BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

【北海道 利尻島・礼文島】羽田発2泊3日で行くぜ! 最果ての島へ|今年行ってみたい自転車旅

PAGE
2 / 2

ついに来た。ここが伝説の桃岩荘YHだ

礼文島に来た目的のひとつが、桃岩荘YH(ユースホステル)に泊まることだ。俺が大学生だった当時、そこは襟裳、知床とともに北海道3大〇〇〇〇YHと呼ばれていた。

夜の「ミーティング」と呼ばれる場で歌ったり踊ったりするのはどこも同じだ。ただ、なかでも桃岩荘YHはフェリーで帰る客を歌と踊りで見送り、最後は埠頭から海に飛び込む者までいるという、その全力のお見送りで旅人たちに知られていた。

そして、当時のそういう独特の「風習」が、この桃岩荘YHでは今も連綿と受け継がれているという。それはほんとうなのか? 電話で予約をしたとき、「当ホステルは全室ドミトリーです。ミーティングと呼ばれるイベントが夜にありまして、参加するしないはご自由なんですが、早くお休みになりたいお客様には、少しうるさいかもしれませんが、よろしいでしょうか」というようなことを言われた。望むところだ。そうこなくっちゃ。

宿に着く手前に展望台があり、そこの駐車場に着いたら電話をするように、と言われていた。そのとおりに電話をして砂利道を下っていくと、宿の人が一人迎えに出てきた。そしてうながされて玄関の扉を開けると……。「おかえりなさーい!!」の大合唱で迎えられた。来た。ついに来たぞ! ここが桃岩荘YHだ。旅人に語りつがれた伝説の宿。あの北海道ツーリングから約40年がたち、青年はオッサンになった。しかし、ついに来ることができた。夜のミーティングで、もっと歌いたい! と思ったのは俺だけだったろうか。

ヘルパーとホステラー全員で俺を出迎えてくれた
桃岩荘YHのミーティング。ヘルパーさんのリードで歌い踊る。このノリについてこられなければ、ここでの宿泊は苦痛でしかないだろう。俺はもっと歌いたかった
こんな2段ベッドが広間の2階に並ぶ
宿から徒歩で出かけるホステラー(客)を、ヘルパー(スタッフ)やほかのホステラーが大声で見送る。向こうに見えるのが「見返り坂」
港での見送り。「いーってらーっしゃ―――い!」「まーたこーいよ―――!」の声が、船が見えなくなっても続いていた

天気が悪かったせいで、礼文島の美しい自然と風景を満喫、というわけにはいかなかった。しかしその垂れこめた雲と、吹きすさぶ風は、礼文島の「最果て感」を増幅していた。
もう死ぬまで来ることはないかもしれない。だから自分のなかで礼文島は、ずっと寒々しい、そして丘の上や岬の突端を、ただ風が吹きぬけていくイメージのままかもしれない。
でもそれでいい。明るく美しい景色を楽しむだけが旅じゃない。悪天候もあり、トラブルもある。そしていろいろな出会いがあり、別れがある。それらすべてが旅なのだ。
島の最北端、スコトン岬で風に飛ばされそうになりながら、来てよかったと心から思った。

礼文島の「かふか」という店で食べたウニ丼。4300円という値段に軽くめまいがした。うまくて当然
礼文島の集落を抜ける。なんということのない道だが、こういうところを走っていると、ああサイクリングしてるなあ、と思うのだ
スコトン岬へ続く道。宗谷や襟裳にもこんな道があったような気がする。岬特有の地形と道なのかな
スコトン岬。昔よく目にした地名だったが、久しぶりに地図で見て、ときめいた。俺はずっとここに立ちたかったのだ!
スコトン岬のひとつ右側の突端、その丘の上にある金田ノ岬灯台。ただ風がビュービュー吹いている場所だった
こちらは利尻島のペシ岬にある鴛泊灯台。利尻・礼文にはこういう小さな灯台がたくさんあり、灯台好きにはたまらない島だ

「北海道 利尻島・礼文島」ルート紹介

初日は利尻島を時計回りに一周ちょっと。翌日は礼文島を北上してスコトン岬まで往復。3日めは礼文島の南を少し走り、利尻島に戻って沓掛から空港まで。総走行距離151km。

 

※この記事はBiCYCLE CLUB別冊「ロードバイク一人旅入門」からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

Info

出典

SHARE

PROFILE

岩田

Bicycle Club / 編集長

岩田

バイシクルクラブ 編集長。自転車雑誌の編集長を14年以上務める。自転車雑誌の編集は通算20年近い。人生100年として、もう5分の1を自転車雑誌で過ごしている。物欲おじさんライダーの代表。

バイシクルクラブ 編集長。自転車雑誌の編集長を14年以上務める。自転車雑誌の編集は通算20年近い。人生100年として、もう5分の1を自転車雑誌で過ごしている。物欲おじさんライダーの代表。

No more pages to load