未舗装路を快適に走るための機材&装備とは?|グラベルロード入門
Bicycle Club編集部
- 2023年01月25日
正しく、かっこよくグラベルロードを楽しむためには、まずは基本を押さえるべし! サイクルハウスMIKAMIの三上さんにグラベルロードバイクのポイントをたくさん聞いてみた。
まずはグラベルロードバイクを形作るフレームやコンポーネント、その他パーツに関してのポイントをチェック。購入やカスタム前に知っておくと役立つ知識だ。
グラベルロードバイクの特徴とは?
グラベル用ドライブトレインは軽めのギヤが多数展開される
シマノ、スラム、カンパニョーロの各社グラベル専用コンポーネントは悪路や急坂をラクに上れるよう低速向けのギヤ比になっています。例えばロードバイクだとフロントが最小インナー34Tですが、グラベル用のGRXだと最小30T。リアだとロードバイクで最大34T、GRXで最大46T(※組み合わせにより異なる)。またクランクにはフロントシングルも多数展開されます。
ジオメトリーは安定性重視の設計
グラベルロードバイクのジオメトリーは未舗装路での安定感を高めるため、ロードバイクとはいくつかの数値が異なります。度合いはモデルによりますが、ロードバイク比較でヘッドアングルが寝ている、チェーンステーが長い、BB位置が低い、ホイールベースが長いといった設計にされていることが多いです。
フレアハンドルだと下ハンドルへのアクセスがラク
ヒジや脇を適切にでき上半身がスムーズに!
ロードバイクでも重心を下げたり、ブレーキを握りやすくする際に下ハンドルを握りますよね? 実際にフレアハンドル(下ハンドルが外に広がっているタイプ)を使ってみるとよくわかるのですが、下ハンドルへのアクセス時に斜め下への動きが非常にスムーズです。またドロップは浅めなので重心を下げつつも、ヒジが伸び切りにくいのが特徴です。さらに角度がつくことによって脇が適度に開き、上半身がスムーズに動かせます。
フレアハンドルが上半身の動きをサポート
下ハンドルがどれだけ広がっているかはハンドルの「フレア角」によって決まる。各社10度(弱め)〜25度(強め)くらいで展開されるが、好みで選んでいい。
荷物を安定して運ぶための
マウントやダボ穴がたくさんある
グラベルロードバイクの特徴のひとつに、たくさんの荷物を安定して運べる点があげられます。そのためフレームの各所にバッグやケージ、あるいはキャリアや泥除けを装着するための複数のマウントやダボ穴があることも。トップチューブ上、ダウンチューブの上下、ほかにもフォークの外側などをチェックです。マウントなしでも取り付けられるハンドルバーバッグ類と組み合わせて、有効に活用しましょう。
バッグやケージを装着するマウント
バッグ類は必ずしもマウントやダボ穴が必要なわけではないが、ボルト固定することで未舗装路走行でも揺れにくくなる。イーボックのハンドルバーバッグは、マウントなしでも強力固定できてオススメとのこと。
ロードバイクにはない機構、ドロッパーシートポスト
ドロッパーシートポストはMTBに搭載されてきた可変式システムのシートポストです。最近一部のグラベルロードバイクに搭載され、後で交換も可能なシステムです。ハンドルブラケット付近のコントロールレバーを操作することでライド中でもサドルの高さを変えられるものも多いです。
ドロッパーシートポストの活用と効果
じつは上りと下りでは「最適なサドル高」は異なります。それを乗車したまま調整できるのがドロッパーシートポストの利点です。上りや平坦ではサドル高をロードバイクと同じにして効率よくペダリング、下り坂や凸凹路面でペダリングを止めている際はサドルを下げてヒザに余裕をもたせます。こうすることで振動や衝撃をヒザで吸収できます。信号待ちのときもサドルを下げて足つきをよくしたりと、すごく便利です。
グラベルロードバイクにはレーシングとその他が存在する
それほど明確ではありませんが、未舗装路を走れるバイクとして大きく「グラベルジャンル」があり、そのなかでより速く走ることにこだわったカテゴリーは「レーシンググラベル」と呼ばれます。サーヴェロのアスペロ5や、スペシャライズドのクラックスなどがそうです。それ以外の多くのモデルはツーリングやアドベンチャーライド、通勤など多用途に使えます。
ワイヤー式? 油圧?
グラベルロードバイクのグレードの見分け方
グレードというほどではありませんが、低価格のグラベルロードバイクはアルミフレーム&ワイヤー式ディスクブレーキ&10段変速式コンポーネントのようにまとめられていることが多いですね。中級から上級のグラベルロードバイクはカーボンフレーム&オイル式ディスクブレーキ&11〜13段変速コンポーネントの組み合わせです。つまりロードバイクの見分け方といっしょです。
▼グラベルロードバイクのタイヤはコチラの記事をチェック!
教えてくれた人
サイクルハウス MIKAMI
三上和志さん
サイクルハウスMIKAMI店長。埼玉を拠点にMTBクロスカントリー全日本シリーズに参戦し、実業団ロードレースやシクロクロスでも優勝。近年はグラベルロードにハマり、その使い方やテクニック、マナーの周知を行っている。
http://www.mikami.cc/
※この記事はBiCYCLE CLUB[2022年3月号 No.442]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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- CREDIT :
- TEXT:浜田幸紀(編集部) PHOTO:宮田幸司 ILLUSTRATION:田中 斉
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