ハブ側面の小さなキャンバス【西山自転車商会】
ニシヤマ
- 2021年12月01日
「自転車はスポーツではなくホビー」と言い張る、いじってなんぼのレストア編集者の手記。
今回は、ハブに関するあれこれのおはなし。
最近デュラエースを買ってしまった。といってもハブだが。正確にはジュラエース(初期はこう呼んだ)と言ったほうがいいかもしれない。大昔のピストハブだ。
フリマなどで安いのを目にすると、つい買ってしまうのがラージフランジハブだ。どのみちリアはスプロケットで見えないし、とフロントのみ。ほかにもハンパもののフロントハブをやたらコレクションしている。
フランジが大きいとホイールの横剛性に関してメリットがあるらしい。競輪用ハブは今もラージが多いが、一般的なスポーツ車用としては絶滅危惧種だ。ママチャリだとシマノのローラーブレーキ用ハブはラージなので、それなりのメリットがあるのだろう。
最大のメリットは、そのルックスだ。これはヴィンテージ好きにしかわからない世界かもしれない。いまでもクラシカルなアッセンブル用に、グランボアやヨシガイ、ベロオレンジなどからラージフランジハブが復刻されている。
なんといっても、穴の形状がポイントだ。この穴をコレクションしているといってもいい。昔のホイール系パーツとしては、デザインできるキャンバスとして、大変貴重なエリアが存在するのが、ラージフランジハブの魅力だ。
長らくデュラエースのラージハブが欲しかったのは、その穴が三角おむすび型をしているからだ。これはほかのメーカーにない形状といえる。
多くは、楕円タイプだ。マニアが好きなのは、クラシカル感が強い丸穴(なのでグランボアもベロオレンジも丸穴だ)。
もっとも好きなラージ穴は、四角タイプだ。三信という長野県にあったメーカーのものだ。横からみると大八車にも見える。
コレクションに三角が抜けていたので、デュラエースが加わったことで、丸、楕円、四角、三角がそろった。これで私的にはコンプリートを達成!
遠出もできず、サイクリストとして達成感が薄かった昨今なので、小さくとも趣味の喜びは貴重だ。誰とも共有できない喜びだが。もとよりフランジの穴とか言ってる人自体が絶滅危惧種と気づき、うら寒くなった。
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