【ビワイチ✕わかさいくる】ナカジと走った鯖街道! びわ湖から三方五湖をつなぐガイド付きツアーを満喫
Bicycle Club編集部
- 2023年05月24日
若狭湾と京都をつないだ鯖街道。日本海の幸を運ぶための主要ルートで、おもに鯖(サバ)を運んだことからこう呼ばれる。いくつかの主要ルートのひとつが、日本海からびわ湖西岸の今津(高島市)に出て、そこから海路を使って京都方面へ渡るもの。若狭湾とびわ湖は昔から強い結びつきをもっていた。
ビワイチ✕わかさいくる
そんなびわ湖と若狭を自転車でつないで走ってみようというのが今回のツアー。ビワイチだけではなくその周辺も楽しんでもらうビワイチ・プラスを展開する滋賀県と、若狭湾沿岸に「わかさいくる」という愛称を持つ若狭湾サイクリングルートを設定し、そこにビワイチのサイクリストを呼び込みたい福井県の思惑が一致したことにより、自転車専門メディアや地元新聞社などを招いたモニターツアーという形でライドが実現した。
ツアーに同行してくれるのはバイシクルクラブでもおなじみの、ナカジこと中島康晴さん。福井県越前市出身のナカジは、わかさいくるはもちろん、びわ湖周辺や鯖街道のルートも熟知。今回のナビゲーターとしてこれ以上のキャスティングはない。
ではさっそく走ってみよう!
INDEX
サイクリングの前にまずはびわ湖にテイクオフ!?
さっそくサイクリング!と思ったら、スタートしてすぐに立ち寄ったのが小学校。「ココデナニヲスルノデスカ?」と思ったが、待っていたのはなんとカヤック体験。サイクリングにビワイチならではのアクティビティを組み合わせる楽しさを体験してほしいという地元ガイドの計らいだ。このマキノ東小学校では13〜14年ほど前から授業にカヤックを取り入れているおそらく全国で唯一の小学校。なんと校庭の端からカヤックでびわ湖に漕ぎ出すことができるというすばらしい環境。
ここで児童に10年以上カヤックを教えている川﨑功さんのレクチャーを受け、鯖街道ではなくまずはびわ湖にテイクオフ!
ここでデザート! ルート前半のガイドをしてくれた佐山恭一さんのお店「高島陣舎(たかしまじんや)」のアドベリースムージーとお米チップス。アドベリーは高島市を流れる安曇川(あどがわ)流域で生産されたボイセンベリーで、このあたりの特産品。佐山さんの高島陣舎は宿とレンタサイクル、カフェなどの複合施設だ。
ビワイチのルートを走ってJR近江今津駅へ。ここからいよいよ鯖街道!
カヤックを終えてようやくライドに。走るのはもちろんビワイチのルート。ビワイチは高速コースと低速コースが設定され、走り方に応じてルートを選べる。今回は低速コースをのんびりと走る。マキノの古い街道を抜け、湖岸の気持ちのいい松林を走り、竹生島などへの観光船が出る今津港をすぎれば、あっという間にJR近江今津駅。
JR近江今津駅で滋賀県側のガイドをしてくれた佐山さんとはお別れ。代わって福井県側のガイド、反田和宏さん、中村寛史さんと合流。ラファのウェアに身を固め、バリバリ走れそうなガイドさん登場に、少しキンチョー。しかもここからは地元メディアの(ふだん自転車に乗ってない)方々はクルマで熊川宿まで先回りするという。
というのも、ここからの鯖街道は峠越えを含む、初級者にはちょっとキツいコースなのだ。県をまたぐので、やっぱり峠を越えるんだね。最近メキメキ弱くなっている俺としてはちょっと不安。
熊川宿から裏道を抜けてJR十村駅へ。グラベルも登場だ!
ここから三方五湖までは国道303号から国道27号を使うのがメインルート。だが反田さん、中村さんが案内してくれるのは、もちろん裏道。しっかり整備されているのに交通量は少ない道をズンズン進んでいく。このあたりは国道であっても交通量はとっても少ない。前日泊まった宿のご主人に「国道はクルマが多いから気をつけて」と言われていたのだが、拍子抜け。反田さんいわく「これのどこが交通量多いんですか? 全然でしょ」 しかも裏道に入るとほとんどクルマは通らない。いやあ快適なサイクリングルートです。天気もいいしサイコーだね!
