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足指トレーニングで脚の動きが変わる!? 足指感覚を磨いて骨で踏め!

多くのサイクリストが抱えるヒザの痛みも、ペダリングパワーの効率的な伝達も、すべてはライダーとバイクの接点である足のフィッティングがカギを握る。
今回の記事では、「魔女トレ」と称したメソッドでアスリートやスポーツ愛好者に姿勢や動作改善を指導している西園美彌先生に、サイクリストにも役立つ足指トレーニングのメリットを教えてもらった。

サイクリストにも有効な足指トレーニングとは?

西園美彌先生はクラシックバレエの経験をもち、舞踊家、ダンサーとして活動しているほか、後進の指導やレッスンも行なっている。そのなかでとくに注力しているのが、足指の柔軟性を高めるレッスンだ。足指を柔らかくすることが、自身の演技パフォーマンスを向上させたように、サイクリストにも有効だという。
さっそく、西園先生にその始まりと有効性について聞いてみよう。

「7歳から始めたバレエの世界では足指を使いこなして、つま先を伸ばす美しいラインをつくる形そのものが表現のひとつです。基礎ではつま先で床をとらえることや足裏の訓練に費やします。プロになって、振付家に体幹の使い方を指導されたのですが、同じ動きができなかった。そこで振付家の動きを徹底的に観察すると、足指で床をしっかりとらえていることに気づいたんです。つまり、足指の自在な動きが体幹の安定につながり、体全体の高いパフォーマンスをもたらすのです。

また、アスリートに動作改善の一環で体幹深部の感覚を教えていたとき、感覚がない人のほとんどは足指が緊張しており、それが全身に影響していることがわかりました。トップアスリートに聞くと、足指のトレーニングなんて聞いたこともやったこともないという反応が返ってきました。ダンスでは足指の柔軟性があたりまえなのに、もっと高い強度のスポーツでなぜ足指が大事にされていないのかというのが、このレッスンを広めようと思ったきっかけです。

さらに、大学時代の同期が監督を務めていた、ある大学の水泳部の指導を手伝うことになりました。体と向き合う経験をしてこなかった選手たちに、体の扱い方から指導を始め、そのなかでも足指を実践しました。監督は任期最後の年ということもあり、選手に自己ベストを実現させるという目標をもっていました。結果、約半数の自己ベストにつながりました」

足裏感覚は足首から下肢、股関節、体幹へと連動する

足指と体の連動がなぜ起こるかを見ていこう

「動きの始まりと体幹の安定性を決めるのは体幹深部にある筋肉です。体幹深部の筋肉とはおもに腸腰筋で、その腸腰筋とハムストリングは協調関係にあります。ハムストリングによる股関節の伸展、また腸腰筋による股関節の屈曲がそれぞれ拮抗することにより、体幹部を動かすきっかけと安定構造を作ります。効率的な動作を目指すには、脚の裏側、ひざの裏、ふくらはぎ、足の裏という裏側の筋肉が優位に働くほうがよく、その連結と連動が必要です。ところが足の裏を使えていないことによって表側の筋肉(大腿四頭筋、前脛骨筋、足の甲)が優位に働き、足首を固める、股関節を固めるという悪い連鎖になってしまい、結果的に体幹が使えないのです。体幹を使うために足の裏側やハムストリングが使える体にしたいということです。そのためにまず足指を柔らかくし、足裏の機能を高めたいのです」

足指が変わるとペダリングも変わる

 

撮影に協力いただいたMTBライダーの池田祐樹さん
  • 足指が動くと体幹も連動
  • 足裏感覚を磨き骨で踏む

故障がきっかけで魔女トレに足指が身体機能を呼び覚ます

「一昨年から興味のあったトレイルランニングを本格的に始めた。自転車ではほとんど故障がなかったがランでは故障の連続で足底筋膜炎になった。その故障が人間本来の機能を見つめ直すきっかけになったのだという。足の機能を見直すなかで、本企画の監修者である樋口光志さんに西園先生を紹介してもらった。
昨年の11月から3カ月ほど足指のストレッチを毎朝10分、入浴後に5分続けている。続けるうちに指と足裏全体の感覚が呼び覚まされ、鍛えるというよりは失っていた部分を取り戻す感じがある。体がニュートラルになった印象が強い。実際、足裏を圧力センサーで測ると荷重分散に明らかな変化があり、足裏だけでなく、体全体の感覚もより鋭敏になってきたように思う。
故障やレース中止で体へのアプローチにさまざまな気づきがあったことは収穫。それを落とし込んでレースに臨みたい。北米のレッドヴィルでMTBとトレラン総合優勝を目指している」

教えてくれた人

魔女トレ
西園美彌(にしぞのみや)さん

福岡県出身。筑波大学大学院体育研究科修了。同スポーツバイオメカニクス研究室でダンスにおける動作分析を研究。現在はフリーの舞踊家、ダンサーとして活躍。魔法のように体が変わるという意味の「魔女トレ」を広める活動を全国展開中。

※この記事はBiCYCLE CLUB[2021年5月号 No.433]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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