シマノ・105に12速対応の新モデル、ワイヤレスDi2仕様R7100シリーズ登場|SHIMANO
Bicycle Club編集部
- 2022年06月30日
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シマノからロードバイクコンポーネント105の新シリーズR7100シリーズが登場する。上位モデルのデュラエース、アルテグラ同様にワイヤレスDi2仕様を採用、リア12スピード化されたことがトピックだ。また、105グレードのカーボンチューブレスホイールも新たにラインアップ。概要とともにラインアップを紹介しよう。
ついに105もDi2化&リア12スピード化
シマノ105は1982年の発売から40年を迎えた。最新バージョンとなるシマノ・R7100シリーズ105のトピックは、「ワイヤレスDi2の採用」「リア12スピード化」。上位モデルのデュラエース、アルテグラと同様の進化を遂げた。
ワイヤレスDi2はバッテリーと前後ディレイラーを有線接続し、デュアルコントロールレバーとの間をワイヤレス化。コックピットまわりにはケーブルがなく、クリーンな外観を実現し、空力性能向上に寄与する。デュアルコントロールレバーは、サテライトスイッチ非対応とし、ブラケット先端のフードボタンを省略するなどして機能をシンプルにした。
これまでのDi2コンポーネントと同様、スマートフォンやタブレットなどで利用できる「シマノEチューブプロジェクト」を介して、変速スピードやシンクロシフトなどの設定変更も可能。ガーミンやワフーなど、多くの他社製サイクリングコンピューターとシステムをペアリングし、ギヤ選択やバッテリーの状態を表示することもできる。
コンポーネント一式の価格も機械式変速のアルテグラに数万円高いだけの20万円程度と抑えられ、最も手の届きやすいワイヤレスDi2コンポーネントとなる。軽い操作で確実に変速し、シンクロシフトでフロント変速の煩わしさからライダーを解放するDi2の高性能と魅力をより身近なものにしてくれる。
105 R7100シリーズのおもな特徴はココ!
ワイヤレスDi2採用
完全新設計のDi2システムにより、確実で高速な変速を実現。ワイヤレスコクピットデザインですっきりしたコックピットを実現し、クリーンな外観と空力性能向上を実現。
最適化されたリア12スピードドライブトレイン
ロングライドやファンライドを楽しむサイクリストから、レースに挑戦するホビーライダーまで、さまざまなサイクリストのニーズを満たすべくギヤ構成を最適化。
コントロール性に優れたハイドローリックディスクブレーキ
より繊細なスピードコントロールが可能になった進化したハイドローリックディスクブレーキ。静粛性とメンテナンス性も向上。
上位モデルを引き継いだドライブトレイン
シマノ105 R7100シリーズは、12スピード化を果たし、ホビーサイクリストが求めるハイギヤとローギヤ、その間の最適なギヤ段数を実現。カセットスプロケットは11-34Tと11-36Tを用意し、クランクセットは50-34Tと52-36Tを用意。1:1以下の低速ギヤの組み合わせが可能で、急な坂道にも対応。ギヤ間の端数変化か少なく、常に快適なケイデンスが得られるので、ライダーはより効率の良いライディングが可能だ。。12速のシステムは一部従来の製品との互換性があり、既存の11速フリーハブホイールを使用することができる。
デュアルコントロールレバー ST-R7170
6万500円
プロライダーからのフィードバックにより、エルゴノミクスを向上させるなどさまざまな改良が施されている。高めのブラケットフードと新しいレバー形状は、あらゆるライディングポジションでの快適性とコントロール性を向上。また、軽量でスムーズなレバー操作とブレーキコントロール領域の拡大によりブレーキングが最適化されている。
・ワイヤレスDi2
・2×12スピード
・エルゴノミクスとエアロダイナミクスを向上させた新形状のブラケットフード
・ボタンの操作性など操作性の向上
・重量:423g
CR1632バッテリーを2枚使用し約4年間バッテリー交換不要
ワイヤレスシステムには、高い安全性と高速処理、低消費電力を特徴とするシマノ独自のワイヤレス集積回路を採用。他のワイヤレスシステムと比較して、干渉確率の大幅な低減、変速スピードの向上、バッテリー寿命の延長を実現している。バッテリーはCR1632バッテリーを2個使用し、最大約4年間バッテリー交換不要となっている。
クランクセットFC-R7100
21,010円
・HOLLOWTECH II
・2×12スピード
・チェーンリング歯数構成 50-34T、52-36T
・重量:754g
カセットスプロケットCS-R7100
7700円
・12スピード
・11スピードフリーボディ対応
・歯数11-34T
・重量:361g
歯数11-36T
・12スピード
・11スピードフリーボディ対応
・歯数11-36T
リアディレイラーRD-R7150
3万3000円
・シマノシャドウRD
・12スピード
