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新型デュラエースついに登場、ワイヤレス&リア12スピード化|SHIMANO DURAACE R9200

シマノのロードバイクコンポーネントのフラグシップ・デュラエースがR9200シリーズへとリニューアル。変速は電動式のDI2のみで、ディスクブレーキ仕様はワイヤレス変速となり(リムブレーキ仕様は有線接続)、リアが12スピード化されるなど、大幅なアップグレードが施された。同時にロードバイクコンポーネントのセカンドグレード・アルテグラもリア12スピードへとアップグレードが施されたR8100シリーズへとモデルチェンジした。概要と進化のポイントをチェックしよう。

新型アルテグラの詳細はこちらへ

アルテグラも同時にモデルチェンジ!リア12スピード化|SHIMANO ULTEGRA R8100

アルテグラも同時にモデルチェンジ!リア12スピード化|SHIMANO ULTEGRA R8100

2021年09月01日

デュラエースR9200シリーズ、6つの大きな進化点

デュラエースは、シマノのロードバイクコンポーネントのフラグシップモデル。世界最高峰のトッププロ選手たちの要求に応えるため、過酷なレースでの使用に耐える信頼性と耐久性を確保しながら極限まで無駄をそぎ落とした究極のレース機材だ。グランツールをはじめとする世界最高峰のレースで多くの勝利を挙げており、こうした実績の積み重ねがプロトンでの信頼につながっている。

その最新モデルとなるR9200シリーズは、旧モデルから大幅な進歩を遂げたエポックメイキングなモデルとなっている。進化のポイントを6つに絞ってみてみよう。

1. ワイヤレスのDI2を採用(ディスクブレーキ仕様のみ)

編集部では無線がどこまで届くかをチェック。参考までに約200mまでは動作することが確認できた。

R9200シリーズのディスクブレーキ仕様では、電動変速システムDI2がワイヤレスに進化した。デュアルコントロールレバーとリアディレイラーを無線接続し、前後ディレイラーとバッテリーユニットを有線接続するシステムに変更となった。デュアルコントロールレバーとバッテリーユニットとをつなぐケーブルが不要になり、変速システム全体での軽量化を実現している。ただし、リムブレーキモデルは有線接続となる。

シマノ担当者によると、バッテリーの稼働時間は使用状況にもよるが1000kmほど、デュアルコントロールレバー電源となるボタン電池(CR1632)は1年半~2年ほどもつという。ワイヤレスでも有線でも変速スピードに違いはないとのことだ。

また、旧モデルまでラインナップされていた従来型の機械式変速はなくなった。

2. リア12スピード化、11スピード用ホイールでもスプロケ使用可

リア12スピードになったのもトピックのひとつだ。歯数構成は11-30Tと11-34Tの2種類で、11-30Tの組み合わせでは16Tを入れることでトップから7枚のレースで常用するギヤを1T刻みとしてクロスレシオ化、11-34Tではロー側に34Tを入れることでロー側付近の30Tや27Tといったギヤをアウターで使ってもたすき掛け状態が軽減され、駆動効率の損失が少なくなるというメリットがある。

新しい12スピード用カセットスプロケットは、11スピード用のフリーボディにも対応。11スピード用ホイールを持っているサイクリストなら、アップグレードの際にホイールを新たに購入しなくてもいいのは朗報と言えるだろう。

3. ハイパーグライドプラスで変速スピードが大幅アップ

変速スピードの向上もR9200シリーズで注目すべき進化のポイント。先代モデルと比べフロントで45%、リアで58%速くなっているそうだ。

これをもたらすのがスプロケットやチェーンリングの刃先の形状やチェーンリングのピンの形状などドライブトレイン全体で変速性能を向上させるハイパーグライドプラスだ。これによってスムーズで正確、速い変速を実現。特にトルクがかかった状況下でも確実に変速するように進化しているという。

4. デュアルコントロールレバーがよりエルゴノミックに進化

左が従来のR9170、右が新しいR9270

デュアルコントロールレバーの形状もさらにエルゴノミックに進化している。

今回からDI2専用となったが、変速ボタンは下ハンを持ったときにも押しやすいように下に伸び、面積も大きくなっている。

左が従来のR9170、右が新しいR9270より大きくなっているのがわかる

さらにシフトアップ/シフトダウンの両レバーの段差がやや大きくなってフルフィンガーグローブ装着時にもレバーの位置が分かりやすくなっている。スイッチの操作感もやや遊びが大きくなり、レバーを押し込んでいくとしっかりとしたクリック感があって確実に操作できたことが手元でも分かるなど、官能性能の部分でもブラッシュアップが図られている。

ブラケット先端にあるAスイッチも残されるほか、オプションのサテライトスイッチは上ハンに取り付けるトップバースイッチとスプリンタースイッチが用意される。これらのボタンによって行える操作は、スマートフォンなどで使えるアプリ「Eチューブプロジェクト」で変更可能だ。

レバー全体の形状では、昨今多くのプロ選手が取り入れているブラケットをやや内向きにするセッティングをレバー操作がしやすい形で実現できるよう、ブラケット先端がやや斜め内側に傾いたような形状になっているのもポイント。さらにブレーキレバー後ろ側からハンドル取り付け部にかけてのスペースにゆとりを持たせ、小指から中指までが収まりやすくなっている。

