高校受験をしながら自転車競技、ジュニアNリーグのポイントリーダーに話を聞いた
Bicycle Club編集部
- 2022年04月02日
2020年4月に発足した中学生男女を対象としたNリーグ。2年目となった2021-2022シーズン、年間ポイントリーダーを獲得したのは2人の中学生、Nリーダーの水上央渉さんとNWリーダー岡本彩那さんだ。じつは高校受験を終えようやく自転車の練習ができるようになったばかりという2人、栃木県宇都宮市を拠点に活動する宇都宮ブリッツェン下部育成チーム「ブラウ・ブリッツェン」に所属する選手だ。ここでは3月13日、宇都宮サイクリングターミナルで行われた年間リーダーの授賞式にあわせて行われたインタビューをお伝えする。昨シーズンのNリーグでのレースを振り返りながら、未来のNリーグリーダーとなる中学生へ向けた話や、新高校生活に向けた話題をQNリーグ事務局の須藤むつみさんが聞いた。
高校受験が終わり、ようやく練習再開
宇都宮・ブラウ・ブリッツェン
中学生 男子Nリーダー水上央渉と女子NWリーダー岡本彩那
QNリーグ事務局:須藤(以下・須藤):ブラウ・ブリッツエンのクラブチーム練習会を見学させてもらいました。このような練習会を毎週、日曜日にやっているようですが、今日はいかがでしたか?
NリーグリーダーN水上央渉選手(以下・水上):今日は高校受験が終わって、いつもより調子が良かったので自分から積極的に前に出て、アタックにも参加して思ったように脚が動いて楽しかったです。
NリーグリーダーNW岡本彩那選手(以下・岡本):いつも上りで大人の人とかに全然ついていけなくて。でも今日は練習に同行した柿沼章さん(宇都宮ブリッツェン運営会社・社長)とかにも「粘れ!」って言われて。だから今日は頑張って粘って、最後まで走り切れて良かったです。
印象に残ったレースは?
須藤:お互いに高校受験にむけて大変だったとは思いまずが、また新たな来シーズン4月からの高校生活への良い一歩が今回の練習会でできたと思いますね。そんな中でNリーグは中学最後の年ということで各シリーズレースで頑張っていただきましたが、シーズン戦で一番印象に残ったレースを教えていただけますか?
水上:はい。やはり一番印象に残ったレースは下総の開幕戦(2022年4月29日・リーグ開幕シリーズ第1戦 成田下総 2021春)ですね。
雨だったし、他のレースと比べて距離が長かったし、頭を使って走らないと勝てないので、いかにして自分が楽をして相手の脚を削らせるか?というのを考えながらの位置取りが大変だったので、そこが一番印象に残るレースになりました。
須藤:そんな大変な雨の中のレースで素晴らしい走りから手に入れたNリーグのリーダーと「バトルマリンジャージ」を、1年間にわたり守り抜いたキッカケともなったレースですよね。さて、岡本選手が一番印象に残ったレースは?
岡本:そうですね。大磯の第1戦(2022年10月24日・大磯クリテリウム2021-2022シーズン第1戦)ですね。初めて1位が獲れたし、初めて大人の中でレースして1人で抜け出して、そのままゴールできたという新しい経験がたくさんできて良かったです。
須藤:それで手ごたえを感じることができたみたいですね。もともとヒルクライムが得意だから、大磯クリテリウムのような平坦なコースでも走れると感じたところもあるし、それでリーダージャージを最後までキープできるという感覚もあったのでしょうか?
岡本:それもありましたね。
高校生活、そして次のステップは?
須藤:なるほど。それで、お2人はこの後、高校に上がることになるので水上選手はNリーグを卒業となって、一方で岡本選手は高校生以上の女子ということでぜひともQリーグでの活躍にも注目いただきたいですね。そして2人とも無事に高校も無事に合格されたので、高校でも自転車は続けるということになると思いますが?
水上:はい。高校でも自転車は続けますが、自転車部がないので自転車部を作るか、このままブラウ所属で続けるか?を今、ちょっと悩んでいるところです。でも引き続き自転車レースには参加して勝ちにいきます!
