冬用ウェアのキモは小さなアクセサリーにあり。管 洋介さんがアドバイス&レビュー|SHIMANO
Bicycle Club編集部
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吐く息も白くなってきたこの頃、長指グローブやシューズカバーを正しく選択し、着用できているだろうか? 寒い季節でも快適なサイクリングを実現するため、アヴェントゥーラサイクリングの管洋介さんから冬物アクセサリーのアドバイスをもらった。日本ブランド「シマノ」から厳選したアクセサリーとともに紹介する!
冬物アクセサリーが果たす役割とは?
秋口から冬、そして春先まで着用する冬物サイクリングウェアは、冷たい風を防ぎ、体の熱を保つための必需品だ。インナー、ミドル、アウターのジャージやジャケットはもちろん、ロング丈のビブタイツは基本装備ともいえる。だが、末端を覆うグローブやシューズカバー、ネックウォーマーなども、決しておろそかにしてはいけない重要なアクセサリーだ。
アヴェントゥーラサイクリングのコーチを務める管 洋介さんが、冬季のライドにおけるグローブやシューズカバー、ウォーマーの果たす役目について語ってくれた。
体の末端や肌が露出している部分は寒さのダメージを受けやすい
一般的に、風速1m/sで体感温度は1℃下がると言われています。自ら風を受けて走る自転車は、当然外気温以上に体感温度を下げてしまうのです。サイクリング中の反復運動を繰り返している主要な筋肉を中心に体は温まっているのですが、末端や肌が露出している首まわりは寒さのダメージを受けやすいのです。
特に指先はバイクコントロールの要になっている部分で、この部分が冷えを感じるのはよくないです。冷えだけでなく、内部が汗で濡れて滑るなどもライドの安全性にかかわってきます。つまり保温性だけでなく、透湿性も重要な要素になります。このあたりはゴアテックス系の性能がとくに顕著ですね。
また足を止めている下り区間でもやはり安全性を考慮し、手先足先を寒さから保護しておく必要があります。手足の先が冷えると血行が悪くなり、身体の機能が低下。体力や集中力も奪われます。つまり季節や天気に合わせて体温調整ができるグローブやシューズカバー、ネックウォーマーはとても重要なアイテム。シマノのアクセサリーシリーズはそのバリエーションが多く、魅力的ですね。
シマノ秋冬用グローブ アドバイス&6モデルレビュー
管さんが語る、グローブチョイスの注目ポイント
グローブはモデルごとに0℃以下、0~5℃、5~10℃、10~15℃といったように気温帯によって分けられます。これを選び方の基本にするといいでしょう。しかし気温は季節や時間帯によって当然変化しますし、個人の体質によっても温かさの感じ方は変わりますので、あくまで目安として参考にしましょう。
個人的なオススメとしてハードなライディングで体温が高まるライダーには、透湿性の高いゴアテックス生地採用の(今回でいうと「インフィニウム™」とモデル名に入っている)モデルです。
また内側に裏起毛を採用したモデルは、インプレッション時の装着感が常に柔らかく、手元の温もりを感じながら走れました。落ち着いた気持ちで寒い時期のライドが楽しめますね。それぞれ6モデルのなかでどれに当てはまるかを以下のレビューからチェックしてみてください。
インフィニウム™ プリマロフト® グローブ(0℃以下対応)& インフィニウム™ インサレーテッド グローブ(0~5℃)
ともにゴアテックスのインフィニウム™ウィンドストッパー採用モデルですね。まずは最も寒い気温帯に対応するインフィニウム™ プリマロフト®グローブから。分厚くボリュームがありますが、見た目ほど重くなく意外でした。温かさだけなく、素材の柔らかさからくる装着感の良さも特徴的です。手首のリブ編みカフは伸縮性があり、両手にグローブをはめた状態でも片側を外すのがラクでした。
次にインフィニウム™インサレーテッドグローブですね。前者と同じゴアテックスの機能をもち防風性、保温性、透湿性に優れています。手のひらの構造もほぼ同じですね。手の甲は少し薄めですが、3レイヤー構造で防風性は確かです。手首はベロクロでしっかりと絞れ、長袖ジャージの袖の上から風をシャットアウトし、温かさを保ちます。
また両モデルとも、柔らかく振動吸収性に優れるPORON® XRDパーマパッドが手のひらに配されていて、ブラケットを強く握った時でも地面からの振動が少なくなった印象です。冬場の悪路走行時、振動が骨に響くこともあるのでこの機能はとてもありがたいです。
