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スペインのハードなステージレースで與那嶺恵理が総合20位

5月31日から6月4日まで、スペインのアンダルシア地方で開催された「ブエルタ・ア・アンダルシア・ルータ・デル・ソル・エリーテ・ウィメン(以下、ブエルタ・ア・アンダルシア・ウィメン )」。総合優勝はカトリーヌ・アーレルッド(モビスター)が獲得した。このレースには日本の與那嶺恵理(ヒューマン・パワード・ヘルス)も参戦、総合20位でこのレースを完走した。このレースの様子をスペイン在住の對馬由佳理がレポートする。

落車や風の影響でハードなレースに

前半戦の主役となった ドロノワバラボリナ(写真右)。写真撮影:對馬由佳理

5月下旬にアンダルシアで開催された ブエルタ・ア・アンダルシア・ウィメンは、今月にスペイン各地で開催されていた数々の女子の自転車レースの最後を飾るレース。今年で2回目の開催となるスペインで唯一の5日間のレースで、ワールド・ツアーチームからクラブチームまでが同じ条件で走ることができる。

初日はアルカラ・ラ・レアルをスタートし、グラナダの隣街ラ・ズビアがゴールの117km。なかなか逃げ集団が決まらないまま進んだレースだったが、ゴール直前、プロトンがラ・ズビアの街中に入ってから落車が発生。この落車に巻き込まれず、ゴール前の細い上りを一番最初に駆け上がってきたのはタマラ・ドロノワバラボリナ(イスラエル・プレミアテック・ローランド)。この日からリーダージャージを着ることになった。

2日目からは地中海沿いを走るサルボレーニャからコンぺタまでの83.6km。当初95kmの予定だったが、前日に急きょニュートラル走行の距離が延長される形で、レースの実質的な距離が短縮された。

また、ニュートラルスタートの最中に大勢の選手が巻き込まれる落車が発生し、この時点で総合2位だったリンダ・ザネッティ(UAE・ディべロッピングチーム)がレースを去ったほか、多くの選手が負傷した。

レースは最初の上りで50人ほどのメイン集団ができたものの、その下りで大半の選手がこのメイン集団に復帰。しばらく逃げ集団が形成されないままレースが続いた。結局、この日も9人の選手による逃げ集団が現れたのはゴール前30kmとなってから。メイン集団は逃げ集団とのタイム差を1分以内にコントロールし、最後の上りとなったコンペタで、逃げ集団を吸収され。ラスト5kmで20人の選手がゴール前スプリントに備えるなか、この日ステージ優勝したのは、前日と同じドロノワバラボリナ。リーダージャージを維持した。

第3ステージを優勝したマルタ・ロメウ(ラボラル・カイシャ)。写真撮影: 對馬由佳理

第3ステージはネルハからマラガの隣町のアロラまで、地中海を東から西に走る最長距離の134km。この日もニュートラルスタートの距離が延長され、実質的なレース距離は101kmに短縮された。
最後のカーブの多い長い上りを一番最初に上ってきたのは、マルタ・ロメウ(ラボラル・カイシャ)。この日ステージ2位だったリーダージャージのドロノワバラボリナがすぐ後ろまで迫ったものの、ロメウはこの日ラスト30kmからゴールまで逃げ切り優勝を飾った。
ラボラル・カイシャは、昨年ジャパンカップに来日したエウスカルテル・エウスカディと同じフンダシオン・エウスカディの組織内にある、女子の自転車レースのチームだ。

第4ステージは、マラガ近郊のピザラからミハスまでの91km。この時点でレースに出走している選手の数は83人までに減っていた。この日は風が強かったものの、コースの大半で選手たちは追い風を受けて走ることに。ゴール前40kmでアランツァ・ビリャロン(エネイカットCMチーム)がアタックを成功させ、単独で飛び出し、その後3人の選手がこの追いついた。結果、優勝したのはこの3人の中の1人だったサラ・マルティン(モビスター)。平均時速45kmを超えるハイスピードレースを制した。

第4ステージ終了時点で、総合リーダーはステージ2勝しているドロノワバラボリナ。47秒差の総合2位につけていたのが、第2ステージで2位・第3ステージで3位となっていたカトリーヌ・アーレルッド(モビスター)、総合3位はミエ・オテスタッド(ノルウェーナショナルチーム)という顔ぶれだった。

総合優勝は、最終ステージでカトリーヌ・アーレルッドの手に

最終第5ステージのスプリント勝負はアーレルッド(写真左)が勝利。 写真撮影: 對馬由佳理

第5レースはエステポナからカステリャー・デ・ラ・フロンテーラまでの95,6km。スタートして28kmでこの日最初の上りがあり、その上りが始まる前から集団が分裂した。
この時点でメイン集団は25人ほどに絞られるが、リーダージャージのドロノワバラボリナがこのメイン集団から離脱。一方、総合順位の2位のアーレルッドと3位のオテスタッドがメイン集団を飛び出し、もう一人の選手と3人で逃げ集団を形成する。アーレルッドとオテスタッドがドロノワバラボリナからじわじわとタイム差を広げはじめ、最終的にアーレルッドとオテスタッドのドロノワバラボリナからのタイム差は1分5秒ほどに。このタイム差はゴールまで続き、アーレルッドが最終ステージの優勝を勝ち取った。
アーレルッドはこの勝利の結果、今年のブエルタ・ア・アンダルシア・ウィメンの総合優勝者となり、ステージ2位に入ったオテスタッドが総合2位という結果となった。

今年のブエルタ・ア・アンダルシア・ウィメンの表彰台。写真右から、第3位のタマラ・ドロノワバラボリナ(イスラエル・プレミアテック・ローランド)、総合優勝したカトリーヌ・アーレルッド(モビスター)、第2位のミエ・オテスタッド(ノルウェーナショナルチーム) 写真撮影: 對馬由佳理

與那嶺は、チームメートが落車によるケガや体調不良などで次々とリタイアする中、堅実に各ステージでレースを進めていった。初日から最終日まで気温が高く、風が強い日もあったものの、最後まで一緒に生き残ったチームメイトのバルバラ・マルコッティをアシストし続けた。
最終の第5ステージでは、自らの自転車にトラブルが繰り返し発生したものの、集団に復帰してレースを続け、総合20位でアンダルシアでのレースを終えた。

與那嶺は総合20位で完走 写真撮影:Oskar Scarsbrook

與那嶺のチームのスタッフも「今回のブエルタ・ア・アンダルシア・ウィメンは距離は短めだったものの、レース自体はハードな日が多かった」とコメント。厳しい5日間となったこのレースを終えた與那嶺は、次戦フランスで開催されるCIC・ツアー・フェミニン・インターナショナル・デ・ピレネーに出走する。昨年、このレースで総合2位となった與那嶺のレースが注目される。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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