・Di2
・対応カセットスプロケット11-34T、11-36T
・重量:302g
フロントディレイラーFD-R7150
1万7820円
・12スピード
・Di2
・重量:142g
ディスクブレーキ
最新のDURA-ACEやULTEGRAグループセットと同様に、新しいシマノ105は、より静かでメンテナンスが容易、そしてよりコントロールしやすくパワフルなブレーキシステムを搭載。より広いコントロールゾーンと10%広いパッドとローターのクリアランスを持ち、ノイズのない操作を保証。また、キャリパーをフレームから取り外すことなくブリーディングができるようになり、メカニックにとって使い勝手が向上している。
ディスクブレーキキャリパーBR-R7170
1万6830円
・パッドクリアランスを10%拡大
・ブリーディング作業が容易に
・重量:282g
ホイール
クライミング用のC32と、オールラウンドに使えるC46、手頃な価格帯を実現したこれまでで最もコストパフォーマンスの高いカーボンロードホイールを発表。どちらもデュラエースやアルテグラのC36、C50のDNAを受け継ぎ、エアロダイナミクス、軽量性、剛性をバランスよく兼ね備えたホイールとなっている。
WH-RS710
価格:F 60,720円、R 63,250円(税込)
サイズ(重量):C32(F 665g、R 839g)、C46(F 719g、R 893g)
推奨タイヤ:25-622~32-622 ※チューブレス対応
リム:内幅 21mm、外幅28mm
WH-RS710-C32
WH-RS710-C46
NEW105試乗レビュー
見た目も性能も上位モデルと価格差ほどの差はない
NEW105 R7170シリーズをフルコンポーネントで組んだバイクを初めて遠目に見たとき、デュラエースR9200シリーズやアルテグラR8000シリーズと大差ないように思えた。コンポーネントの顔とも言えるクランクやリアディレイラーには、105のロゴがステルスっぽく控えめに入っていて、主張が少ないのもあるかもしれない。
個人的にいま、R9200シリーズのデュラエースのディスクブレーキ仕様を使っているが、実際に手に触れる部分では、デュアルコントロールレバーのシフトスイッチが価格なりの質感に変更され、コストダウンのための涙ぐましい努力の一端を感じられた。
そのことで、素手で触れたときに価格なりの触感を感じてしまうが、これはコンポーネントの性能でいえば枝葉の末端の官能性能であり、走りに関わる最も重要な「軽いボタン操作で確実に変速する変速性能」「まるでリムブレーキのように細やかに効き具合を調整できるディスクブレーキの操作性」という根幹の部分の性能では、正直に言って上位モデルとの価格差ほどの差はないと感じた。
実際には変速スピードは上位モデルよりわずかに遅いなどの差があるようだが、タイムを1分1秒を削るとか、変速のタイミングで勝敗を決するようなレースでの極限状態でなければ、気にならない人も多いのではないか。
ブレーキ操作や変速操作が軽く行える油圧式ディスクブレーキ×Di2コンポーネントは、あらゆるサイクリスト、特に握力の弱い人や女性にベストなコンポーネントとも言える。
ただ、これまではDi2を選ぶには少なくともアルテグラ以上のコンポーネントを選ぶ必要があったため、ロングライド志向のサイクリストにはややオーバースペックで価格も高価なコンポーネントを使わざるを得ないというギャップもあった。しかし、105 R7100シリーズの登場で、最新のワイヤレスDi2コンポーネントは、ホビーライダーがターゲットのど真ん中の105グレードのコンポーネントでもっと手の届きやすい価格で手に入ることになった。この意義は非常に大きい。
NEW105(R7100シリーズ)Di2の価格と重量
R7170 | 価格(円) | 重量(g) |
RD | 33,000 | 302 |
FD | 17,820 | 142 |
ST | 60,500 | 423 |
BR | 16,830 | 282 |
RT | 8,170 | 242 |
FC | 21,010 | 754 |
BB | 2,772 | 77 |
CS | 7,700 | 361 |
CN | 4,005 | 252 |
BT | 22,220 | 53 |
BT CG | 5,763 | ― |
BT CBL | 6,469 | ― |
合計 | 206,259 | 2888 |
▼R8100アルテグラの製品情報はこちら
問:シマノ自転車お客様相談窓口
TEL.0570-031961
https://bike.shimano.com
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- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- TEXT:浅野真則 PHOTO:猪俣健一
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