脱初心者! ロードバイク初心者が練習しておくべきスキル5選!
FUNQスタッフ
- 2022年11月14日
ロードバイクは走ることを目的としたスポーツ用自転車です。スピードが出しやすい反面、軽い車重や細いタイヤの影響でふらつきやすく、しっかりコントロールできるようになるためには練習が必要になります。
とはいえ、長い時間をかけて行う大袈裟なものではなく、やってみれば簡単にコツが掴めるような練習がほとんどです。今回はとくに重要な、初心者が練習しておくべきスキル5選をご紹介します。しっかりと基礎を身につけて安全にライドを楽しみましょう。
ママチャリとロードバイクの違いを知ろう
ロードバイクとママチャリ、同じ自転車ですが何が違うのでしょうか。
ママチャリは移動手段ですが、ロードバイクは走ること自体を目的とした自転車です。ママチャリにはカゴやキャリア、スタンドが装備されていて、生活圏内の距離をゆっくりと走れるようにつくられていますが、ロードバイクには荷物を積載するための装置は基本なく、スタンドもありません。
まとめとして、主に以下のような違いがあります。
■重量
ほとんどのロードバイクはママチャリの重量の半分以下で、坂道での登坂やハイスピードでの巡航も楽におこなえます。
■タイヤの太さ
ママチャリのタイヤは太く、スピードより安定感や乗り心地を重視していますが、ロードバイクのタイヤは細くて軽く、それゆえ路面抵抗も少ないためスピードが出しやすいです。競技を楽しむような高い速度域でも、クイックに反応します。
■タイヤの径
ママチャリは荷物を積んだ場合や街中での小回りなどを重視して、比較的小さめのタイヤ径で、重心を低くして安定性を確保しています。いっぽうロードバイクは700Cというやや大きいサイズのタイヤ径を採用。またホイールベース(前後輪の間の長さ)を長くすることで、高速走行時の直進安定性や操作性に優れています。
■ポジション
ロードバイクとママチャリではライディングポジション、いわゆる乗る姿勢に大きな違いがあります。ロードバイクは基本的に前傾姿勢で、空気抵抗を減らしたりペダルに力を入れたりしやすく、ドロップハンドルのどこを握るかで状況に応じた乗車姿勢をつくることができます。対してママチャリは安定性を重視した低めのサドル位置と高いハンドル位置が特徴。つねに背筋が伸び、視界が広い状態での乗車姿勢になります。
他にも多くの相違点がありますが、ロードバイクはより速く走るための自転車なので、ママチャリよりもスピードが出しやすく、その状況で操作がしやすいように最適化されています。そのためその違いに慣れるための練習が必要なのです。
ロードバイク初心者が練習しておくべきスキル5選
ここからはロードバイク初心者が練習しておくべきスキル5選をご紹介します。ロードバイクに乗るうえで必須になるものばかりですので、しっかりと練習して身につけておきましょう。
1.ブレーキの仕方
ロードバイクに乗るうえでブレーキは最も大切なテクニックと言っても過言ではなく、しっかり止まることやスピードをコントロールするための技術習得は必須です。
ロードバイクでは前輪、後輪のブレーキを意識して使い分ける必要があるので、まず自分のバイクで左右のブレーキが前輪、後輪のどちらにつながっているのか確認しましょう。国内では右側は前輪、左側は後輪が一般的ですが、海外製の完成車では逆のパターンも多くあります。
ブレーキをかけるとロードバイクは止まろうとしますが、慣性により体は前方へと進もうとするため前輪に荷重が強くかかります。そのためブレーキ力の配分は前6、後ろ4くらいの割合でかけましょう。また、ブレーキをかけるタイミングも後輪を先に、その後に前輪をかけると安定した速度調整をすることができます。
慣れてくると前後同時にかけることや、路面状況に応じて前後の配分を変えたりできるようになりますが、まずは基礎がしっかりできるようになるまでは前後のタイミングを意識した操作を心がけましょう。
ジャックナイフに注意しよう!
