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呼吸筋を鍛えるメリット、息は吸うより吐くほうが大事?|ラクになる呼吸テクニック

トップ選手は呼吸のタイミング、テクニックを使い分けることでより楽に、パワーを出している。呼吸筋を鍛えておくことで、ヒルクライムなどの運動強度が上がったときでも楽に走れるようになるというのだ。今回はJプロツアーにも参戦する“走れるドクター”、整形外科医の武井 裕さんに呼吸筋を鍛えるメリットをうかがった。

換気効率を高めるため、息をしっかりと吐き切る

ILLUST: leomello

肺は自分で動くことができない。そこで横隔膜をはじめ、いわゆる呼吸筋が動員される。
安静時の呼吸では、おもに横隔膜の収縮(吸気)と弛緩(呼気)が使われ、さらに外肋間筋の働きにより胸郭を広げて吸気をして、そらぞれが弛緩することで胸郭が縮小、胸腔の内圧を変化させることで肺を伸縮させる。この横隔膜がおもに使われる呼吸をいわゆる「腹式呼吸」と呼ぶ。

さらに運動するときは換気量を増やすため強制呼吸をおこなっている。このとき腹式呼吸に加え、胸式呼吸の割合が増える。このため、自転車の乗車姿勢を支える体幹の筋肉の多くが、呼吸補助動筋としての役割もしており、呼吸と姿勢の維持が関連してくる。このため呼吸による影響が走りに大きく関係してくる。

息をしっかりと吐くことでその分新しい空気を肺に取り込むことができるので、意識的に吐くことで、換気効率が高くなる。ただし、運動負荷に伴う酸素需要のアップにより、浅い呼吸の回数が増えると換気効率が下がるだけでなく、呼吸補助筋が疲労し、緊張する。そのため、ふだんから呼吸筋を鍛えておくことで、ヒルクライムなどの運動強度が上がったときでも楽に走れるようになる。

吐くことで呼吸量が増える

肺の構造は注射器のようになっており、なにもしないで息を吸うより、肺に残っている息を意識的に吐いてから外気を吸うことで、より換気効率をよくすることができる。なので、息を吸う以上に吐くことが大切になってくる。

教えてくれた人

整形外科医 武井 裕さん

多忙な中トレーニングをこなし、現在JプロツアーチームVC福岡で走る。学生時代はバレーボールに取り組んでいたが、ケガから自転車に転向。スプリントを得意とする。

※この記事はBiCYCLE CLUB[2020年5月号 No.421]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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