インフィニウム™プリマロフト®グローブは、厳冬期でも景色を楽しむようなファンライドからハードなトレーニングまで広く使えるでしょう。インフィニウム™インサレーテッドグローブは冬場の峠トレーニングや強風のサイクリングロードなどで活用したいですね。
インフィニウム™プリマロフト®
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インフィニウムインサレーテッド
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ウィンドブレーク サーマル グローブ(5~15℃対応)、インフィニウム™ レース グローブ (5~10℃対応)
少し気温帯を上げて5~10、15℃のシチュエーションを想定したグローブ2点です。インフィニウム™レースグローブは「薄手で高機能」を形にしたようなモデルです。3Dフォームで、無理なく自然とブラケットに構えたフォームがとれます。指先にはグリップゴムが装着され、シフト・ブレーキ操作を確実にしてくれるのもいいですね。
インフィニウム™素材採用で防風・保温・透湿を実現しつつも薄めのため、ポケットに小さく収納できます。着け始めは少し涼しい感じがしましたが、運動し始めると高い保温力で温かさが継続する印象です。
続いてはウィンドブレークサーマルグローブです。ウィンドブレークという名の通り、徹底した防風効果を発揮してくれます。ベロクロで手首をしっかりホールドし、ハードなライディングでもずれない構造ですね。
STIレバーへの食いつきのよさもいいのですが、それ以上にいいと感じたのはスマホな操作のしやすさです。一般の「タッチスクリーン対応」とされる他社グローブよりもあきらかにサクサク動かせます。これはインフィニウム™レースグローブやその他モデルでも同様ですね。
インフィニウム™レースグローブはヒルクライムなど気温が大きく変わる際に重宝するアイテムで、ハードなレーサーからロングツーリストまでオススメ。ウィンドブレークサーマルグローブはグラベルライドのようなグリップ感や安定感が必要な人向けでしょう。
ライトサーマルグローブ(10~15℃対応)、ウィンドブレークレースグローブ (5~10℃対応)
最後の2つは2022年の新作で、ともに薄くて軽いモデルです。ライトサーマルグローブは内側の裏起毛が装着時の安心感につながっています。柔らかく包まれるような温かさを感じて快適です。このストレスのなさはロードバイク用とは思えないほどです。
手のひら部分(内側)にほどよくグリップ感があり、バーテープやブラケットフード(外側)にもちょうどよくグリップが効く感じです。手軽にジャージのポケットに忍ばせて、ライド中気温が変化してきた時にサッとつけるのに最適です。
今回紹介するなかでもっとも薄く軽いグローブが、ウィンドブレークレースグローブです。これほど薄いのに防風メンブレンを備えた伸縮性のある3層ファブリックで温かさを確保しています。
中指の指先にグリップゴムがあり、ダイレクトで確実なレバー・シフトタッチができるのもうれしい点です。素手と変わらない感触で、まさにレースを走るためのアイテムです。
両モデルとも厳冬期というよりは春先や秋口、初冬に使いやすいモデルです。リーズナブルな点でも共通していますね。ライトサーマルグローブはファンライドからトレーニングライドまで使える軽量万能モデル。ウィンドブレークレースグローブは軽さ重視のレーサーやミニマルライダーにオススメする超軽量モデルですね。
シマノ秋冬用シューズカバー アドバイス&4モデルレビュー
管さんが語る、シューズカバーチョイスの注目ポイント
まず足先が冷えるとライダーの足首の柔軟性がロスしてしまいます。柔軟性を失ったまま下りに入ると、そのポジショニングに大きな支障が出てしまい、安全性が下がってしまうことも。こうした事態を避けるためにも、厳冬期の前、つまり寒くなり始めた時期からシューズカバーは必要になります。
シューズカバー選びのアドバイスとして。当然ですが、雨天時は外生地に撥水加工されたモデルが一番。雨天時用でなく、かつ柔らかい素材を使ったモデルをスタンダードとすると、シマノのそれらは足首の動きを邪魔せずにダンシングがしやすいため、疲れにくい構造になっているといえそうです。先端のみを覆うタイプは秋や春先に気軽に使えますね。また全部試着してみたのですが、シマノのシューズカバーはどれも脱着がしやすいですね、驚きました。
