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S・イェーツが9km個人TTを制す、マチューが僅差でマリアローザを守る|ジロ・デ・イタリア

ジロ・デ・イタリアは大会2日目。現地5月7日にハンガリー・ブダペスト市街地で行われた9.2kmの個人タイムトライアルは、サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)が11分50秒でトップタイム。中間計測・フィニッシュともライバルに差をつけて、ステージ優勝を挙げた。前日勝利のマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)が3秒差の2位で続き、マリアローザをキープすることに成功している。

TT能力向上を証明したイェーツ、総合勢ではポールポジションに立つ

上りスプリントで幕を開けたジロは、第2ステージに個人タイムトライアルが設定された。ブダペスト市街地を走る9.2kmは前半が平坦で、ドナウ川を越えてからの後半がテクニカル。コーナーが多いだけでなく、最後の1.3kmは石畳の上りで、最大勾配14%に達する。各選手の脚の差が明確になることで、多かれ少なかれタイム差は発生する。個人総合成績を意識して走る選手たちにとっては、取りこぼしは許されないステージとなる。

個人総合の下位選手から1分おきに出走。まずは5番出走のアレックス・ドーセット(イスラエル・プレミアテック、イギリス)が12分23秒をマーク。これがベースになった前半スタート組では、51番出走のヨス・ファンエムデン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)、56番出走のエドアルド・アッフィニ(ユンボ・ヴィスマ、イタリア)、さらに87番出走のレナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)が次々と好タイムをマーク。ケムナの12分7秒が後半スタート組のターゲットタイムになった。

©︎ LaPresse

その後しばらくはタイム更新がないまま続いたが、140番出走のマッテオ・ソブレロ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イタリア)が12分3秒で走って均衡を破ると、その4人後ろでスタートしたトビアス・フォス(ユンボ・ヴィスマ、ノルウェー)も4秒差で続き、水準が上がってゆく。

©︎ LaPresse

さらに、152番目に出走したトム・デュムラン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)が前半から飛ばして、フィニッシュでは11分55秒と大幅なタイム更新。12分の壁が破られると、デュムランの次にコースへ出たイェーツがすぐさまトップタイムを塗り替える。上りの直前に置かれた中間計測ポイントでトップに立つと、最後の上りもしっかりこなしてフィニッシュタイムは11分50秒。

©︎ LaPresse

以降はベン・トゥレット(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)がイェーツのタイムに迫ったものの、ホットシートの入れ替わりはないまま最後の走者へ。満を持して登場したのは、マリアローザのファンデルプール。

©︎ LaPresse

ジャージと同じバラ色にあしらわれたバイクで飛び出すと、前半から快調に飛ばしていく。中間計測は0.65秒差の3番時計を記録すると、最後の上りもうまくまとめてイェーツとの差を3秒にとどめる。デュムランのタイムを上回ってステージ2位とした。

©︎ LaPresse

これにより、イェーツのステージ優勝が決定。かねてから得意としている上りだけでなく、今季はタイムトライアルの走りも向上。総合力の高まりを見せる中で迎えた今大会で、きっちりと結果を残してみせた。個人総合でも2位に浮上し、先々を見据えても好位置につけた。グランツールでは2018年にブエルタ・ア・エスパーニャを制覇。ジロは昨年個人総合3位に入っているが、それを上回る好成績が今大会の目標だ。

このタイムトライアルで、マリアローザ候補たちのポジションも明確になった。イェーツのほか、デュムラン、フォス、ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)がステージトップ10入りして個人総合上位につけたほか、ジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(アスタナ・カザクスタン チーム、イタリア)も上が見える位置にとどまった。

一方で、ロメン・バルデ(チーム ディーエスエム、フランス)とリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)が総合タイム差35秒、ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)が同44秒、ジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)が同45秒、ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ・カザクスタン チーム、コロンビア)は同53秒となっており、追う立場として今後のステージを戦う。まだまだ先は長いが、どう戦術を組み立てていくだろうか。

©︎ LaPresse

マリアローザで駆けたマチューは、翌日の第3ステージもバラ色をまとって走る。次はスプリント勝負が見込まれるとあって、リーダージャージ自ら参戦するかも注目される。

その第3ステージは、ハンガリーでの最終日。カポシュバールからバラトンフィレドまでの201kmで、ほぼフラットなレイアウト。フィニッシュ前12.6km地点で4級山岳が設けられているが、レース展開には大きな変化は起きないとみられる。そして、このステージを終えると本来の舞台であるイタリアへの大移動となる。

ステージ優勝 サイモン・イェーツ コメント

©︎ LaPresse

「これまでタイムトライアルでは結果の波があったが、今日は間違いなく最高の走りになった。機材を効果的に活用するとともに、自らのTTポジションも研究してきた。マルコ・ピノッティ(スポーツディレクター)がいくつもアドバイスをくれたことが、いまに役立っている。

マチュー・ファンデルプールの走りには驚いていない。むしろ、私が彼に勝ったことの方が驚きだ。今日の走りでタイムを稼いだことは確かだが、いまはまだ意識しないようにしたい。ハンガリーの盛り上がりがすごく、走っていてとても感動している」

個人総合時間賞、ポイント賞、山岳賞 マチュー・ファンデルプール コメント

©︎ LaPresse

「今日はマリアローザをキープすることが最重要だった。ステージ優勝まであと一歩に迫ったことは、自分にとっては驚きだ。タイムトライアルの準備はあまり行っていないが、今日のコースは私に適していたと思う。

昨日も今日も、ハンガリーの盛り上がりには驚かされている。そんな中でマリアローザを着られることはとてもうれしい。明日はスプリンターのヤコブ・マレツコのために走るつもり。おそらくマリアローザはエトナ山(第4ステージ)まではキープできると思うが、さすがに守り切るのは難しいと思う」

ジロ・デ・イタリア2022 第2ステージ結果

ステージ結果

1 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イギリス) 11’50”
2 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)+0’03”
3 トム・デュムラン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)+0’05”
4 マッテオ・ソブレロ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イタリア)+0’13”
5 ベン・トゥレット(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)ST
6 トビアス・フォス(ユンボ・ヴィスマ、ノルウェー)+0’17”
7 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)ST
8 レナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)
9 マウロ・シュミット(クイックステップ・アルファヴィニル、スイス)+0’18”
10 テイメン・アレンスマン(チーム ディーエスエム、オランダ)ST

個人総合時間賞(マリアローザ)

1 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ) 4:47’11”
2 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イギリス)+0’11”
3 トム・デュムラン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)+0’16”
4 マッテオ・ソブレロ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イタリア)+0’24”
5 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)ST
6 ベン・トゥレット(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)
7 トビアス・フォス(ユンボ・ヴィスマ、ノルウェー)+0’28”
8 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード、オランダ)ST
9 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)+0’29”
10 マウロ・シュミット(クイックステップ・アルファヴィニル、スイス)ST

ポイント賞(マリアチクラミーノ)

マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)

山岳賞(マリアアッズーラ)

マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)

ヤングライダー賞(マリアビアンカ)

マッテオ・ソブレロ(チーム バイクエクスチェンジ・ジェイコ、イタリア)

チーム総合

ユンボ・ヴィスマ

▼【保存版】ジロ・デ・イタリア2022スタートリスト&コースプレビューはこちら

ジロ・デ・イタリア2022

 

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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