そしてほどなくして次の休憩地、JR十村駅に到着。ここでぜんざいをいただきます。
しばらくすると福井県年縞博物館に到着。年縞というのは長い年月でできた堆積層の描く縞模様のこと。三方五湖のひとつである水月湖には直接流れ込む川がなく、湖底に生物が生息していないなどの理由で湖底が穏やかで、堆積物が理想的に出来上がったという。ここには地面を垂直に掘り進んで採取した、45mにもなる年縞が展示されていて、それは7万年分にもおよぶ。地球の歴史をひもとく貴重な資料だ。今回は時間がなくて入館できなかったが、次回は必ず訪れたい。
いよいよ三方五湖をめぐる。ゴコイチの始まりだ!
この年縞博物館は三方五湖のひとつ三方湖のほとり。隣接して道の駅三方五湖もある。これからここを起点に三方五湖をめぐる「ゴコイチ」に出発だ。三方五湖の湖岸ルートはほとんどが湖の横を走る、つまり水との距離が近い道。このあたりは「福井梅」という梅の産地で湖岸にも梅林がいっぱい。古くは船で収穫した梅を運んでいたそうだが、近年になって農道を整備した。それがこのゴコイチのルートになっている。
だからクルマはほとんど通らず、平坦な湖岸沿いをゴキゲンにサイクリングできる。これはレンタサイクルで家族連れで楽しむにも最適。ただし交通量がほとんどないとはいえ一応車道なので、対向車には要注意だ。
今回は三方五湖のうち三方湖、菅湖、水月湖をめぐってゴールの道の駅三方五湖を目指した。
下の写真を見てもらえれば、ゴコイチのルートの様子がおわかりいただけるだろう。とにかく走りやすく交通量の少ない道だ。思わずサイクリングロード(自転車歩行者道)かと思ってしまうが、ここは車道。見通しの悪いコーナーでは対向車に十分注意したい。
しばらくすると湖上館PAMCOに到着。カヤックやグルメ、地ビールなども楽しめる宿だ。ここで最後の休憩をとってラストスパート?に備える。
そして三方湖の西岸、南岸を激走して道の駅三方五湖に到着! 走行距離約65km。今日の感想を発表しあって解散。楽しかったあ! みなさんお疲れさまでしたー!
ビワイチだけじゃない、周辺エリアにも魅力が満載
ビワイチ✕わかさいくる。このコラボによるモニターツアーを楽しんだわけなんだけど、こういうエリアをまたいだ取り組みは今後も増えていくんじゃないかと思う。サイクリングって長い距離を走るから、ひとつのエリアだけでは完結しにくい。また同じルートを何度も走るのもマンネリ化してしまう。だからこれからは「どことどこをつないで走ろうかな?」っていう選択が増えていくんじゃないだろうか。ビワイチがびわ湖一周だけじゃなくビワイチ・プラスで周辺の楽しみ方を紹介しているように、固定ルートだけでなく、その周囲や他エリアへの連結がさらなる楽しみを生んでいく。そしてそれを楽しんで発信するサイクリストがどんどん増えていく。そんな未来がみんなにとってハッピーだよね! ビワイチ✕わかさいくる、すっごく楽しかったです!
開催地:滋賀県・福井県
催行日:2023年5月16日
主催者:滋賀県・ビワイチ推進室/福井県・若狭湾サイクリングルート推進室
ビワイチを楽しむなら「サイクリストにやさしい宿」がおすすめ!
今回のツアーに参加するために泊まった高島市のまつなみ荘。昭和な雰囲気のお宿だが、フェルトのロードバイクに乗るご主人が、熱心にビワイチサイクリストを応援してくれている。場所柄、守山や大津からスタートして賤ヶ岳のあたりで疲れて走れなくなった予約客からのSOSも多い。軽トラで迎えに行くというが、新しく自転車積載用のキャリアも導入した。迎えに行く気満々。そんなお客さんばかりじゃ困るだろうに、でも気にするそぶりはない。また行きたい、そう思える宿でした。
まつなみ荘
滋賀県高島市マキノ町西浜763-1
https://matsunamiso.com/
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- Bicycle Club
- CREDIT :
- TEXT:岩田淳雄(ペダルプッシャー) PHOTO:岩田淳雄(ペダルプッシャー)/滋賀県/福井県/福井新聞
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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