
肩甲骨を意識したフォームを習得! 呼吸がラクになる上半身の使い方|ヒルクライムは筋肉で攻略

Bicycle Club編集部
- 2022年05月21日
各地でヒルクライムレースが始まり、週末は山へ走りに出かけることも多くなる季節。ヒルクライムの苦手を克服し、速く走れるようになるためのノウハウのなかから「呼吸がラクになる上半身の使い方」を数々のヒルクライムレースで活躍する筧 五郎さんに教わった。
上半身の筋肉をペダルに動員! 肩甲骨の意識で呼吸もラクに!
ヒルクライムではあまり使われることがなさそうな上半身も、じつはスムーズな呼吸を行うためには重要な役割を果たしている。「ヒルクライムでは上半身をリラックスさせてしっかりと呼吸ができないと、苦しくなってしまう。そこで、肩甲骨を軽く寄せる意識を持つと胸が開いて呼吸がしやすくなる」そのためには、まずはブラケットの握り方がポイントだ。56さんは強く握らずに添えるように握る。これにより、上体を脱力させることができ、肩甲骨をスムーズに動かせる。「肩甲骨を動かして胸を開くことで胸郭の動きを阻害せずに、大きな呼吸ができます。そのため、ふだんから肩甲骨の柔軟性を高めるためのエクササイズに取り組んでいます」
リラックスしてブラケットを握ることが第一
ヒルクライムシーンで上体の脱力を心がけてリラックスするためには、ブラケットに手を添える意識が大切だ。ブラケットを上から軽く握るイメージを持とう。すると胸が自然に開いて呼吸をつかさどる胸郭をしっかりと動かせるようになる。
GOOD:ハンドルに手を当てるのがポイント
ヒルクライムシーンでは、ブラケットを握った上で、手首寄りの手の平をハンドルバーに当てることで腕をリラックスさせながら上半身の安定を作ることができる。
NG:上半身がリジッドになり呼吸がツライ!
つい力を込めてブラケットを強く握り締めてしまうと、腕にムダな力みが生じてスムーズなバイクコントロールもできなくなってしまうので注意したい。

肩甲骨が動けば呼吸もラクにできる!
ムダな力が入っていると、筋肉や関節のスムーズな動きを妨げてしまう。限られた筋肉を最大限に活用するためには脱力することが大切だ。脱力ができれば、肩甲骨の動きを意識しやすくなり、肩甲骨を寄せることで、胸郭が開いてしっかりと酸素を取り込めるようなる。上半身は力みが生じやすいからこそ、56さんは脱力を心がける。

ブラケットは強く握らない!
ブラケットに手を添えるとき、手の平でハンドルを軽く押さえるイメージを持つと、強く握らなくても上半身を安定させることができる。
肩甲骨まわりの柔軟性を高めエクササイズも効果的
適当な長さの棒を使って時間さえあれば肩甲骨まわりのストレッチに取り組む56さん。体の後ろに棒をまわしてじっくりと上下させよう。肩甲骨を引き寄せる意識で胸を開きながら実施したい。ライド前のウォーミングアップとして取り組むと、バイクの上でも肩甲骨をより意識しやすくなる。
肩甲骨を引き寄せるように
肩をリラックスさせつつ、左右の肩甲骨を中心に寄せるイメージで取り組みたい。勢いをつけず、上下それぞれ肩甲骨を寄せた状態でしばらく止めて深呼吸しよう。
教えてくれた人
56 CYCLE
筧 五郎
乗鞍ヒルクライムやMt.富士ヒルクライムなど国内主要ヒルクライムレースのタイトルを持ち、シクロクロスは全日本選手権マスターズクラス5連覇。NHK-BS1「チャリダー★」に出演するなど、持ち前の明るいキャラクターが魅力。ショップ「56 CYCLE」の経営やパーソナルレッスンも行う。
※この記事はBiCYCLE CLUB[2021年6月号 No.434]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- TEXT&PHOTO:ハシケン ILLUST:西村アメリカ君
SHARE
PROFILE

Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。