ロードバイクはサドル位置が高いため重心も高くなります。車重も軽いため、前ブレーキだけを使って急ブレーキをした場合は前輪がロックして慣性力で後輪が上がる、いわゆる「ジャックナイフ」状態になることがあります。スピードが出過ぎていると、最悪の状況では体が自転車ごと前方へ投げ出されてしまう恐れがあります。
これを防ぐには、前述したように必ず後輪からブレーキをかける習慣をつけることや、スピードを出し過ぎないことが大切です。万が一の転倒に備えてヘルメット・グローブは必ず着用しておきましょう。
2.方向転換の仕方
クルマはハンドルを回して曲がりますが、ロードバイクはハンドルを使って曲がるというよりは車体を傾けて曲がります。車体を傾けることにより進む方向へと前輪に舵角をつけます。つまり曲がるときはまず後輪から、それに追従して前輪が曲がります。そのため、曲がるときはハンドルに力を入れ過ぎないことが大切です。
また、スピードが出ている状態だとカーブの外側へ遠心力が働くため、それに釣り合うだけ車体を傾ける必要があります。車体を傾けることに慣れないうちは、しっかりと速度を落として曲がることが大事です。また、ロードバイクを傾けてブレーキをかけるのは大変危険です。カーブや曲がり角に入る前に安全に曲がり切れる速度まで減速しましょう。
そして、曲がるときは必ずペダルの回転を止めること。ペダルをこいだままだとロードバイクを傾けた側のペダルが地面に引っかかり転倒する恐れがあります。カーブを曲がるときはペダリングを止め、傾けた側(カーブ内側)はペダルの上死点、反対側(カーブ外側)はペダルの下死点に置く習慣をつけましょう。このときカーブ外側のペダルに意識的に力を入れることを「外足荷重」といい、カーブを曲がる際に適切に荷重することで路面との摩擦力を増やしてスリップを防ぐことができます。
3.視線を上げて前を見る
前傾姿勢になるロードバイクのポジションは、意識して視線を上げ、しっかりと前を見る必要があります。とくにサドルとハンドルの落差が大きいと視線は下がりやすくなるので意識が必要です。また、普段はできていても疲れてくるといつの間にか下を向いてしまうので注意しましょう。
前を見ていない時間とはすなわち「安全確認をしていない時間」。歩行者やクルマなど、多くの他者が存在する公道において、あってはならない危険な状態だといえます。場合によってはライディングポジションやライドプランを最初から見直す必要があるでしょう。
また基本的に前を見て遠くに視線を置くことで、自身と車体とのバランスが取りやすくなり、真っすぐ走りやすくなります。危険の早期発見のためだけでなく、そもそもの「安全な走行状態」として視線に注意を払いましょう。
スマホ、サイクルコンピューターは停止しているときに見る
走行中にスマホやサイクルコンピューターを見るのはとても危険です。人間は小さくて見づらいものを見るとき、無意識のうちに凝視してしまいます。仮に時速が20kmだとしても1秒間に約5.5mも進んでしまうため、わずかな時間だとしても大変に危険です。スマホ、サイクルコンピューターは停止しているときに見るようにしましょう。
4.ダウンヒルの下り方
ロードバイクで坂道を駆け下りるダウンヒルでは容易にスピードが出せます。しかしスピードが出過ぎるゆえに重大な事故へとつながる危険性があり、しっかり技術を身につけ、かつ十分に注意して走行する必要があります。
スピードが出過ぎないようにするためには、当然ブレーキを使いスピードコントロールをすることが大事。下り坂では平地より前荷重になるため後輪がロックしやすくなったり、前輪が過負荷のあまりスリップしたりする可能性もあります。そのためサドルのやや後ろ寄りに座る、ペダルに立ち腰を後ろへ引くなどして、意図的に前後の荷重配分を変えることも重要です。
フェード現象に注意!
加熱により、ブレーキローター(あるいはリム)とブレーキパッドの摩擦力が失われて、ブレーキ制動力が低下する現象を「フェード現象」と言います。これは長い下り坂などでずっとブレーキをかけたまま下ることで、ブレーキ面そのものが加熱してしまうことにより起こります。
ブレーキを効かせっぱなしではなく、休ませながらうまくスピードコントロールをしたり、下り坂の途中でいったん休んだりするなど、対策しながら下りましょう。
5.自分からその存在をアピール
公道で走る限り、ロードバイクも社会的な乗り物のひとつであり、その安全を保つことは義務でもあります。例えば走行するクルマから見て、自分がライダーとして正しく安全を示せているかを意識しましょう。具体的には視覚効果やハンドサインが挙げられます。
まずフロントライトやリアライトをきちんと装備し、暗くなってきたら照射・発光させることは常識です。また黄色や白など、より目立つ色の服装をまとうことで被視認性を確保し、他者の目からその存在を認識してもらうことも安全性向上につながります。
ハンドサインもアピールのひとつです。右折時や左折時、適切な位置へと手を伸ばし、自分がこの後どういう動きをするのかを、後方のクルマや別のライダーに示せます。また走行中に停止や減速、危険箇所を知らせるためのハンドサインなどもあります。後続への安全を示す行為となるため、なるべく習得することを推奨します。ただしハンドサイン中は片手放しの走行となるため、まずは安全な場所で練習をしてから公道で実践しましょう。
ロードバイクは余裕を持って乗ること
ロードバイクは速く走るための自転車なので、スピードを出して走行することでその爽快さを感じることが楽しさのひとつではあります。しかし、公道を走るうえでは必要以上にスピードを出したり、コーナリングを楽しんだりするのはとても危険。自分だけでなく他人をもケガや事故に巻き込む可能性があります。だからこそ十分な注意が必要なのです。
スピードへの耐性や操作に不安や怖さがある場合は、その行為が自分の制御下にない証でもあります。基礎的な技術を練習・習得し、少しずつステップアップしながら余裕を持って乗りましょう。
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