3Dプリンターで自転車パーツを作る【革命を起こしたいと君は言う……】
Bicycle Club編集部
- 2021年10月30日
スチールバイクの限界に挑む今野製作所「CHERUBIM(ケルビム)」のマスタービルダー、今野真一の手稿。今回は自転車の設計に関するお話。
急がばまわれ
輪界は空前の材料不足に悩まされている。ケルビムでもコンポーネント入荷などがやはり遅れているが、フレーム材料に関していえば、いまのところほとんどが予定どおり入荷している。以前から国内生産での物作りを進めてきた結果とも思われる。
ラグをひとつ製作依頼する場合、昨今ロストワックス製品はコスト的にもアジア諸国など海外に依頼するのが常だ。
物作りの共通言語「図面」を電子メールで送り、見積り納期を確認して発注をかける。
打ち合わせはメールを多用する。必要な場合は出向くこともあるが、ごく稀だ。台湾、中国は日本で生産するよりも値段も納期も早く、このような海外生産が一般的になっている。
しかし、いい物作りには生のコミュニケーションが不可欠と考えている。
コミュニケーションは、品質、デザイン、納期、トラブルが起きたときなど、すべてにおいて必須といえる。
何度も生産国へ足を運べるなら可能だが結果、時間もお金もロスが増える。なのでコストのために、この部分を切り取ってしまう傾向となる。
国内で生産するのであれば、多少高くても、このもっとも大事な部分に時間をかけられる。私の場合、ただそれだけの理由から国内で製作しているにすぎない。
もっと簡単に言えば、「近いから」だ。それが、今回の材料不足時にも功を奏し、納期も品質も守られる結果になるとは考えてはいなかったが。また、顔を見て付き合っている業者からは、ほとんど不良品は入ってこない、ということも付け加えたい。
SHARE
PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。