特徴的なフィンラグにピンときた! 地方ショップ倉庫の掘り出し物をレストア
ニシヤマ
- 2022年12月16日
見たところブランド名もなく、どこのものかわからないフレーム。日本製ということはわかる。そして作りがていねいなことも。フレームの素性を探求し、時代に適したパーツでロードを作ってみよう!
今回は地方のとあるショップの倉庫で見つけたこのフレーム。どうやら80年代の代物のようだ。ショップのステッカーが貼られていて、店のオリジナルブランドとして売られたのだろう。果たしてどう生まれ変わるのか?
ひょっとしたらと思わせるフィンラグ
メーカー名のロゴはない。当時ありがちなシマノステッカーが貼られたショップオリジナルフレーム。エアロなディテールだ。大きな損傷もないが、トップチューブの上、汗がしたたるあたりがサビている。前の乗り手が、このフレームに乗り練習でもがいていた姿がうかがわれる。
まずはフレームの磨きと修正
ペイントの状態はくすみ、あちこちはげているが、全体的に状態は悪くない。
ショップのシールも痕跡を残す証拠なので、すべてはがしたくない。なのでリペイントは施さず磨きだけでいくことにした。
過剰に貼られたショップのシール、一部が損傷したシマノのシールなどは、はがすことに。ひかえめに、シートチューブのシールのみを残しておくことに。
シート部が変形して正しいサイズのシートポストが入らなかった。こちらはフレーム工房で補修。ついでに定盤を使ってフレームの芯出し、ハンガータップなども行い、作られた当時の精度を出した。
いらないステッカーをはがす
やや多すぎる感あるステッカー類をはがす。古くなったステッカーはなかなか強固にくっついているので、糊がフレーム側に残らないようにステッカーはがしを使って慎重にはがしていく。薬剤は塗装を痛める可能性もあるので、目立たないところで試そう。
こころゆくまで磨き上げる
汚く黒ずんでいたフレームの、油汚れなどをバイクウォッシャーでクリーニング。汚れが落ちたらフレームをポリッシュ。はあ〜と息をかけながらフレームを磨いていく。くすんでいた塗装面だが、クリア層を一皮むくことで新車時の鮮やかなオレンジが蘇ってきた。ただしキズも見えてきた。これはタッチアップで目立たないようにする。
シート径の確認&修正
シートポスト径をポストを入れて確認する。27.2㎜が入りそうだが、かなり渋く押し込めない。27㎜だとスカスカだ。シートをよく見るとシートピンでクランプする部分が曲がって閉じ気味になっている。これは広げて修復する必要がありそうだ。レストア工房、絹自転車工房に持ち込んだ。
フレームの歪みを修正する
定盤があるフレーム工房に来たので、ついでに芯出しをする。作業を行うのは、この工房を間借りしてフレームを作っている編集部トモヒロ。このようなビルダーの基本作業なら、編集部でできるところが強みだ。フレームは大きく曲がっていなかったが、ハンガー内部は汚れやサビが堆積して、けっこう削りカスが出た。
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- TEXT:西山貴之 PHOTO:大星直輝
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