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強すぎるポガチャル!ピレネー超級山岳フィニッシュを2連勝|ツール・ド・フランス

大会第3週が進行中のツール・ド・フランスは、現地715日に第18ステージを実施。今大会最後となる山岳ステージは、前日同様にマイヨジョーヌを着るタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)、ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)、リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)の個人総合トップ3による頂上決戦。最後は力の差を見せつけたポガチャルに軍配。今大会3勝目を挙げるとともに、個人総合2連覇へ向けて大きく前進した。

ポガチャルは山岳賞でも首位に、今大会3冠の可能性高まる

今大会のクイーンステージともいわれた第17ステージでは、超級山岳コル・デュ・ポルテでポガチャル、ヴィンゲゴー、カラパスが3強であることが明白になった。なかでもポガチャルは圧倒的な登坂力はもとより、勝利にもこだわって戦う姿勢を前面に出している印象だ。

ピレネーの山々を行く本格山岳ステージ2連戦の2日目。第18ステージはおなじみのポーを出発し、超級山岳リュ・ザルディダンまでの129.7km。前半は平坦基調だが、62.7km地点に置かれる中間スプリントポイントの通過を機に、山岳区間へ。まず、超級山岳トゥールマレー峠(登坂距離17.1km、平均勾配7.3%)を超え、20km近い下りを経て今大会最後の超級山岳となるリュ・ザルディダンへ。この上りが登坂距離13.3kmで、平均勾配7.4%。評判では他の超級山岳ほどの難しさはないといわれるが、ここまでタフなコースを走ってきた選手にとっては、最後の大砦。頂上までの道のりは、個人総合争いにおける重要な局面といえるだろう。

迎えたレースは、スタートアタックでマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)、クリストファー・ユールイェンセン(チーム バイクエクスチェンジ、デンマーク)、ショーン・ベネット(チーム クベカ・ネクストハッシュ、アメリカ)が飛び出す。この3人の後に、数人単位で追う動きが繰り返される。先頭で逃げる3人は、手始めの4級山岳に達し、ユールイェンセンが1位通過。なおも逃げと追う動きは継続され、フィニッシュまで残り100kmになった段階で先頭とメイン集団とのタイム差は120秒と、逃げる選手たちは大きなリードを奪えない。

こうしているうちに、メイン集団から抜け出したジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)とピエールリュック・ペリション(コフィディス、フランス)が先頭3人に合流。5人が前を急ぐ格好となるが、完全にメイン集団の容認を得るところまではいかなかった。

©︎ A.S.O./Charly Lopez

メイン集団は、2分以内のタイム差を保ちながらペースをコントロール。中間スプリントポイントを意識するバーレーン・ヴィクトリアスやチーム バイクエクスチェンジがペーシングを担う。逃げに入っていたユールイェンセンもこの状況を受けて集団へ下がる判断。逃げる選手たちを先行させながら、エーススプリンターのポイント加算に向けた準備が進んでいった。

途中の4級山岳と中間スプリントポイントはアラフィリップがともに1位通過。それから115秒後にメイン集団が中間スプリントへ。チーム バイクエクスチェンジが主導権を握っていたかに思われたが、ミケル・モルコフ(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)が絶妙なリードアウトでマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)を放つことに成功。これで集団のトップを獲ったカヴェンディッシュは、全体の5位通過。モルコフはマシューズの追い込みも防ぎ、6位で通過。マシューズは7位通過にとどまり、ポイント賞のマイヨヴェール争いでカヴェンディッシュがより優位な形に持ち込んでいる。

スピードが上がった集団は、この流れから5人が先頭グループめがけて追走を開始。さらに、トゥールマレー峠の上りが始まると集団から抜け出す選手が散発的に現れる。先頭ではアラフィリップとモホリッチの2人逃げの状態となるが、後続が徐々にタイム差を詰めて中腹で合流。9人のパックとなったが、上りを進んでいくにつれて人数が絞り込まれ、やがて残ったのはダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)とピエール・ラトゥール(チーム トタルエナジーズ、フランス)に。標高2115mにある山岳ポイントは、ジャック・ゴデ賞が設定されていたこともあり、両者の争いが激化。ラトゥールが先着し、同賞を獲得した。

©︎ A.S.O./Charly Lopez

この上りでメイン集団にも動きが見られた。個人総合4位でスタートしたリゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)が徐々に後退。アシストに付き添われながら集団復帰を目指すが、ペースが上がらず完全に脱落してしまう。頂上に向かっては、山岳賞を争うワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス、オランダ)とマイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネイション、カナダ)がアタック。逃げからこぼれた選手たちを拾いながら山頂の上位通過を狙い、マイヨアポワを着るプールスが4位通過で10ポイントを獲得した。

トゥールマレー峠からの下りで、ゴデュがラトゥールを引き離して単独先頭に立つ。集団には数十秒のリードをもって、リュ・ザルディダンへと入っていく。一方、集団には50人ほどが残っている状況。イネオス・グレナディアーズが上りで集団を牽引すると、少しずつ人数が減っていく。

