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U17で見えた、ツール・ド・フランス日本人制覇へのスタートライン|シクロクロス全日本選手権

1月15日、愛知県稲沢市の国営木曽三川公園「ワイルドネイチャープラザ」で開催された2022-2023年シーズンのシクロクロス全日本選手権。U17世代の戦いも熱いものがあった。ここではジャーナリストの中村浩一郎さんが現地で感じた、若手選手たちのいまをお伝えする。

選手個人だけではないシステムとしての育成

1月15日のシクロクロス全日本選手権はすごかった。これはツールドフランス日本人総合優勝へのスタートラインだと感じた。

どのレースも熱く見応えあったが、中でも一番だったのは最初のレース、午前8時15分スタートのアンダー17クラスだ。17歳未満、学年でいうところの高校1年までの選手のクラスである。

スタート直後、10名ほどの選手が絡み合いトップを争う。最初のシケインに差し掛かったトップ5名の選手、松井颯良 (Sonic-Racing) 、成田光志 (Dream Seeker jr. Racing Team) 、野嵜然新 (RACING TORQUE) 、松山海司(Sonic-Racing)、平山雷斗(BUCYO COFFEE/CLT Cycling Team)。そのうち、先頭4人はシケインをバニーホップで次々にふわりと越えた。降りて担いで走り抜けようとした5番手の平山は転倒した。

彼らはもはや、シケインをバニーホップで飛ばないと転んでしまうスピード域で走っている。トップを走る15、16歳の若き選手たちは、その昔「新人類」と呼ばれたこともある我々中年日本人層と比べ、皆一様に手足が長い。長い手足で腰高のフォーム、バイクとカラダをバラして走る3D系ライドは見ているだけで軽い走りだ。しかも、この心の折れる砂地獄のコースで、トップ2選手は最後まで競り合い、そしてフィニッシュスプリントで勝負を決めた。

このシーンを胸熱と言わず何と言えばいい。これでついに日本は世界基準のスタートラインに立ったのだ。この状況を伝えた山口編集長は、事の本質をすぐさま見抜く。「1人じゃなくて、4人なんですよね。これは突然変異じゃなくて、もう育成システムの結果ということですよね。これは筧 五郎さんもすごいと言ってたんですが……」。

そう。これまで日本の自転車競技レベルは、常に誰かしら突然変異で才能を発揮した選手に頼ってきた。市川雅敏、今中大介、柳原康弘、福島晋一、清水都貴、別府史之、新城幸也、山本幸平。各種目に天才と言われるライダーがいて、彼らは世界への挑戦を続けた。ただ彼らが引退すると、競技レベルはまた0に戻ったように見えた。

そしてついに世界のスタートラインとなるユース世代、ジュニアよりも下の東海育ち16才勢は、4世代かかったが当たり前にバニーホップで飛び、フィニッシュを競り合えるまで層に厚みが出た。エリートレース1周目のトップ5のうち、シケインをバニーホップで飛んだのは織田だけだ。これまで突然変異とされていた24才織田の走りは、現在のアンダー17世代では当たり前となった。

ちょうどこの場にいた、ユース育成チーム『チームユーラシア-IRCタイヤ』橋川健 監督は別の話題で奇しくもこう言った。「ジュニアの体って全然できていないから、結果は信用できないよ」。そのとおりである。体力が、いや骨が伸びることすらここからだ。トラックレースのペダリング、MTBレースのスタミナ配分、BMXレースのバイクコントロール、ロードレースの戦略。体の成長以外で勝利に必要な要素の教育が、ようやく育成システムの中に取り入れられた。ひとつの種目に打ち込むド根性は、筋肉の動きを固定化し非効率ですらある。

自転車選手は一般に、30才ほどで選手のピークを迎えると言われている。だからここからが勝負だ。今U17の彼らは、ロス2028五輪開催時にはまだU23の年齢だ。この日のアンダー17レースは、日本人選手によるツール・ド・フランス優勝に向けた挑戦の、本格的なスタートだった。これから世界を目指す自転車選手だ、バニーホップぐらい軽々とやってもらいたい。

リザルト 男子U17(0.30km+2.50km×4Laps)

1位 松井颯良 (Sonic-Racing) 26:53
2位 成田光志 (Dream Seeker jr. Racing Team) +0:06
3位 野嵜然新 (RACING TORQUE) +0:19

 

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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