なアタック。それでもヴィンゲゴーとカラパスは食らいつく。ポガチャルとヴィンゲゴーが先頭交代をしながら、急坂区間を進んでいった。

この状況を砕いたのは、それまで後ろに潜んでいたカラパスだった。残り1.5kmでついに仕掛けると、対応できたのはポガチャルだけ。ヴィンゲゴーが遅れたのを見て、カラパスはポガチャルを引き連れながらも先を急ぐ。

先頭の2人は態勢そのままに最終局面へと突入するが、ヴィンゲゴーも驚異の粘りで前との差を縮める。そして残り200mで再合流に成功。ステージ優勝は3人の争いが濃厚になった。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

そして、決定打は残り150m。ポガチャルが最後のアタックとばかりに一気に踏み込むと、ここまで一緒に走ってきた2人を引き離すことに成功。コル・デュ・ポルテの頂上に一番に到達すると、マイヨジョーヌにプリントされたチームロゴを力強くアピールした。2位には3秒差でヴィンゲゴー、その1秒後にカラパスが3位で続いた。

ポガチャルは個人タイムトライアルで競った第5ステージ以来となる、今大会2勝目。山岳ステージでは、第9ステージで逃げを容認しながらも総合勢の争いで先着していたが、今回は力をもってしてステージ優勝までもつかみ取り、王者としての風格を見せつけた。

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

激戦を演じた上位3人の後ろでは、ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)が単独4番手となって、そのままフィニッシュしてフランス人選手最上位。その後は断続的に個人総合上位ライダーがレースを完了させた。

これらの結果から、ポガチャルのマイヨジョーヌは当然変わらず。ウランが遅れたため、ヴィンゲゴーが個人総合2位に浮上。ポガチャルとの総合タイム差は539秒。その4秒後ろでカラパスが同3位につける。ウランは同4位に後退している。

ピレネーでの山岳決戦は、まだ終わらない。翌15日に行われる第18ステージは、超級山岳リュ・ザルディランの頂上を目指す。レース半ばまでは平坦区間を走った後、おなじみのトゥールマレー峠(登坂距離17.1km、平均勾配7.3%)へ。これを越えて20km近いダウンヒルを経て、リュ・ザルディラン(13.3km7.4%)へのアタック。これが今大会最後の山岳ステージであることから、これまで以上にアグレッシブなレースに期待。個人総合争いの形勢も、よりはっきりと見えてくるだろう。なお、標高2115mのトゥールマレー峠頂上をトップ通過した選手には、ジャック・ゴデ賞が贈られる。

ステージ優勝、マイヨジョーヌ、マイヨブラン タデイ・ポガチャル コメント

©︎ A.S.O./Pauline Ballet

「マイヨジョーヌを守り続けることに難しさを感じていた。ほぼ毎日逃げが決まっていたので、ステージ優勝を目指すことができなかったことも関係している。今日は逃げを容認するべきか追うべきかが半々といった感じだったので、チームとしてレースをコントロールするには適したステージだったように思う。個人的にはステージ優勝を狙っていたし、結果的に上手くいった。

最後まで残った3人の力が抜けていることが今日のレースで明確になった。できるだけ他選手との差も広げておきたかったので、ヨナス(ヴィンゲゴー)と協力した。彼はカラパスが協調しないことを気にしていて、私も分かってはいたが、それもレースにおける戦術の1つだと割り切っていた。ただ、カラパスがアタックした時は、何としても食らいつかねばと思った。最後の150mは全力を尽くしたし、最高の1日を仕上げられた。マイヨジョーヌで勝つことは、言葉にならないほどの喜びだ」

ツール・ド・フランス2021 第17ステージ 結果

ステージ結果

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)5:03’31”
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)+0’03”
3 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)+0’04”
4 ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)+1’19”
5 ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)+1’26”
6 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)+1’40”
7 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+1’44”
8 セルヒオ・イギータ(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)+1’49”
9 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)ST
10 ディラン・トゥーンス(バーレーン・ヴィクトリアス、ベルギー)ST

マイヨジョーヌ(個人総合成績)

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア) 71:26’27”
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)+5’39”
3 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)+5’43”
4 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)+7’17”
5 ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)+7’34”
6 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)+8’06”
7 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)+9’48”
8 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)+10’04”
9 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)+11’51”
10 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+12’53”

マイヨヴェール(ポイント賞)

マーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イギリス)

マイヨアポワ(山岳賞)

ワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス、オランダ)

マイヨブラン(ヤングライダー賞)

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

チーム総合成績

バーレーン・ヴィクトリアス

 

ツール・ド・フランス スタートリスト&コースプレビュー

ダイジェスト動画はこちら

SHARE

PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

No more pages to load