今治クリテリウムでマンセボ勝利! 年間総合は小林 海、マトリックスパワータグが連覇!
Bicycle Club編集部
- 2022年10月30日
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10月29日、愛媛県今治市でJプロツアー最終戦である第1回JBCF今治クリテリウムが開催。10月29日から10月30日にかけて「サイクリングしまなみ」を中心にさまざまなイベントが開催される中の1イベントとして開催された今治クリテリウムは、10周回目に設定された中間スプリントのタイミングで単独で抜け出したフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)がそのまま独走で逃げ切り、優勝を飾った。
また、レース終了後にはJプロツアーにおける年間総合の表彰式も開催され、年間個人総合は小林 海(マトリックスパワータグ)が、U23年間個人総合は2年連続で山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)が、チーム総合は4年連続でマトリックスパワータグがそれぞれ制す形となった。
四国側の玄関口である愛媛県今治市でJプロツアー最終戦
10月29日、愛媛県今治市でJプロツアー最終戦である第1回JBCF今治クリテリウムが開催。
今治市といえばサイクリングでも有名なしまなみ海道における四国側の玄関口となっており、国内サイクリングルートの拠点の一つと言える場所でJプロツアーの最終戦が開催されることとなった。
当日は今治市にあるみなと交流センターはーばりー周辺の公道を封鎖し、1周1.4kmのコースを32周する44.8kmでJプロツアーのレースを開催。
また、翌日にはしまなみ海道にある自動車専用道を使用しての「サイクリングしまなみ2022」をはじめ、日本人トップライダーである新城幸也や中根英登、元世界的トップライダーであるホアキン・ロドリゲスやダミアーノ・クネゴといった豪華メンバーによるROUVYを活用したバーチャルレースイベント「バーチャル・サイクリングしまなみプレミアムⅡ」が開催されるなど、しまなみ海道を中心に2日間に渡ってさまざまな自転車イベントが開催された。
Jプロツアー最終戦は30km以上を独走したフランシスコ・マンセボが制す
11チーム合計67名の選手がスタートラインに並んだJプロツアー最終戦。
1周1.4kmのコースはコーナーが連続するテクニカルなコースで、集団の前方に位置取りができないとそれだけ消耗してしまうようなコースとなっているため、レース前からサバイバルな展開になることが予想された。
10月最終週ということもあり日陰では肌寒さを感じるものの、日向では半袖でも問題ないという最高のコンディションの中レースは開催。
13時10分にスタートが切られると、序盤から集団は縦長に伸びる展開に。
5周回目に設定された中間スプリントを草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)が獲得すると、続く10周回目の中間スプリントを前にフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が集団から抜け出す。
マンセボがメイン集団に対して10秒前後のタイム差をつけて単独で逃げ続ける中、草場、岡本 隼というトップスプリンター擁する愛三工業レーシングチームがレースをコントロールする。
後半には中村龍吉(群馬グリフィンレーシングチーム)がメイン集団から抜け出してマンセボを追走する動きを見せるも、中村は集団に吸収されてしまい、先頭は変わらずマンセボ一人。
メイン集団では愛三工業レーシングチームと弱虫ペダルサイクリングサイクリングチームによる主導権争いが起きる中、マンセボは変わらずペースを刻み、単独先頭で最終周回へ。
マンセボがホームストレートに姿を見せてもメイン集団はマンセボを捕らえることができず、マンセボは約30kmを独走する圧倒的な力でJプロツアー最終戦を制した。
マンセボは「今日は調子が良かったので、最初からいこうと思っていました。ホームストレートは力で押し切り、中盤のテクニカルな部分はミスしないことを意識していました」とレースを振り返る。
「集団が近いのは見えていましたが、このコースではチームで追い上げるのが難しいので、独走しました」とマンセボは戦略的に独走を選んだとのことだった。
個人総合は前半戦絶好調だった小林 海の手に
今治クリテリウムでのJプロツアー最終戦を終え、2022年のJプロツアーの総合順位も確定。
個人総合は前半戦圧勝を見せた小林 海(マトリックスパワータグ)が1位、後半戦力を見せた入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)が2位、小林と共に前半戦をリードしたレオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)が3位という結果に。