須藤:おお! そんな水上選手の今後の活躍を皆さま、ぜひ応援していただければと思います。そして岡本選手ですが、高校には自転車部があるんですか?
岡本:高校には自転車部がないんですよ。それなので、これからもブラウ所属で頑張っていきたいと思います。
新たにNリーグにチャレンジする中学生に向けて
須藤:なるほど。では、これからもブラウ・ブリッツェンの岡本選手としてQリーグでの活躍を皆さまに応援していただければと思います。そして、今回も練習会の舞台となった宇都宮市というのは宇都宮ブリッツェンの活躍もあって、自転車の練習環境もとても良いと思いますが、そんな中、この後Nリーグに新たな中学生選手たちが入ってくることとなります。お2人は1年間ポイントリーダーを守ったうえでの経験をもとに、この後にNリーグに入る中学生選手たちにアドバイスをお願いします。まずは中学生男子にむけて水上選手からお願いします。
水上:そうですね、先ずはパワーで勝つだけでなく自分の頭も使って勝てるのが自転車レースなので、相手よりパワーがなくてもめげずに戦略で勝ちにいってほしいです。頑張ってください!
須藤:水上選手ありがとうございます。では、次にお姉さんリーグのQリーグに上がる岡本選手から中学生女子にむけて、特に新しく入る中学1年生にむけてのアドバイスをお願いします。
岡本:中学1年だと、2年や3年生は速いからやはり負け続けちゃうこともあると思うし、心が「嫌だなあ」ってなっちゃうと思いますが、とりあえず始めは自転車を楽しむことからやってほしいですね!
須藤:そうですよね。やはり自転車が楽しいから2人とも続けたいと思っているわけですからね。
水上:もちろんです!
須藤:その楽しみも味わいながら、Nリーグで仲間と一緒に皆さんも続けて走ってもらいたいと思っています。では最後にリーグご協賛各社や関係者の皆さまにむけて、お2人から感謝のメッセージをお願いいたします。
水上:Nリーグを支えてくださった皆さま、本当にありがとうございました。おかげさまで良いレースをすることができました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
岡本:今までNリーグを支えていただきありがとうございます。これからも頑張っていくのでぜひ、応援をよろしくお願いいたします!
須藤:どうもありがとうございました。今回は貴重なお時間をいただきありがとうございました。改めて水上選手、岡本選手、年間ポイントリーダー獲得おめでとうございました。
水上・岡本:ありがとうございました!!
リーグ2021-2022年間ランキングTOP3ほか
NリーグN年間総合最終ランキング・TOP3
ポイントリーダー:水上央渉(ブラウ・ブリッツェン)・198ポイント
総合2位:本井大裕(ブラウ・ブリッツェン)・137ポイント
総合3位:筒井 和(TEAM SPORTSKID GoMore)・107ポイント
NリーグNW年間総合最終ランキング・TOP3
ポイントリーダー:岡本彩那(ブラウ・ブリッツェン)・208ポイント
総合2位:篠塚萠依(Cycle DNA)・130ポイント
総合3位:大矢彩雲(ブラウ・ブリッツェン)・104ポイント
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※弊Qリーグ・Nリーグのシーズンは4月1日から翌年の3月31日までの1年間となります。
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league/
須藤むつみ(スドウムツミ)プロフィール
ミュージシャンを目指すなかで自転車と出会い、のちに実業団チーム所属選手となりレース活動を本格化。1997年1月、オランダで開催されたシクロクロス女子ワールドカップ「CYCLO-CROSS HEERLEN」に参戦、完走。1999年、第6回全日本シクロクロス選手権大会・優勝。2003年に現役を引退後、NPO法人および女子レースチームを設立。その後、2014年から自身のチーム所属として選手活動に復帰。
現在は女子エリート選手として、国内外のシクロクロスレース活動を行いながら、「MC牛」としてもレースMCや大会運営活動を通して、シクロクロスを中心とした自転車レース普及を実施。2020年からは女子とジュニアのための自転車リーグ「Qリーグ・Nリーグ」を発足した。
Qリーグ・Nリーグ公式サイト
http://www.jbrain.or.jp/q-n-league
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