メインパーツは初代サイクロンに決定! ナショナルフレームを完全レストア
ニシヤマ
- 2022年12月19日
前回のレストアで地方のショップ倉庫で見つけたナショナルフレームを復活させたニシヤマ。国産レーシングコンポの黎明期、70年代前半のパーツを使って美しいヴィンテージバイクに仕上げる。
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70年代前半の日本パーツで組む
前回レストアしたこのフレームは70年代の代物だ。1972年はシマノ・デュラエースが発売された年だ。リアメカ、クレーンを含む初代デュラエースの装着も考えたが、シマノ系で攻めた1台はあるので、こちらはもうひとつの国産パーツ、サンツアー系でいくことにする。
サンツアーといえばサイクロンだ。翌年の73年デビュー、シュパーブ誕生はまだ先。ちなみにシクロウネもCYCLONEと書く。サンツアーに配慮して、ブランド名は三連勝としたという。
昭和部品のメカメカしさ、いまの日本人が忘れてしまった情熱的な時代の空気が感じられる。
73年くらいのサンツアー高級メカ
サンツアーの名変速機、初代サイクロンをメインにパーツを選んでみた。サイクロンは73年にデビューした最高級メカ。シュパーブが後に登場すると、レース系はそちらに譲って、ツーリング系の高級メカという位置づけとなる。その他のパーツは、スギノ、極東ペダル、ダイヤコンペ、クスキハンドルなど大阪のメーカーたちを集めてみた。
カーボン全盛の時代に残る、誇るべきジャパンフレーム
ナショナルといえばパナソニックの前身のブランド名だ。パナソニックは現在もクロモリバイクを作り続けている。
サイクルファンには、“パナモリ”は昔から身近にあり、あって当たり前のように感じられる。しかし考えてみると、このカーボン全盛の時代に奇跡的に残るプロダクトといっていい。誇るべきジャパンフレームだ。
最高級素材のレイノルズ531を使ったこのフレームは、当時のナショナル自転車の技術の粋を集めて作られたに違いない。1972年というかなり早い時期から、欧米にも負けないフレームづくりができていたことを証明するマシンだ。フォークの曲げなど海外フレームより美しい。
ひとまず国産パーツで組んでしまったが、ロードパーツのベンチマークである、カンパニョーロ・レコードで組んでみてもいいかもしれない。同じ時代とコンポーネントのイタリアンレーサーなどと乗りくらべてみたいものだ。
※この記事はBiCYCLECLUB別冊[クロモリバイク徹底レストアBOOK]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- TEXT:西山貴之 PHOTO:大星直輝
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