小林に初戦から最終戦までJプロツアーリーダージャージを着続けたことについて聞くと、「ずっとリーダーとして走れたのでうれしかったですが、一方で難しかった部分もあります。シーズン後半はUCIレースとの兼ね合いもある中でポイントを獲り続けなければならないので。また、前半戦は勝つことができていましたがケガやコンディション不良などでいつ勝てなくなるか分からない、リーダージャージを着ることが今年の目標の一つではありましたが、ランキングを確定させるまではいつジャージを奪われるか分からないという不安が常にありました」と答えが返ってきた。
さらに小林は「リーダージャージの獲得は通過点だったはずが途中から守らなきゃという思いが強くなってしまい、それがあったから全日本などでうまくいかなかったのかなと思います」と今シーズンを振り返り、絶好調だった前半戦から一転して苦しい形となった後半戦については「コロナに感染したり腰を痛めたりと、心身共に現時点での限界が来てしまったのかなと思います」と振り返る。
「(新城)幸也さんとかは厳しいスケジュールの中でも弱さを見せないじゃないですか。ああいうことができる選手じゃないとダメだなと思いまし、不測の事態にも対応できるようになりたいです。来シーズンも全日本選手権やTOJを目標に、TOJで勝てればヨーロッパへ戻れると思うので」と来シーズンの目標を語ってくれた。
チーム総合は4年連続でマトリックスパワータグが制す
チーム総合はマトリックスパワータグが2019年から4年連続で1位に、2位には経済産業大臣旗で団体優勝を果たした弱虫ペダルサイクリングチームが入り、3位は南魚沼クリテリウムを連覇した愛三工業レーシングチームという結果に。
マトリックスパワータグの安原監督は「(小林)海の調子に引っ張られて前半からチーム全体でいい流れを作ることができた。このままの流れで1年いけるかなと思ったがそんなに甘くはなく、全日本選手権あたりを境に海の調子が落ちるとチームも落ちてきて。ただ、終盤でホセ(ビセンテ・トリビオ)やパコ(フランシスコ・マンセボ)がまた活躍してくれた。シーズン中盤に落ち込んだタイミングでもう今シーズンは厳しいかなと思ってしまったが、終盤での活躍を見ても、もっと選手を信用しなきゃいけないなと思った」と今シーズンを振り返る。
UCIレースではあと一歩というシーズンだった点を聞くと、「これまでもいろいろなタイトルをチームで獲ってきたから、今シーズンはまだ獲れていないタイトル、TOJなどの個人総合優勝を取りにいこうと話をしていた。もう少しクレバーに走っていればチーム総合を取れたかもしれないが、あくまで個人総合優勝を狙っていたから、勝つか沈むかというレースをしていた。最後まで総合優勝を狙うというのが今シーズンの戦略だった。数字以上に良いシーズンだったんじゃないかなと個人的には思う」と安原監督は振り返る。
まだ話せない部分があると前置きしつつも、「TOJやジャパンカップといったチームで獲れていないタイトルを狙いたい」と安原監督は来シーズンの目標を語った。
結果 第1回JBCF今治クリテリウム
1位:フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) 1時間7分29秒
2位:岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) +2秒
3位:小森亮平(マトリックスパワータグ) 同
4位:草場啓吾(愛三工業レーシングチーム) 同
5位:寺田吉騎(リオモ・ベルマーレ・レーシングチーム) 同
6位:横山航太(シマノレーシング) 同
中間スプリント
5周目:草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)
10周目:フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
15周目:フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
20周目:フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
25週目:フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
プロツアー年間個人総合
1位:小林 海(マトリックスパワータグ) 4,543ポイント
2位:入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム) 3,405ポイント 3
位:レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ) 3,118ポイント
JプロツアーU23年間個人総合
1位:山本哲央(チームブリヂストンサイクリング) 1,619ポイント
Jプロツアー年間チーム総合
1位:マトリックスパワータグ 11,622ポイント
2位:弱虫ペダルサイクリングチーム 5,746ポイント
3位:愛三工業レーシングチーム 5,509ポイント
JBCF公式ホームページ
https://jbcfroad.jp/
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