となると、気になるのは手の小さな人でも使いやすいのか?という点だが、そこはリーチアジャストやフリーストローク調整も搭載しているので問題はない。

5. 空力と軽さを兼ね備えたホイールをラインナップ

デュラエースR9200シリーズでは、ホイールのラインナップも一新された。リムハイトは軽量クライミングモデルの36mm、オールラウンダーの50mm、エアロ重視のハイスピードモデルの60mmという3種類。旧モデルと比べてよりハイプロファイル志向が強まり、空力性能をより重視したラインナップとなった。もちろんリムはフルカーボンだ。

どのリムハイトのモデルもディスクブレーキとリムブレーキ仕様が用意され、チューブラーモデルのほか、ディスクブレーキ仕様のみチューブレス対応クリンチャーが用意される。いずれのモデルもリム外幅は28mm。チューブレス対応クリンチャー仕様のリム内幅は21mmで、昨今のロードバイクホイールのトレンドに則り25mm幅以上の幅広のタイヤに対応して、転がり抵抗の少なさによる軽快な走りを実現する。

走りの要となるリアのフリーハブも大幅な改良が加えられている。ラチェットは従来の3つ爪方式から一新し、面接触のダイレクトエンゲージメントシステムを採用。フェイスラチェット式となり50ノッチとなり、空走時のフリー状態から少しペダルを踏み込むだけで素早くラチェットがかみ合うため、コーナーでの立ち上がりなどでのペダルを踏み込んだ際のレスポンスが旧モデルと比べて大幅に向上している。
ハブボディはアルミ製で、12段専用の新しいスプラインを採用して12スピード専用となっているのもポイントだ。

6.ディスクブレーキの操作フィールが向上

ディスクブレーキキャリパーは、旧モデルと比べてパッドのクリアランスを10%拡大。ブレーキをかけていないときにパッドとローターが干渉しにくくなっただけでなく、レバーを引いてからパッドとローターが接触するまでの遊びも最適化されてローターがパッドに当たってからの制動力の調整もきめ細やかにできるようになり、細かいスピードコントロールがより行いやすくなっている。

こうしてみると、デュラースR9200シリーズは、12スピード化やDI2のセミワイヤレス化というハード面の進化だけでなく、ストレスなく使えるという人間工学面や操作フィールといった官能性能もブラッシュアップしていることが分かる。

デュラエースR9200シリーズ、その他の気になるポイント

ユーザー目線で気になる製品ラインナップの話など、その他の気になるポイントをまとめよう。

リムブレーキは継続?

リムブレーキモデルも継続される。ラインナップにはリムブレーキ用キャリパーやリムブレーキ用のデュアルコントロールレバーもある。シマノによると、これは一部のトッププロチームからの要望に応えたものだという。リムブレーキ仕様は有線接続のDI2のみとなる。

12スピード化で重量は増えている?

R9200シリーズとR9100シリーズの重量差はほとんどないという。12スピード化によってカセットスプロケットはわずかに重くなったが、DI2のエレクトリックケーブルが細くなったことや一部ワイヤレス化で必要とされるケーブルのトータルの長さが短くなったこと、ジャンクションAの機能をリアディレイラーに統合したことでジャンクションAが不要になったことなど、逆に軽量化を達成している部分もある。このため、多段化を果たしながらもコンポーネント全体としては重量増を抑えることに成功したのだという。

また、ホイールではフリーボディをアルミ製とし、スプラインをマイクロスプラインとして45gの軽量化を実現している。

リアディレイラーにワイヤレスの重要パーツを集めて大丈夫?

ワイヤレスDI2では、STIレバーからの信号をリアディレイラーで受信するワイヤレスシステムとなっている。また、バッテリーの充電ポートはリアディレイラーに設けられている。外装変速のリアディレイラーは転倒時にヒットしやすいというリスクを抱えているが、そんな場所にワイヤレス通信の根幹となるシステムや電動変速の電源であるバッテリーの充電ポートを集約して大丈夫なのかと疑問に思うかたも多いはず。

これについてシマノは次のように回答している。
「そもそもシャドーRDを採用して外部への張り出しを最小限に抑えてヒットしにくくしているだけでなく、多少の衝撃では壊れないよう耐久性も高めている。もしリアディレイラーが破損するような事態になったら、その際はフレームもダメになっている可能性が高いのでそもそも走行不能になるはず」
というわけで、まず心配には及ばないということだろう。

パワーメーター付きクランクの機能は?

左右独立計測が可能で、パワーのほか、ペダリング効率、ペダリングスムーズネスなど、旧モデルと同等の機能を搭載。測定精度がいままで±2%だったのが±1.5%に向上した

TTバイク向けのコンポーネントは?

シマノによると「TTバイク向けのデュアルコントロールレバーやDHバー先端に取り付ける変速ボタンは、R9100シリーズのものを組み合わせ、ファームウェアアップデートで12スピードに対応させる」という。ファームウェアのアップデートは、スマートフォンなどで使える専用アプリ「Eチューブプロジェクト」を通じて行う。

また、プロ選手がTTで使っているような大きなチェーンリングは、プロ選手のために特別に作られたワンオフ品のため、今のところ市販の予定はないとのこと。ただし「マーケットのニーズに応じてラインナップに追加される可能性はゼロではない」とのこと。

製品テストを行ってきたシマノレーシングの選手に聞いてみた

デュラエースR9200シリーズを一足早く使っていたシマノレーシングの選手たちに、使用感や旧モデルからの進化についてコメントをいただいた。

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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