
家庭にあるアレで荷重のバランスを可視化! 速攻パワーアップ術|ヒルクライムは筋肉で攻略

Bicycle Club編集部
- 2022年05月23日
各地でヒルクライムレースが始まり、週末は山へ走りに出かけることも多くなる季節。ヒルクライムの苦手を克服し、速く走れるようになるためのノウハウのなかから「左右バランスの整え方」を数々のヒルクライムレースで活躍する筧 五郎さんに教わった。
左右バランスが整えばパワーを持続できる!
「苦しくなると頭が左に傾いてくるクセがあった。原因は、体幹の左側(腹斜筋)の筋力が弱いことが原因で、疲れてくると体幹で支えられなくなって右に沈むから、無理に左側へ戻そうとして、それで頭が左に向いていたんだ。そして、バランスをとるために無意識に右脚に力を込めるようになっていたんだ」と自身のクセを分析。ローラーに固定して鏡で確認したり、仲間に走りながら真後ろから左右差をチェックしてもらう方法がオススメだ。矯正のためには左右バランスを意識しながらトレーニングを行いたい。ポイントは、バランスがとれたフォームに違和感を感じるということだ。その状態でトレーニングを続けることで徐々に弱い部分が強化されていく。
荷重のバランスが違うとどうなる?
ペダリングの基本は左右均等に力を加えることだ。ただし、日常生活や長年の走り方のクセによって、体幹をはじめ筋力に左右差が生まれていることが多い。左右差を整えていくことで局所的な筋肉の疲労を抑えられてパフォーマンスの向上が期待できる。
左右均等に荷重をかけられている

右脚で強く踏むクセがある

荷重バランスを可視化してみよう
ホームセンターなどで1台1000〜2000円ほどで購入できるアナログ式体重計を2台用意しよう。2台並べて荷重バランスを感じてみると、わずかなバランスの変化で大きく数値が変動することを体感できるはず。

ちょっとしたズレで左右差が生まれる
まずは意識せずに体重計に乗ってみよう。体に左右のクセがあると左右で数値が大きく変化する。56さんの場合、左の体幹の筋力が弱いために、そのアンバランスを補うために右脚で強く踏み込んでバランスを取ろうとするクセがあるため、右脚の荷重が大きくなりやすい。
クリートの擦れ具合でもクセを見抜ける!
ペダリングの左右差はクリートの当たり面の擦れ具合をチェックすると見抜ける。56さんの場合、右脚の外側方向へペダルを踏み込むクセがあるため、右クリートの内側がペダルに擦れて白くなっている。逆に、左脚の外側に踏み込むクセが強いと、左クリートの内側が擦れやすい。
フォームを崩さずに維持する努力こそ大切!
筋力の弱い部分があると、長時間走っているなかで筋力を維持できなくなり、フォームが崩れてしまいやすい。そこで、弱い部分を見つけたら、ストレスに感じてもできるだけ正しいフォームをキープするように心がけよう。

体幹強化で左右バランスを整える
「僕を含めて体幹部の筋力が弱い人は多い。体幹強化のためのドリルを毎日欠かさず100回行っているよ」と56さん。地味な努力を継続することが、加齢に負けずに長年パフォーマンスをキープする要因だ。

教えてくれた人
56 CYCLE
筧 五郎
乗鞍ヒルクライムやMt.富士ヒルクライムなど国内主要ヒルクライムレースのタイトルを持ち、シクロクロスは全日本選手権マスターズクラス5連覇。NHK-BS1「チャリダー★」に出演するなど、持ち前の明るいキャラクターが魅力。ショップ「56 CYCLE」の経営やパーソナルレッスンも行う。
※この記事はBiCYCLE CLUB[2021年6月号 No.434]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
- BRAND :
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- CREDIT :
- TEXT&PHOTO:ハシケン ILLUST:西村アメリカ君
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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