掘り出し物の三連勝をレストア! エアロ時代をほうふつさせる国産パーツで組んでみた
ニシヤマ
- 2022年12月17日
前回のレストアでとあるショップの倉庫で見つけた三連勝のフレームを見事に復活させたニシヤマ。今回の記事では厳選したパーツをアッセンブル。ついに、実用的でカッコいいクロモリロードが完成!
▼フレームのレストアはこちらをチェック!
80年代エアロ風で10スピードに
今回復活させた三連勝は、エアロ時代をほうふつとさせるフレームなので、パーツもその時代の国産パーツを選んでみた。実用的なのか怪しいが一度つけてみたかったのがシマノAXシリーズのブレーキだ。600AXブレーキが手元にあった。
このフレームに付属していたエアロタイプの珍しいシフター台座はシマノインデックスレバー専用だ。なので必然的に6〜10速のシマノWレバーから選ぶことになる。フレームの時代からすると新しいが、10速を選んだ。
パーツの時代のずれが目立たないように謎の10スピードコンポーネントを作った。フレーム縛りを逆手に取って工夫するパーツアッセンブルはいつも楽しい。
ジャパニーズエアロパーツ
80年代エアロパーツというとデュラエースAXが有名だが、その下のグレード600シリーズにもエアロコンポがあった。その600AXブレーキを使う。いくつか欠品パーツがあったので加工して装着。ほかにもエアロをテーマに、サドル、シートポスト、ブレーキレバーなどを集めた。空力的な効果はないが、見ためエアロはカッコいい。
実用的でカッコいいインデックス10段に
フレームに装着されていたシフター台座の縛りでシマノインデックスWレバー専用だ。実用重視で10段にしてみた。80年代のフレームのエンド幅は126mmだが、これに130mmのハブを入れてしまう。片側2mmの差なので、あえてフレーム修正はしないで弾性変形の範囲で使う。塑性変形させてしまうよりも素材自体には優しいのではという判断だ。
レストアが運んだ縁、すっかり三連勝ファンのひとりに
ショップの庭先に置いてあった汚れてくすんだロードフレームが、見違えるようなエアロマシンに生まれ変わった。
もとより三連勝を探していたわけではないので、ひょんなきっかけから三連勝オーナーになるのは変な気分だ。レストアによる一期一会の出会いだ。そもそもピストブームで祭り上げられた感じもあって、そんなに好みのブランドではなかった。
しかしフレームを磨くなど作業で接していくうちに、その工作に魅了された。なんと力強い造作のフレームか。やはり今野兄弟のなかでは、めっぽう速かったリアルレーサー今野 義の自転車だ。
自分はレーサーではないが、ロードはレーサーの魂が宿っている自転車のほうがカッコいい。いまでは三連勝ファンのひとりとなった。
タッチアップで目立たないが、けっこうキズだらけだ。しばらく輪行などで気兼ねなく使って、ときがきたら塗り替えよう。競輪っぽい、赤にラメなんてどうだろうか?
※この記事はBiCYCLECLUB別冊[クロモリバイク徹底レストアBOOK]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- TEXT:西山貴之 PHOTO:大星直輝
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