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掘り出し物の三連勝をレストア! エアロ時代をほうふつさせる国産パーツで組んでみた

前回のレストアでとあるショップの倉庫で見つけた三連勝のフレームを見事に復活させたニシヤマ。今回の記事では厳選したパーツをアッセンブル。ついに、実用的でカッコいいクロモリロードが完成!

▼フレームのレストアはこちらをチェック!

特徴的なフィンラグにピンときた! 地方ショップ倉庫の掘り出し物をレストア

特徴的なフィンラグにピンときた! 地方ショップ倉庫の掘り出し物をレストア

2022年12月16日

80年代エアロ風で10スピードに

今回復活させた三連勝は、エアロ時代をほうふつとさせるフレームなので、パーツもその時代の国産パーツを選んでみた。実用的なのか怪しいが一度つけてみたかったのがシマノAXシリーズのブレーキだ。600AXブレーキが手元にあった。
このフレームに付属していたエアロタイプの珍しいシフター台座はシマノインデックスレバー専用だ。なので必然的に6〜10速のシマノWレバーから選ぶことになる。フレームの時代からすると新しいが、10速を選んだ。
パーツの時代のずれが目立たないように謎の10スピードコンポーネントを作った。フレーム縛りを逆手に取って工夫するパーツアッセンブルはいつも楽しい。

ジャパニーズエアロパーツ

80年代エアロパーツというとデュラエースAXが有名だが、その下のグレード600シリーズにもエアロコンポがあった。その600AXブレーキを使う。いくつか欠品パーツがあったので加工して装着。ほかにもエアロをテーマに、サドル、シートポスト、ブレーキレバーなどを集めた。空力的な効果はないが、見ためエアロはカッコいい。

80年代エアロ時代を象徴する600AXブレーキ
アウター受けが欠品していたので作ることに。既存のアウター調整ネジを加工。ブレーキ側の受けの幅が狭いので、電動ヤスリで左右を削る。細く仕上げれば、600AX用のアウター受けの完成
特殊な形状のブレーキシューだが、なんと最新のカートリッジ交換用シューが入った。1ブロック削れば使えそうだ。制動力も多少はアップするだろう
600より下のグレードにもAXコンポがあった。下位グレードのアダマスAX。プアながらエアロな感じがいい
こちらは、最近のパーツでカシマ・エアロサドル。近年復刻したこのサドルも80年代に登場したものだ。ベースプレートが赤くちょっと毒々しいところが三連勝にぴったり

実用的でカッコいいインデックス10段に

フレームに装着されていたシフター台座の縛りでシマノインデックスWレバー専用だ。実用重視で10段にしてみた。80年代のフレームのエンド幅は126mmだが、これに130mmのハブを入れてしまう。片側2mmの差なので、あえてフレーム修正はしないで弾性変形の範囲で使う。塑性変形させてしまうよりも素材自体には優しいのではという判断だ。

謎のグレードのフロントメカを装着。こちらはもとティアグラ。ロゴを消してバンド部を磨くとちょっとエアロなメカになる
グイッと開いて130mmハブを入れてしまう。130mmハブが出た当初は、このようにして入りやすいようハブのナットが丸くなっていた時代も
日東製、旧ロゴのパールステム。丸みをおびたロゴが80年代だ。アルマイトを落としてポリッシュ加工してある。この時代はまだ台形ウス
9速の7700系レバーだが10速。希少でレバーの中身しか手に入らなかった7800系10速レバーのインデックス部分を、7700のレバーに移植した
この謎のリアメカのもとはRX100。エアロなケージを装着。8速時代のリアメカは、シフターが10速なら10速でインデックスする。旧シマノのいいところ
こちらもキズだらけだったクランクをアルマイトを落として磨いた。ここだけ外国パーツだが、造形美はさすがフランスの老舗。カーボン貼りのチェーンリングが時代を感じさせる

レストアが運んだ縁、すっかり三連勝ファンのひとりに

ショップの庭先に置いてあった汚れてくすんだロードフレームが、見違えるようなエアロマシンに生まれ変わった。
もとより三連勝を探していたわけではないので、ひょんなきっかけから三連勝オーナーになるのは変な気分だ。レストアによる一期一会の出会いだ。そもそもピストブームで祭り上げられた感じもあって、そんなに好みのブランドではなかった。
しかしフレームを磨くなど作業で接していくうちに、その工作に魅了された。なんと力強い造作のフレームか。やはり今野兄弟のなかでは、めっぽう速かったリアルレーサー今野 義の自転車だ。
自分はレーサーではないが、ロードはレーサーの魂が宿っている自転車のほうがカッコいい。いまでは三連勝ファンのひとりとなった。
タッチアップで目立たないが、けっこうキズだらけだ。しばらく輪行などで気兼ねなく使って、ときがきたら塗り替えよう。競輪っぽい、赤にラメなんてどうだろうか?

三連勝のヘッドマーク。シマノ・600AXブレーキは引きが重く、やはり効かなかった。制動力アップを画策中
エアロなシマノ・600シートポストとカシマ・エアロサドル。エアロ時代、パーツが新たな美を生んだのはたしかだ
三連勝のロゴがあるとないとではオーラが違う。写真のロゴを指で隠してみるとわかる。それだけ存在感あるブランド
オーバル加工されたエアロシートチューブとAXブレーキの組み合わせは、見ためはパーフェクトなんだが……

 

※この記事はBiCYCLECLUB別冊[クロモリバイク徹底レストアBOOK]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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PROFILE

ニシヤマ

Bicycle Club / 副編集長

ニシヤマ

自転車暦35年以上。中学時代からランドナーに乗る、ヴィンテージ(ジャンク)自転車大好き人間。バイシクルクラブのバイク&キャンプなアウトドア系記事、自転車レストア&カスタム記事など製作。またマニアックな自転車ムック職人。加えて最近は、付録職人でもある

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自転車暦35年以上。中学時代からランドナーに乗る、ヴィンテージ(ジャンク)自転車大好き人間。バイシクルクラブのバイク&キャンプなアウトドア系記事、自転車レストア&カスタム記事など製作。またマニアックな自転車ムック職人。加えて最近は、付録職人でもある

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