ユンボ・ヴィスマとの開発から生まれたLazer・ヴェント、勝利のためのヘルメット
福光俊介
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ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)の個人総合優勝、ワウト・ファンアールト(ベルギー)の驚異的な走りなど、ツール・ド・フランスでは圧倒的なチーム力を発揮したユンボ・ヴィスマ。彼らが着用するLazerのヘルメットは、季節を問わず激しいレースを戦い抜くうえで欠かせない要素がつまった高性能なものだ。なかでも、平坦ステージで主に着用する「ヴェント キネティコア」は、「より速く、より軽く」を実現するエアロモデルとしてツールでも選手たちの走りを後押ししている。
Lazer・ヴェント キネティコア
製品名にあるキネティコア(KinetiCore)とは、Lazerにおける独自安全技術の名称。具体的には、EPSフォームにおけるインナーシェルの一部をクランプルゾーンといわれる凹凸ブロック形状とする技術で、衝撃時にクランプルゾーンが潰れることで衝撃を吸収し、サイクリストの脳に届くエネルギーを防ぐシステムだ。
全方位からの衝撃に対応し、直接衝撃・回転衝撃の両方からサイクリストの頭部を保護。そうした安全設計に加えて、頭部の冷却効率や快適性にこだわったこれまでにないベンチレーションシステムを開発。着用するサイクリストのパフォーマンスの向上にもアプローチする。
そのなかでも、ユンボ・ヴィスマとの共同開発のもと生まれたモデル「ベント」は、軽量であることや快適性を重視しながらも空力設計を施したことで、同社史上最も速く走れるヘルメットになったという。
とりわけ、スプリント時に選手たちの持っているポテンシャルをフルに発揮できるよう、ヘルメットが下方向へ15度を向いた角度の際にトップスピードが得られるよう設計されている。
加えて、背面から熱気を逃がせるようLazerのニューシステム「ベンチュリ エフェクト ベンチレーション システム」と独自のキネティコア保護テクノロジーを採用。同社における従来のモデルと比較して、その空力性能は2.3%、通気性能は5.4%アップしているとされる。
13カ所に増やした通気口は空気の流れを向上させるとともに、走行時に前から来る冷気の取り込みもしやすい形状。高負荷時でも頭をクールに保つことができる点は、タフなレース展開やライバルとの駆け引きにおいても冷静な状況判断を可能とする。
また、ヘルメット着用において重要なポイントであるフィット感は、スクロールシスベルトの採用で大幅改善。2つのローラーによって回るゴム製トラックを回すことでグローブを着用しながらでも簡単に操作が可能。この部分のサイズは15mm×50mmとなっている。また、このトラックの下にある穴には、Lazer製のリアライト(ユニバーサルレザーLED)を取り付けることも可能。
もちろんデザイン性もアップ。アイウエアを着用しないときには、前面から側面に広がる通気口にあるドッキングシリコーンがしっかりとホールド。大事なアイウエアを落下させることなく、激しい動きにも対応する。
重量はMサイズで290g。これは従来モデルより24%の軽量化。プラスチック使用も90g削減したエコなモデルでもある。
ユンボ・ヴィスマはツール・ド・フランスをはじめ、今季の主要レースで同モデルを着用し戦っている。ファンアールトが驚異的スピードで最後の10kmを独走し優勝したツール第4ステージでは、ヴェント キネティコアの空力性能も彼の劇的勝利に一役買ったといえるだろう。
10年に及ぶ開発によって生まれた革新的なテクノロジーの結果、軽量・通気性・安全性を兼ね備えたヘルメットが誕生。ツールでのユンボ・ヴィスマの活躍こそが、何よりの証明である。
ヴェント キネティコア(Vento KinetiCore)
カラー:3色(マットブラック、ホワイト、レッド)
サイズ:S、M、L
重量:290g(Mサイズ)
山岳ステージでは「ジェネシス」を着用
ユンボ・ヴィスマはこのツール、山岳ステージでは同社別モデルの「ジェネシス」を着用している。
Lazer最軽量モデル(Sサイズ:195g)で、Advanced Rollsys Systemとアジャスタブルヘッドバスケットによるフィット感の向上や、ひと目見ただけでも分かるほどの通気性の高さで頭部を冷却。レース用パッドやコンフォートパッドも付属し、用途に応じて内部を調整できるあたりも魅力。
暑い日のクライミングやロングライドに使いたいモデルと言えそうだ。
ジェネシス(Genesis)
価格:28,600円
カラー:7色(ブラック、マットホワイトブラック、マットチタニウム、レッドブラック、マットブルーグレー、マットストライプス、フラッシュイエロー)
サイズ:S、M、L
重量:195g(Sサイズ)
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PROFILE
サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。