S2100D シューズカバー(0~5℃対応)
雪や雨の日のライドにおすすめなのがこのシューズカバー。防風・撥水性がある2mm厚のストレッチネオプレーン素材で、足先の裏側は柔らかめです。他のモデルに比べると足首の動きは少し制御されますが、脱着はベロクロとファスナーで簡単。後部にはリフレクターも付いています。
S1100R H2O シューズカバー(5~10℃対応)
足先まで非常にやわらかい素材で脱着がとてもラク。ペダリング時やダンシング時の伸縮性も非常に高いです。そして裏起毛で保温性が高いのも特徴です。耐久性の高い防水ポリウレタンコーティングを施しているため、防寒対策として晴れた日でも雨の日でも使えるのがいいですね。カカト側には被視認性を高めるリフレクターが付けられています。
S1100R ソフトシェルシューズカバー(5~10℃対応)
たっぷりの裏起毛で保温効果が非常に高いです。ストレッチ性に富んだネオプレーン素材は柔らかく伸縮性があり、足首の動きもいいです。寒い冬のアクティブライドやレースに使用するならこのモデルですね。足先部分は耐久性に優れた素材で擦れなどでも破けづらそうです。蛍光イエローカラーは被視認性も上がり、安全性も高いですね。
T1100R ソフトシェル トゥカバー(10~15℃対応)
サドルバッグやポケットに入れておける足先の防寒アイテム。足の末端部に温もりを与えつつ、シューズ内への風抜けを防止します。ボアダイアル付きシューズへの装着も非常にラクです。先端部分にはやや耐久性もありそうで、春先や秋口、朝夕のアクティブなライドに使いやすいですね。
シマノ秋冬用アクセサリー ソックス、マスク、ポンポンハット 3モデルレビュー
S-PHYRE トールシューズカバー
メリノウールの柔らかい肌触り、ふっくらとした締め付けのない履き心地でシューズの隙間を埋めてくれます。土踏まずの部分などに絞りが効いていてフィット感も〇。足の甲側にはビンディングシューズで締め付ける部位のプレッシャーを緩和する、補強のような生地の厚みがあります。
非常に保温性が高く、春先はもちろん、冬場でも10℃前後ならシューズカバーなしで快適なライドを楽しめます。またシューズのソールが硬くプレッシャーを感じている方には、トルクキャッチを柔らかくするちょうどいいクッションにもなります。
シマノマスク&シマノポンポンハット
シマノマスクは、メリノウールの柔らかな肌触りが特徴です。とても「優しい素材感」といえるでしょう。10℃を下まわる気温において首筋はとくに体感温度として低く感じるので、これをネックウォーマーとして使うことで防風と保温を確保できます。
首とウォーマーとの間には少し余地があり、顎先まで覆って肌との隙間に空間ができることで冷たい外気が遮断され、温かさが溜まります。装着した際の苦しさが少ないのもいいですね。
ポンポンハットは自転車から降りてカジュアルに着こなすアイテムですね。でも思った以上に分厚く丈夫にできているため、耳まですっぽり被ってすぐ温かさを確保できたのは驚きです。ライド前後の移動や休憩時に役立つ一品です。
シマノマスク
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ポンポンハット
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管さんにとって、快適な冬物アクセサリーをそろえる意味とは?
「ライドの想像力を掻き立ててくれる」。僕にとってそれが冬物アクセサリーをそろえる理由ですね。ライド前日に天気をチェックして、ルートや走る時間帯の寒さを予想。そしてそれに対応したウェアやウォーマーなどの防寒アイテムを選んでいきます。暑過ぎず、しかもかさばらないチョイスでライドが楽しめた時の満足感はひとしおです。
カッコよくスマートなサイクリストはこうしたアイテムのチョイスがさりげなくて、上手いですよね。バイクライドの幅を広げてくれるウォーマーアイテムを活用して、快適で楽しいバイクライフを楽しんでいきましょう。
問:シマノオンラインショップ https://shop-jp.shimano.com/
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