【速報】新U23TTチャンピオン、留目夕陽が移籍後初勝利|全日本選手権ロード
Bicycle Club編集部
- 2022年06月24日
6月23日から26日にかけてロードレースの全日本選手権が開催されている。
6月6日付で発表されたエントリーリストには留目夕陽がEFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチームから出走と記載され、SNSを中心に話題となったが、6月24日に開催された個人TTで正式にお披露目となった。
そんな留目が、個人TTで移籍後初となる優勝。見事、U23TTチャンピオンに輝いた。
レースを終えた留目は、「前半から突っ込んだのは狙いどおり。ただ、明日のロードがあるので下りは安全に。明日のロードの方がより狙っているので、明日も頑張ります」とコメント。明日行われるロードにも期待がかかる。
全日本チャンピオンとして世界へ、チームへの加入経緯や今後の目標とは?
EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチームへ加入した留目。全日本選手権開催の約2週間前である6月12日に開催された全日本学生選手権個人ロードレース大会で、チームへの加入経緯や今後の目標を聞いた。
ラヴニールで世界との差を実感
2020年シーズンのインカレ代替大会で当時高校生ながら優勝を飾った留目夕陽。
2021年シーズン前半もその勢いは続き、3月に行われた西日本チャレンジロードではフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)ら国内トップカテゴリーで活躍する選手らを相手に大金星を挙げると、5月に開催されたTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)では個人総合10位で新人賞とUCIポイントを獲得するなど、国内ロードレースにおける主役の1人となった。
そんな留目がU23の日本ナショナルチームに選抜され、U23版ツール・ド・フランスとも呼ばれる「ツール・ド・ラヴニール」に出場することとなったのは当然と言える出来事だったと筆者は記憶している。
国内で上記のような活躍を見せていた留目が、同年代の海外選手を相手にどこまで走れるのか多くの関係者が注目していたことだろう。
しかし、待っていたのは「世界との壁」という厳しい現実だった。
プロローグでは28秒差の66位につけたが、第1ステージでは4分48秒差の148位、第3ステージでも13分39秒差の147位、そして第4ステージでの落車によりDNFという結果に。
留目は「ネーションズカップといった海外のレースを走らずにいきなりラヴニールを走ることになったため、全く対応することができず、世界との差をとても感じてしまいました」と当時を振り返る。
このダメージはかなり大きく、その後1カ月ほどは自転車に乗らない日々が続いたと言う。
それでも昨年10月に開催された全日本選手権ロードのために練習に復帰すると、個人TTでは松田祥位(当時エカーズ、現チームブリヂストンサイクリング)に次ぐ2位に入る活躍を見せ、国内ではトップクラスの力があることを改めて証明して見せた。
大門監督からのオファーをきっかけに再び世界への道を歩み出す
オフシーズンに入ると、留目のもとに現EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチームで監督を務める大門監督からチーム加入オファーが舞い込む。
留目は「橋川さんが大門監督に話をしてくださり、大門監督から再び世界を目指さないかと話をいただきました」とチーム加入への経緯を話す。
チーム登録が完了していた時期ということもあり、2022年シーズン当初からの加入とはならなかったが、春先にはNIPPOのサポートを受けてチームユーラシア・IRCの選手としてベルギー遠征を経験。
「オフシーズンの間にモチベーションも戻り、ベルギーのレースでも楽しむことができました」とUCIレースではないもののヨーロッパでのレースを経験し、ヨーロッパで戦う準備をしっかりと行うことができたそうだ。
さらに、6月5日に開催された全日本学生選手権個人ロードタイムトライアル大会では、31.2kmのコースを平均速度50km/hに迫るタイム、昨年自身が記録したコース記録を40秒以上更新するタイムで大会連覇を達成し、昨年よりも力をつけていることを証明。
全日本選手権終わりの7月以降、ヨーロッパでの戦いにシフトすると留目は教えてくれた。
U23の間に結果を出して、上のチームへとステップアップしたい
EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチームに加入する上での今後の目標について聞くと、「U23の間に結果を出して、トップチームであるEFエデュケーション・イージーポストといったワールドツアーのチームや、(その一個下のカテゴリーである)プロチームに加入することが目標です。逆にU23の間に結果が出せなければ辞めると大門監督とも話しています」と、退路を断つ覚悟でヨーロッパでの戦いに挑むと留目は語ってくれた。
また、同チームには留目と同い年である津田悠義がいる。
津田が国内で圧倒的な実績を残し、フランスへと戦いの舞台を移したのと入れ替わる形で留目の快進撃は始まった。
そんな津田との関係を留目に聞くと、「ライバルかと問われればそうなりますが、蹴落とし合うというよりは切磋琢磨してお互いに成長できればなと、そんな関係です」と、良好な関係であることを教えてくれた。
チームには津田をはじめ、石上優大や岡 篤志、門田祐輔や織田 聖と日本人選手が多く在籍している。
コミュニケーションも取りやすい環境で切磋琢磨しながらより上の世界へステップアップできることを期待したい。
▼現在開催中の全日本選手権ロードの詳細はこちらから
- BRAND :
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- CREDIT :
- TEXT&PHOTO:三井 至
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