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メインパーツは初代サイクロンに決定! ナショナルフレームを完全レストア

前回のレストアで地方のショップ倉庫で見つけたナショナルフレームを復活させたニシヤマ。国産レーシングコンポの黎明期、70年代前半のパーツを使って美しいヴィンテージバイクに仕上げる。

▼フレームのレストアはこちらをチェック!

70年代前半の日本パーツで組む

前回レストアしたこのフレームは70年代の代物だ。1972年はシマノ・デュラエースが発売された年だ。リアメカ、クレーンを含む初代デュラエースの装着も考えたが、シマノ系で攻めた1台はあるので、こちらはもうひとつの国産パーツ、サンツアー系でいくことにする。
サンツアーといえばサイクロンだ。翌年の73年デビュー、シュパーブ誕生はまだ先。ちなみにシクロウネもCYCLONEと書く。サンツアーに配慮して、ブランド名は三連勝としたという。
昭和部品のメカメカしさ、いまの日本人が忘れてしまった情熱的な時代の空気が感じられる。

73年くらいのサンツアー高級メカ

サンツアーの名変速機、初代サイクロンをメインにパーツを選んでみた。サイクロンは73年にデビューした最高級メカ。シュパーブが後に登場すると、レース系はそちらに譲って、ツーリング系の高級メカという位置づけとなる。その他のパーツは、スギノ、極東ペダル、ダイヤコンペ、クスキハンドルなど大阪のメーカーたちを集めてみた。

73年のサイクロン登場時は、まだメカの前後セットのみでサイクロン専用のレバーはなかった。代わりにラチェット式パワーレバーのPDL-Mレバーを装着する。難解なラチェット機構を一度バラしてポリッシュ加工してある
クランクはちょっとロードっぽくないがスギノの3アーム。ロードなら、本来ならマイティコンペだがPCD144なんて踏めないので、ツーリング系のマキシィ。ルネパターンのチェーンリングが美しい

クスキ・ウィンステムに定番のダイアコンペの144ブレーキレバー
日の丸をほうふつとさせる赤いアクセントを出すために、バンドのみをつけたところで、先にバーテープを巻いてしまう
国産ロードにつけようと、以前関戸橋フリマで手に入れた。極東ペダル、カクマル印のトップラン。最高級品のプロエースではないので鉄。300円だったと記憶している
ワイヤーをつける際になって、アウター受けがないことに気づいた。慌ててバンド止め。アウターは日泉ケーブル、レーザーカラー

カーボン全盛の時代に残る、誇るべきジャパンフレーム

ナショナルといえばパナソニックの前身のブランド名だ。パナソニックは現在もクロモリバイクを作り続けている。
サイクルファンには、“パナモリ”は昔から身近にあり、あって当たり前のように感じられる。しかし考えてみると、このカーボン全盛の時代に奇跡的に残るプロダクトといっていい。誇るべきジャパンフレームだ。
最高級素材のレイノルズ531を使ったこのフレームは、当時のナショナル自転車の技術の粋を集めて作られたに違いない。1972年というかなり早い時期から、欧米にも負けないフレームづくりができていたことを証明するマシンだ。フォークの曲げなど海外フレームより美しい。
ひとまず国産パーツで組んでしまったが、ロードパーツのベンチマークである、カンパニョーロ・レコードで組んでみてもいいかもしれない。同じ時代とコンポーネントのイタリアンレーサーなどと乗りくらべてみたいものだ。

味のある造形のプレスラグ。工芸感もありながら、ハンドメイド工房とはどこか違う雰囲気がある
装着されたときのフォルムの美しさは国産メカでピカいちだろう。サンツアーがもっとも輝いていた時代の産物だ

※この記事はBiCYCLECLUB別冊[クロモリバイク徹底レストアBOOK]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。

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PROFILE

ニシヤマ

Bicycle Club / 副編集長

ニシヤマ

自転車暦35年以上。中学時代からランドナーに乗る、ヴィンテージ(ジャンク)自転車大好き人間。バイシクルクラブのバイク&キャンプなアウトドア系記事、自転車レストア&カスタム記事など製作。またマニアックな自転車ムック職人。加えて最近は、付録職人でもある

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自転車暦35年以上。中学時代からランドナーに乗る、ヴィンテージ(ジャンク)自転車大好き人間。バイシクルクラブのバイク&キャンプなアウトドア系記事、自転車レストア&カスタム記事など製作。またマニアックな自転車ムック職人。加えて最近は、付録職人でもある

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