2024年パリ五輪ロードレースのルートが決定! 史上最長のレース距離に
福光俊介
- 2023年07月16日
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2024年パリ五輪組織委員会は7月4日、同大会自転車競技ロードレースと個人タイムトライアルのルートを発表した。ロードレースは史上最長の距離で争われるほか、個人タイムトライアルは初めてとなる男女同コースで競うこととなる。
パリの名所をめぐるロングコース
この発表は、同日に行われたツール・ド・フランス第4ステージ終了後に、パリ五輪組織委員長のトニー・エスタンゲ氏によってなされた。レースのコンセプトは、「挑戦的かつすべての人に開かれている」という同大会の理念に沿ったものだという。
ロードレースは男子が273km、女子が158kmに設定。長距離であるだけでなく、アップダウンが多く、終盤はパリ市街地の一部であるモンマントルの丘や石畳の路面、鋭角コーナーなどテクニカルなルーティングが特徴的。
具体的には、トロカデロ広場をスタートして、エッフェル塔、セーヌ川、アンヴァリッド、カルチエ・ラタンをめぐる5kmのパレード走行を経て、ルー通りでアクチュアルスタート。その後男子は13カ所の登坂区間にチャレンジし、女子は9つ上ることになる。
パリ西部のワンウェイルートを男子は225km、女子は110kmカバーし、ルーブル美術館やガルニエ宮の前を通ってパリの中心部へ。ここから最後の約50kmで、テクニカルなコーナーや石畳の上を走る18.4kmの周回コースを3回めぐる。特に重要となるモンマントルの丘は、登坂距離1kmで平均勾配は6.5%。特に最終周回は確実にアタックがかかる場所になるだろう。
最後のモンマントルを通過すると、残りは9.5km。最終局面はセーヌ川にかかるイエナ橋からトロカデロ庭園に向かう230mの直線。数人または集団で到達すれば、ここでスプリントフィニッシュとなる。
エスタンゲ氏によれば、「ベルサイユ宮殿やシュヴルーズ渓谷、ヴァンセンヌの森、アンヴァリッド、エッフェル塔などのスケールに驚くことでしょう」とコースセッティングに自信を見せている。
個人TTは平坦勝負
個人タイムトライアルは、アンヴァリッドのエスプラナードを出発し、32.4kmの平坦ルートを走行。サンジェルマン・デ・プレ地区を抜け、セーヌ川にかかるシュリー橋を通過。バスティーユ広場を過ぎると、ヴァンセンヌの森に入り、いくつかのコーナーを抜けて往路と同じ道を逆走。最後はセーヌ川にかかるアレクサンドル3世橋にフィニッシュする。
マチューも満足のコース設定
コース発表を受け、マチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク、オランダ)は地元メディアに対し、「私にぴったりのコースだと思う」とコメント。「フランドル地方のクラシックレースに似たようなレースになるかもしれないね」と続けた。
変化に富み、地脚が試されるであろうコースでの戦いは高い注目を集めることだろう。
パリ五輪 自転車競技ロードレース スケジュール
7月27日(土)
14:30〜16:00 女子個人タイムトライアル
16:30〜18:00 男子個人タイムトライアル
8月3日(土)
11:00〜18:15 男子ロードレース
8月4日(日)
14:00〜18:45 女子ロードレース
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PROFILE
サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。