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新UCI規定での最新エアロフォームを探る|風洞実験でエアロ研究

自転車競技は、空気抵抗との戦いでもある。近年はプロ選手はもちろん、アマチュアレーサーのあいだでもエアロの重要性が叫ばれている。バイシクルクラブでは、日本風洞製作所の協力を得て、多くのサイクリストが気にしているバイクやライダーが受ける空気抵抗を数値によって可視化。新UCIレギュレーション下での理想のエアロフォームを突き詰めた。
今回の記事では、風速48㎞/h(13.3m/分)の条件下で最新のエアロフォームを研究。新しく設定されたUCI規定の範囲内で、どれだけ空気抵抗を減らすことができるのか?

※この企画は、日本風洞製作所による独自の意見・見解を記事にしたものです

新UCI規定での最新エアロフォームを探る

エアロフォームの検証に協力してもらったのは、中里 仁さん。フランスを拠点にレース活動したのち、現在はラファサイクリングクラブに所属し全日本トラックやJBCFに参戦。ポイントレースやロードTTレースを得意とする。エアロフォームやエアロ機材の探求を、前橋グリーンドームで日常的に行っているほか、今年9月には千葉のTIPSTAR DOME CHIBAでアワーレコードに挑戦。フルタイムワーカーながら、1時間で47.750kmという圧巻の走りを見せた。

▼中里さんのアワーレコード挑戦はこちらの記事をチェック。

フルタイムワーカーの中里 仁さんがアワーレコードに挑戦、1時間で47.750kmを走破! 

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2022年09月02日

抵抗が少ないハンドルポジションはステム近くを持ち、ヒジを下げる

ブラケット
内がけ
トップ

最新のUCIレギュレーション内で、もっとも抵抗値が低いフォームは、上ハンドルのステム近くを握り、ヒジを内側へ入れて前傾をとったスタイルだ(211W)。いっぽう、ブラケットのトップを握り、ヒジを曲げた前傾フォームは252.6Wと、前述のスタイルと比べて41.6W増えるが、コントロール性や出力の出しやすさを総合的に考慮すると、シチュエーションを問わずに使えるフォームはブラケットエアロフォームになる。なお、内がけポジションは271.7Wと最も抵抗値が大きくなった。

じつは「内がけ」はメリットがない

肩幅を狭めて前面投影面積を小さくする効果が期待された内がけフォームだったが、ブラケットポジションよりも抵抗は大きくなった。コントロール性も落ちるためメリットは極めて少ない。

抵抗が最も少ない上ハンセンターエアロ。総合バランスはブラケットエアロ!

エアロフォームは、パワーを発揮し続けられるフォームでなければ使用は限定的になる。ヒジを内側へ入れて前傾をとったスタイルは、トップチューブ座りのフォームが禁止された今、その代わりになる下りで有効なフォームと言える。ただし、シーンを問わずパワーを出しやすく安定するポジションはブラケットエアロになる。

中途半端に頭を下げるなら首背面のすき間を減らすべし!

頭の位置:高
頭の位置:中
頭の位置:低

頭の位置を変化させてそれぞれの抵抗値を測定。まず、視線を下げて頭の位置を限界まで下げたポジションが最も低く193.5Wだった。続いて、現実的に前方視野を確保した状態のポジションで測定すると206.6W。頭の位置がわずかに上がり13Wほど抵抗値が増加。最後に、頭の後ろのすき間をなくすことを意識すると、2.1W下がる結果に。206.6Wのポジションよりさらに頭の位置は高くなるが、首の後ろのすき間をなくすことで、整流効果が高まり、抵抗が2W減った。

頭を下げる意識だけでなく頭部から背中に向けたエアロフローを意識

本検証からは、DHバーを握ったTTポジションにおけるエアロフォームでは、中途半端に頭を下げて前面投影面積を小さくしようとするだけでは、逆に後頭部に隙間を生みやすくし抵抗を増やすことになりやすいことが証明された。首の後ろのすき間をなくすことを意識することがポイントになる。

タフトを用いて空気の流れをシンプルに可視化。ヘルメットと背中の間にすき間がないほどタフトは真っ直ぐに伸び、空気の流れがスムーズであることがわかる

協力してくれた人

日本風洞製作所 代表取締役
ローン・ジョシュアさん(右)

小型風洞試験装置「Aero Optim」を開発・製造する日本風洞製作所の代表。九州大学の応用力学研究所に在学中、ベンチャー企業として2016年に同社を設立。風洞本体だけでなく、測定台やスモークマシンなど関連機器の開発にも取り組む。自身がロードバイク乗りとして空力を意識しだしたことが、現在の研究開発のきっかけになった。
問:日本風洞製作所 https://japanfudo.com

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2022年10月19日

稲城フィッツクラスアクト
香西真介さん(左)

長年にわたりJBCFやアマチュアレースで活躍を続けるベテランレーサー。機械工学の専門でソフトエンジニアとして活躍。自転車競技における空力性能への造詣も深い。本企画へはアドバイザーとして事前の準備から、測定当日の現場での立ち会いまでサポート。

※この記事はBiCYCLE CLUB[2022年5月号 No.443]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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