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自転車ショップが五つ星レストランを目指すわけ【革命を起こしたいと君は言う……】

スチールバイクの限界に挑む今野製作所「CHERUBIM(ケルビム)」のマスタービルダー、今野真一の手稿。今回は飲食店と自転車店に関するお話。今回は競輪からロードバイク、ツーリング車まで幅広くオーダーフレームを作る今野さんが、自転車ショップと飲食店とを比較して理想的なショップ像を描いてみた。

ケルビム今野真一さんが、飲食店と自転車店を比較してみた

私は厨房など食を作るシステムに興味がある。食事に出かけた際もカウンター越しに職人が見えると動きを観察している。近所の中華店は、見事というしかない。数多いメニューを同じキッチンからスピーディーに提供している。コックひとりで、ざっと20人分はさばくシゴトをしている。

私もイメージではあんなシゴトがしたいと願っている。競輪フレームからランドナーまで、注文が入れば瞬時に仕上げ、最速でユーザーに納めて満足していただく。実際そうはいかないが、腕利きの職人たちの厨房にはどんな秘密が隠されているのだろう?

今回は厨房というより、ショップ全体を通して、飲食店と自転車店を比較してみたい。

ケルビムは飲食店にたとえるなら、街中華か銀座の高級店、それともファーストフード?

私はフレーム作りをよくレストランや料理店にたとえる。私が理想とし、目指すべきショップ(料理店)とはどのようなものだろうか? あらためて料理店と比較してみたい。

料理の出るタイミング=オーダーにかかる時間

料理の場合はさまざまなシチュエーションがある。早ければいいというものではない。

乾杯や前菜があり会話のタイミングなどを計らいながら出すなら高級料理店となるだろう。

われわれの場合、街の定食屋のスピード感やファーストフードのシステム化されたスピード感はぜひ見習うべきだろう。

とくに競輪選手はレース形態も刻々と代わり、使いたい時期を逃してしまうとその機材は旬を逃し、無意味なフレームとなってしまう場合さえある。

近ごろはオーダーにかかる時間も楽しんでくれるユーザーが増え、ありがたい気持ちでいっぱいだが、そこに甘えてはならない。

私が思うに自転車は、可能なかぎり早くユーザーや選手にお渡しするべきと思う。現在、一般ユーザーに甘えてしまっている状況は否めないが、どちらも早く納車すべく改善策を奮闘中だ。

性能=味

自転車の性能といっても千差万別で「食」に例えるなら「味」ということだろう。好みは十人十色なのは避けられないだろう。

しかし「味」はすなわちお店の看板でもあり、同じメニューが毎回違う味であれば信用を失う。

フレームも「ケルビム」はこんな「乗り味」だというイメージもあるので設計には骨が折れる。しかし要はおいしければいい。毎回違う味。しかもユーザーの想像を超える味を提供することを忘れてはならないだろう。

いろいろ考えるとオーダーフレームはやはりカウンター形式で、お客様の顔を見ながら味を調整し食材を用意し進めて行く形のお店が近い。カウンター文化は日本特有らしい。なのでオーダー車は日本人向きかもしれない。

店の雰囲気

工房とは対照的な対話できるショップ

われわれのイメージは職人という印象もあるかもしれないが、ユーザーと密に接しフレームを完成させて行くプロセスが重要で、ある種サービス業でもある。なのでオーダー時の雰囲気は大切だ。

一般ユーザーからすると、頑固一徹な職人が出てきて、なにも聞いてくれないのでは?

そんな心配もあると思う。堅苦しくない雰囲気を作らなければならない。

選手は電話一本で話がすむ場合もあれば、ビルダーみずから競輪場に足を運び打ち合わせをする場合もある。シェフが出張し料理を振る舞うイメージだろうか?

食材=フレーム素材

世界中から集めたパイプがストックされ各ユーザーに合わせ職人が料理

大事なポイントだが、鮮度が問われる食材と鉄パイプを単純に比べることは難しい。

目利きの職人が国内外から集めてきた食材がたくさんストックされている飲食店だろう。

われわれにない素材は製造会社と開発している。農家や畑のオーナーとの共同で理想の味を追求しているイメージだろう。農家と深い親交をもつ料理店とも言える。

最高の素材をビルダーが選び最高の一台に仕上げる。この部分は一流シェフに通ずる作業だ。

われわれケルビムの目指すところ

銀座の高級店、町中華、ファーストフードやチェーン店でもない。しかし、どの店にも見習うべき最高のサービスがある。

しかしわれわれの理想は違うところにありそうだ。プロのみにではなく、そこで培った技術や経験を一般の方にもお届けしたくもある。ピストやロードだけでなく、ツーリングや通勤用まで自転車を愛する人にオーダーフレームのすばらしさを知ってもらいたい。

いうなれば、中華、和食、洋食なんでもありで、さまざまなシチュエーションに応え、個別にも対応して満足してもらう。そんな店があったら私も食べてみたい。

Cherubim Master Builder
今野真一

東京・町田にある工房「今野製作所」のマスタービルダー。ハンドメイドの人気ブランド「ケルビム」を率いるカリスマ。北米ハンドメイド自転車ショーなどで数々のグランプリを獲得。人気を不動のものにしている
今野製作所(CHERUBIM)

 

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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