こうなると、勢いは完全に集団が上。残り10kmを切ったところで、トップを走り続けたゴデュをキャッチ。なおもイネオスの牽引が続いていく。残り5kmで今度はラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ、ポーランド)が前に出て集団を引っ張ると、総合争いへの緊張感が高まっていく。

©︎ A.S.O./Charly Lopez

残りは3km。マイカが引き切ったタイミングで、いよいよポガチャルがスピードアップ。マイヨジョーヌ自ら先頭に立つと、これに対応できたのはヴィンゲゴー、カラパス、個人総合7位のエンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)、さらにはセップ・クス(チーム ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)。ヴィンゲゴーをアシストするクスが前へ出て牽引役を担い、そのまま最後の1kmへ。一度遅れかける場面もあったマスだったが、フラムルージュ通過を合図にアタック。総合に加えて、ステージ優勝を賭けた勝負のゴングが鳴った。

幾分牽制気味になるが、残り700mで再びマスがアタックし差が広がると、ヴィンゲゴーとカラパスの様子をうかがっていたポガチャルが満を持して勝負のカウンターアタック。あっという間にマスをパスすると、懸命に追うカラパスとヴィンゲゴーも振り切って、単独で頂上へ。

ライバルに対し、タイム差にとどまらない力の違いを見せつけたポガチャル。前日はマイヨジョーヌを誇示してのフィニッシュだったが、この日は右拳を高らかに掲げてのウイニングセレブレーション。ピレネーの本格山岳コースを2連勝し、大会連覇へ一気に前進する勝利を挙げた。2位にはフィニッシュ前でカラパスをかわしたヴィンゲゴーが続き、個人総合ランキング通りの着順になった。

©︎ A.S.O./Charly Lopez

これらの結果から、ポガチャルはマイヨジョーヌを固いものとし、個人総合2位のヴィンゲゴーとの差は545秒に。ヴィンゲゴーから6秒差でカラパスが続いている。その他の上位陣も、トップ3からは遅れたもののウランを除き大きくタイムを落とす選手は現れず。このステージだけで9分近く遅れたウランが6つランクを落として10位まで下がった一方で、5位から10位までを走っていた選手たちはランクを1つずつアップ。ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)が4位、ケルデルマンが5位。ステージ優勝争いに加わったマスは6位となっている。

さらにポガチャルは、マイヨジョーヌ、ヤングライダー賞のマイヨブランに続き、山岳賞のマイヨアポワ獲得も濃厚な情勢とした。頂上フィニッシュは山岳ポイントの配点が2倍になるため、2日連続して超級山岳フィニッシュを制したことで両日で40ポイントずつ獲得。これまでの得点と合わせて、一気にトップに躍り出た。この先のステージは4級山岳しか残されておらず、パリに到達すると同時に同賞が確定。今大会3冠が見えてきた。

©︎ A.S.O./Charly Lopez

16日の第19ステージは、久々の平坦。ムランウーからリブルヌまでの207kmに設定され、全体的に変化が少なめ。焦点はもちろん、マーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イギリス)がステージ最多勝35勝の記録達成なるかだ。

ステージ優勝、マイヨジョーヌ、マイヨアポワ、マイヨブラン タデイ・ポガチャル コメント

©︎ A.S.O./Charly Lopez

「信じられない。この2日間は本当に調子が良くて、勝つことができて心から満足している。私にとってサイクリングは始めた頃から戦術的なスポーツだと感じていて、それを楽しむことができている。ツール制覇についてはまだ分からない。ステージがまだ残されているので、あとは勝てるよう走り続けるのみ。ヴィンゲゴーは確かにタイムトライアルを得意としているが、さすがに6分近い差を逆転されることは…まぁそうならないようにしっかり走ろうと思う。私にとっても全力を尽くさなければいけない分野(タイムトライアル)だと思うし、マイヨジョーヌで個人タイムトライアルステージに挑むのは新しい経験なので、それはとても楽しみ。

今日のステージは確かにハードだった。トゥールマレー峠に入る時点でペースはかなり速かった。最後の上りは集中していて、フィニッシュまで最大限の力を出そうという思いだけだった」

ツール・ド・フランス2021 第18ステージ 結果

ステージ結果

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)3:33’45”
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)+0’02”
3 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)ST
4 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)+0’13”
5 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション、アイルランド)+0’24”
6 セップ・クス(チーム ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)+0’30”
7 セルヒオ・イギータ(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)+0’33”
8 ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)+0’34”
9 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)ST
10 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム、スペイン)+0’40”

マイヨジョーヌ(個人総合成績)

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア) 75:00’02”
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)+5’45”
3 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)+5’51”
4 ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)+8’18”
5 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)+8’50”
6 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)+10’11”
7 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)+11’22”
8 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)+12’46”
9 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+13’48”
10 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)+16’25”

マイヨヴェール(ポイント賞)

マーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イギリス)

マイヨアポワ(山岳賞)

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

マイヨブラン(ヤングライダー賞)

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)

チーム総合成績

バーレーン・ヴィクトリアス

 

ツール・ド・フランス スタートリスト&コースプレビュー

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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